モバイルファクトリーの松野です。
今回は12月にWassr(ワッサー)がbeta2バージョンアップしましたので、追加された機能などを紹介します。
英語版について
Wassrでは先日英語版をリリースいたしました。英語版といっても、見た目が違うだけで内部的な処理はなにも変わりません。HTMLのテンプレートが切り替わっているだけです。
最近のウェブアプリケーションでは内部コードはUTF-8で処理するのが当たり前になっていますので、EUC-JPなど固有の言語圏に依存していたころにくらべると格段に多言語化が容易になっています。
WassrはSecond Lifeとの連携に特に注力して開発を行っているのですが、Second Lifeのユーザーは英語圏の方が圧倒的に多いため、今回の英語化に踏切ました[1]。
OpenSocial
OpenSocialはGoogleが推進している、SNS上のアプリケーションの共通規格です。
SNSで動くアプリケーションといえばFacebookが有名ですが、OpenSocialはオープンな規格で、Facebookが独自の規格で、いろいろなことを学習しなくてはいけないのに対し、OpenSocialはCSS, JavaScript, HTML, XMLといった標準的な技術の上に成り立っています。
標準的な技術に精通したWeb開発者であれば、新たに覚えることは少なくてすみます。規格が公開されており、サンプル実装も公開されているため、各種SNSも(技術的には)簡単にOpenSocialに対応することができます。
共通規格なので、Write once Run anywhereを実現できます。
mixiやSixApartをはじめ、数多くのSNS関連企業が賛同していますので、今後、普及してくると見込んでいます。
Google Talk / iChat 対応
これまでWassrでは Yahoo! Messenger日本語版のみに対応しておりましたが、英語版のリリースにあたり、Google TalkやiChatにも対応いたしました。
Google TalkはプロトコルとしてXMPPを使用していますので、フリーのXMPPサーバーであるDJabberdを使用しています。DJabberd はmemcachedやPerlbalの作者として知られるBradFitzが作ったソフトウェアで、海外ではLiveJournal等で使われています。
DJabberdはPure Perlで書かれており、Perlによる拡張が簡単に行えます。
Wassrのようなアプリケーションにおいては、リアルタイム性が非常に重要なので、Webのみにとらわれることなく、随時他のプロトコルによるアプローチも試してみることが重要だと私たちは考えています。
Prismについて
PrismはMozillaが提供しているプロダクトです。
まだベータ版ですが、Wassr ではこのプロダクトの将来性に着目し、いちはやく公式クライアントを提供しています。
Prismはウェブアプリケーションを簡単にデスクトップアプリケーションに変換できるツールです[3]。
最近はやりの Adobe AIRと同じようなコンセプトですが、こちらはブラウザで表示した結果をベースに、UserSide CSSとUserSide JSで味付けをしていくというスタイルなので、とくになにも覚えなくても気軽に開発が行えます。
見た目の制御は CSS なので、Web のデザイナーさんがとくに何も勉強せずに始められますし、挙動の制御もJavaScript なので、Web の開発者が気軽に始められます。
なによりPrismが優れているのは、URLを設定するだけでブラウザでの表示が再現されるという点で、動いている状態からの開発することができるので、開発にあたって一番重要なモチベーションが維持できる点です。:p
WassrのPrismクライアントは、かなり作りこまれており、世界的にみてもWassrのクライアントは一番よく作りこまれたクライアントではないかと自負しております。ぜひおためしください。