GoogleからGmailアプリの最新バージョンがリリースされました。
Gmailアプリは、これまでOSと共に配布されていましたが、このバージョンよりOSから切り離されて、単独のアプリとしてAndroid Marketを通じて配布されることになりました。
市場には、複数バージョンのAndroid OSが存在しており、同じGmailアプリでもOSのバージョンよって機能が異なり、サービスと連動できないなどの問題を抱えていましたが、OSから切り離されたことで、テンポよくアップデートできるので、ユーザにはメリットのある措置です。
リリースされたGmailアプリの対応OSは、Android 2.2以上です。
国内のキャリアから販売されているAndroidケータイは、最高でもAndroid 2.1で、多くの方はGmailアプリを試すことができないはずなので、今回は、その使い心地をお伝えします。
優先トレイの使い心地
Gmail 2.3は、Web版Gmailの新機能「優先トレイ」に対応しています。
既に多くの方が、優先トレイの素晴らしさを体験していると思いますが、簡単に説明すると、多数のメールの中から重要なメールを自動的に識別して振り分ける機能のことです。よくメールする相手やよく閲覧するメール、過去に返信したメールなどを元に、重要メールとして判定されています。
Web版Gmailの優先トレイは、Gmailアプリの「重要」ラベルに同期されます。
Gmailアプリは、同期したメールをWeb版Gmailのように、重要な未読メールとして分けて一覧表示したり、メールに重要、非重要のマークを付けることはできません。ウェブ版と近い物を期待していると、がっかりさせられることになります。
今回リリースされたGmailアプリは、優先トレイに対応したと言っても、Web版Gmailの優先トレイ機能リリースに合わせて最低限の実装が行われた印象です。機能および使い勝手含めて、もう少しWeb版Gmailと近い内容であれば、優先トレイを非常に有用だと感じているユーザを満足させられるはずなので、新バージョンで改善されることを期待します。
改善された使い勝手
正直なところ、筆者は、Gmailアプリの使い勝手に「冴えない」印象を持っていました。
特別使いづらいワケではないのですが、口元がニヤけるほど使いやすいワケではなく、一目惚れするほど美しいユーザインターフェースを備えているワケではないのがその理由です。
今回リリースされたGmail 2.3は、そうした冴えないと感じる部分が改善されているので、ご紹介します。
改善されたのは、メールの表示画面で、メールのヘッダに伸び縮みするツールバーが付いています。このツールバーが縮んだ状態では、スタートを付ける、メールの返信のボタンが表示されており、伸びた状態では、先にボタンに加えて、メールを全員に返信、メールの転送のボタンが表示されます。メニューから操作とそう違うのか?と突っ込みが入りそうですが、メニューからの操作の場合は画面から注意を外し、端末のメニューボタンを押して、画面内内で操作を行う必要があり、操作のテンポが乱れてしまいます。その点、今回のツールバーでは、画面内ですべて操作ができるので、テンポを乱さず、気持ち良く操作できるように改善されています。
フッタにも手が加えられています。
これまでのフッターは、アーカイブ、ラベル、削除のボタンが並んでいましたが、新しいフッタは、アーカイブ、削除、前のメールを表示、次のメールを表示のボタンが並びます。新しいフッターからは、ラベルボタンがなくなっていますが、メニューからラベルが付けられるように変更されています。
前・次のメールを表示するボタンが追加されたのは、うれしい改善です。
これまでは、メニューを表示していて、次のメールを表示するときは、端末のバックボタンを押して一覧に戻り、次のメニューをタップして表示する2ステップの操作でしたが、このボタンが追加されたことで、1ステップで操作できるようになりました。
操作系以外にもメールの表示方法も変更されています。
差出人がGTalk用としてアイコンを設定していれば、先のヘッダ部分にそのアイコンが表示されるようになっています。これは、Web版Gmailにも実装されていない機能です。
また、長いメールをスクロールして行くと、先のヘッダの一部が画面上部に残るようになっています。これは、ヘッダ部分に操作コマンドがあるために、ギミックのようなユーザインターフェースが採用されているのだと思います。
使いやすくなったけど…
他、細かな部分では、フォントサイズが設定できるなど、細かな点も改善されており、今回のリリースされたGmailアプリは確実に使いやすくなっています。ただ、筆者は、優先トレイとの連携がもう1つなので、次のバージョンが計画されているのであれば、この部分の強化を望みます。