今回は、ハードウェアをご紹介しますが、WIMM Oneはさまざまな情報を表示できる腕時計として使えるのでが特徴なので、腕時計として「デキ」を軸にレビューしていきます。
腕時計としてのWIMM One
WIMM Oneには、腕時計として使うためのシリコンバンドが付属しています。このバンドのフレームに、モジュールをはめ込むことで腕時計として使えます。モジュールとシリコンバンドを合わせても52gと軽量ですが、シリコンバンドに装着すると、大柄で武骨なデザインの腕時計になります。筆者が所有するカシオのG-SHOCKと比較すると、それが小さくスマートに見える程です。
シリコンバンドのデザインは、お世辞にも格好良いとは言えません。
腕時計は、アクセサリーとしての要素も持っているので、この時点で「ありえない」と考える方も居るはずです。別のバンドがリリースされれば、幾分かは解消されるとは思いますが、当分は、この「ダサ格好良い」デザインを許容した上で付き合っていく選択肢しかありません。
WIMM Oneを腕時計として使う場合は、注意する点が一つだけあります。
画面がタッチパネルなので、腕組みをした時などにタッチしていることがあり、時計表示でなくなっていることがあります。いまのところ、実用上は問題ありませんが、使うアプリによっては問題になるケースが出てくるかもしれません。これ以外は、普通の腕時計と同じ感覚で使うことができ、違いを感じるのは、バイブレーションが動作した時とビープ音が再生された時くらいです。
充電は?バッテリの「もち」は?
バッテリの充電は、専用の充電スタンドを使います。
この充電スタンドには、マイクロUSB端子があり、パソコンのUSBポートを使って充電できます。パッケージには、ACアダプタが付属しており、パソコンがなくても充電できます。このACアダプタは、小さいと絶賛されたiPhoneのACアダプタよりも、もうひと回り小型なので驚かされます。WIMM Labsには、相当なこだわりも持ったハードウェアエンジニアがいるのかもしれません。
充電スタンドには、小さな四つの端子がありますが、これは、パソコンとUSB接続を行うために使われるもので、充電はワイヤレスで行われます。充電スタンドに磁石が付いていて、モジュールを確実に固定するので、軽く置くだけで間違いなく充電されます。
バッテリの持続時間は使い方によって違ってきますが、私の場合、Wi-Fiをオフ、Bluetoothをオン、GPSをオンにした状態で、朝の9時ごろから使い始めて夜の20時ごろにバッテリ残量を確認すると、残り20%~30%程度です。この間は、腕時計としての利用がほとんどですが、iPhoneとBluetoothでペアリングしており、電話の着信通知を何度かWIMM Oneで受けています。このまま使い続けると、日が変わる頃に充電を催促する警告が表示されるので、WiFiを積極的に使わなければ、一日は十分に使える印象です。
ひと工夫されたディスプレイ
腕時計として使うには、ディスプレイが常時オンの状態になっている必要があります。たとえば、iPod nanoを腕時計化した場合は、バッテリの持ちを気にしてか、ディスプレイが常時オンにならず、腕時計としての使い勝手はいまひとつです。WIMM Oneは、腕時計として使うことを目的に開発されているので、ディスプレイをオンにしたままでも、バッテリを消費しない工夫がされています。
WIMM Oneが腕時計として動作している時は「活性」と「非活性」の2つの状態を持っています。活性状態では、ディスプレイがカラー表示で、バックライトが点灯しています。
この状態でしばらく操作しないと、バックライトが消灯し非活性の状態に移行します。非活性の状態では、消費電力を抑えるために画面が積極的に更新されなくなります。積極的と書いたのは、時計として機能するため時間の更新は行われるからです。非活性の状態では、ディスプレイがカラー表示からグレースケール表示に切り替わり、バックライトが消灯されます。非活性状態で、モジュールがなんらかの情報を受け取ったり、操作されたりすると、活性化状態に移行し、ディスプレイがカラー表示になり、バックライトが点灯されます。
活性・非活性の状態は、Androidケータイでも存在しますが、非活性状態で画面を消さずに、表示階調を変更して更新頻度を極力抑えているのは、ひと工夫されています。
腕時計として練られたデバイス
WIMM Oneは、デザインが武骨ですが、腕時計としてよく錬られており、使っていても大きな不満を感じることがありません。あえて不満点を書くと、腕時計として使う場合、毎日充電するのは面倒なので、一回の充電で最低でも三日は使えると、より使い勝手が良くなると考える程度です。
今回は、腕時計としてWIMM Oneをご紹介したので、次回は、WIMM Oneのソフトウェアをご紹介します。