大河のような動き?
ひと月経つのは早いもので、本連載も2回目となります。
動きの早いAndroidケータイや何かと話題作りして仕掛けてくるAppleと比較すると、Windows Phone 7の動きは大河のようです。第一回目 の連載を終えた後、1ヵ月があれば、多くの動きが出てきて、さまざまな話題をお届けできるだろうとタカをくくっていたのですが、実際1ヵ月経過してみると、あまりに話題や動きの少なさに危機感を感じるほどの状況です。
NoDoがやってきた!
筆者は、MacをホストにVodafoneロゴのHTC 7 Trophyを使っているので、多くの方と使い方が異なるかもしれませんが、Windows Phone 7のアップデートが3月に実施されることを知って、Mac用の同期ソフト「Windows Phone 7 Connector」の[Device Update]の[Check For Update]を1日に1回はクリックして、我が掌のHTC 7 Trophyに早くアップデートがやって来ないのか首を長くして待つ日々でした。
事前のアナウンスでは、3月にアップデートの配布とされていましたが、3月中旬になっても音沙汰なし、4月に入ってすぐアップデートのお知らせが来た!と喜んだところ、待ちわびた内容のアップデートではなく「07.00.07008.03」へのアップデート配布でした。このアップデーターは、内容が「This update improves the experience of updating your phone in the future」となっており、触った感じでも何が変わったのかわからないもので、ぬか喜びとなりました。
実は、この前にも「07.00.07004.03」へのアップデートが行われているので、二度もぬか喜びをしていることになります。もうアップデートの通知があっても、そう簡単には喜ばないと思わせるくらいの4月の2週目に、ようやく我が掌のHTC 7 Trophyにもお待ちかねのアップデート「NoDo」がやって来ました。
やきもきさせれたアップデートですが、Windows Phone 7の情報サイトによると三部構成で実施されており、スケジュールがずれたのは、途中の段階で不具合が見つかった為としています。最後のアップデートは、2月1日にビルドが行われたと言われているので、提供側もギリギリのスケジュールで動いているのかもしれません。
NoDoでOS versionが7.0.7390.0へ。また、MACアドレスも確認できる
NoDoで何が変わったか?
さて、今回のアップデートで、OSのバージョンは「07.00.7390.00」となります。先頭から3つ目のパートが「7390」となり、マイナーバージョンが変更されていることが確認できます。
内容は、
コピー&ペーストができるようになった。
アプリの起動が高速化された。
システムの動作速度が向上した。
Marketplaceがカテゴリで検索できるようになった。
となっているので、アップデートの内容を観て行きます。
まずは、目玉のコピー&ペースです。
操作方法は、編集エリアのテキストをタップすると、1ワードだけ選択されます。ここまでは旧バージョンと変わらない動きですが、選択したワード付近にコピーアイコンが付いたボタンが表示され、タップすると対象のワードがクリップボードにコピーされます。すると、キーボードの入力候補が表示されるエリアの先頭に、クリップボードアイコンが表示されます。
カーソルを適当な位置へ移動して、そのアイコンをタップすると、先ほどコピーしたワードがカーソル位置へ挿入されます。iPhoneのコピー&ペーストの操作と比較すると、コピーの操作は煩雑な印象もなく、選択を行った後、次の操作を提示するUIは悪くないかと思いますが、ペーストの操作は、目線の移動があるのでもう1つの印象です。ただし、使いづらいということはなく、気になるのは慣れの問題と言っても良いはずです。
アプリの起動速度やシステムの動作速度に関しては、アップデート前でも遅いと感じることはなかったのですが、アップデート後は、さらに磨きがかかり、テンポ良く操作できます。
たとえば、ホーム画面でアプリをタップすると、タイルがめくれて行くアニメーションが始まりアプリが起動するわけですが、これまでは、ほんの少しだけ間の後にアプリが起動していました。アップデート後は、間髪入れずアプリが起動します。速さは麻薬のようなもので、この速度を体感すると、古いバージョンで操作の度に少しだけ入る間が煩わしいものだったと思わせます。アプリの起動だけではなく、システムの動作速度も最適化されており、アプリの起動と同様にテンポを乱すことなく快適に操作できるようにチューニングされています。古いバージョンでも、さまざまなアニメーションを入れながら、ストレスなく動作していたので関心をしていたのですが、まだ、調整の余地があったことには驚かされます。
他、細かなところで言えば[Settings]―[About]―[more information]でMACアドレスが確認できるようになっています。これWi-Fi経由で使おうとしたて、ルーターにMACアドレスを登録しようとすると、端末では確認できなくて、ルーターがWi-Fi経由でアクセスしている端末のMACアドレスを表示する機能を使ってしか確認できなかったので、有り難い機能と言えます。これ意外にも筆者は確認できていませんが、Bluetoothのプロファイルが増えているなどの情報もあるので、細々とした部分の改良も行われているようです。
Mangoは完熟なのか?
アナウンスでは、Mangoと呼ばれるメジャーアップデートが、八または九月に予定されています。今回のNoDoは、小規模なものの良くできた内容だと感じているので、次アップデートは甘い完熟で我々の前に登場して、Windows Phone 7が巻き返しの攻勢が始まるのか期待してしまいます。