Googleケータイ、世に現る

第49回出揃い始めたAndroidタブレット

iPadの好敵手となるか

iPadがリリースされた後、雨後のタケノコのように中国製のノーブランドAndroidタブレットが多く登場し話題になりました。毎週のように製品リリースのニュースがあり、価格も1万~3万円程度と、購入しやすい価格なので、すでに入手された方もいらっしゃるかもしれません。

先日開催されたIFA(国際コンシューマエレクトロニクス展)2010で、Samsungの「GALAXY Tab」と東芝から「FOLIO 100」が発表され、メジャーブランドからもAndroidタブレットが登場しました。発売は、SamsungのGALAXY Tabが、九月中旬からヨーロッパ、続いて、アメリカ、アジアで販売予定となっています。東芝のFOLIO 100は、第4四半期にヨーロッパでの販売予定しており、日本での販売は決まっていないとしています。

では、簡単にハードウェアのスペックを見ていきます。

Samsung GALAXY Tab

GALAXY Tabは、7インチ(1,024×600ドット)のマルチタッチに対応したタッチパネル液晶を搭載。プロセッサはCortex A8 1GHz、グラフィックプロセッサはPowerVR SGX540を搭載。内蔵メモリの容量は16GBと32GB、32GBまで対応するmicroSDカードスロットを備えています。ネットワーク周は、3G、GPS、Wi-F-、Bluetooh 3.0を搭載。スリーサイズは、190.1mm×120.45mm×11.98mmで、重量は380g。採用OSは、Android 2.2です。

前面に130万画素カメラ、背面に300万画素カメラとLEDフラッシュを搭載し、720×480ピクセルで30fpsの動画撮影できるのが特徴的です。

iPadは、少し重く、少し大きい印象を持っているので、GALAXY Tabのそれよりも小さく、軽い筐体は非常に魅力的です。また、A5程度の大きさは、鞄の中でも場所を取らず、持ち運ぶ際にも取り回しが良さそうな印象です。オプションで、キーボードドッグが用意されているのは注目です。

galaxytab.samsungmobile.comは、製品の詳細情報を確認できる。日本で登場するのが楽しみ
galaxytab.samsungmobile.comは、製品の詳細情報を確認できる。日本で登場するのが楽しみ

FOLIO 100

FOLIO 100は、10.1インチ(1,024×600ドット)のマルチタッチに対応したタッチパネル液晶を搭載。プロセッサはNVIDIA Tegra 2を搭載。内蔵メモリの容量は16GB、miniHDMI端子、USB2.0端子、SDカードスロットを備えています。ネットワーク周りは、Wi-Fi、Bluetooh 2.1+EDRを搭載。スリーサイズは、281mm×180.9mm×14㎜、重量は約760g。採用OSは、Android 2.2です。この端末も前面に130万画素のカメラを備えています。

FOLIO 100で使われるNVIDIA Tegra 2プロセッサは、1GHzで動作するCortex-A9を2コアとGPU、ビデオエンコードエンジン、オーディオ処理エンジン、イメージ処理エンジンなどが搭載されている統合チップです。省電力性能に長けており、Cortex-A9のような汎用プロセッサで行うとエネルギー効率が悪くなるビデオやオーディオのストリーム処理は、専用のエンジンに任せることで、エネルギー効率を高めているのが特徴です。

先行するiPadを基準に考えると、これからリリースされるタブレットは、それよりも小さくなるか、それよりも大きくなるか、どちらかのアプローチで開発されることになると思いますが、FOLIO 100は、iPadの9.7インチ液晶よりも少し大きい10.1インチの液晶を採用して、一回り大きいサイズになっています。

コンテンツプレイヤー以外で使える?

今回発表された2機種は、魅力的なハードウェアですが、この連載で何度も書いているように、普及は、コンテンツ次第のように感じています。

そう考えると、コンテンツ配信プラットホームも抱えているiPadには、一日の長があります。Samsung、東芝ともに、その辺りは重々承知しているようで、独自の「Samsung Apps」「Toshiba Market Place」を開設予定としており、東芝は、動画や音楽、eBookの配信を予定しているとしています。ともにどのように運用され、どうのように進化して行くのか予想が付きませんが、さまざまな選択肢があるのもAndroidの魅力です。

Androidタブレットをコンテンツプレイヤー以外の用途で期待しているのは、ノートPCの置き換え用途です。ノートPCで行うすべての作業をカバーすることは不可能でも、筆者の場合、外出時はLogMeInなどのリモートアクセスサービスで、自宅や会社のマシンを使っているケースが多いので、大きめの画面で、そこそこの解像度を備え、不満のないWebブラウザが動作するAndroidタブレットがノートPCの置き換えにならないかと期待しています。

なぜ、iPadではないかと言うと、Android OSはiOSと比較すると、ユーザに開放されている部分が多いので、決まった用途以外でも、工夫すれば、いざという時に対応できるのでは?期待を持っています。

ようやく出揃ってきた感があるAndroidタブレットですが、クリスマス商戦に向けて、他にも登場するはずなので、端末選びに頭を悩ませそうです。

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