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補足情報
P.144 Unixコマンドライン探検隊 第1回の補足情報
PAGER(ページャー)
manは、標準で対象のmanページをコンソール画面に出力します。コンソール画面1ページでは表示できない内容も多いので、ページャーという外部のコマンドを通して出力することで、1画面に1ページがちょうどおさまるように表示しています。
<STEP UP!> manが使うページャーは、環境変数PAGERかMANPAGERで指定してあるプログラムが使われます。もしくは、“-P”オプションで明示的にページャープログラムを指定することもできます。 |
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ページャーは、ほとんどの場合lessかmoreが使われます。lessコマンドは、moreの発展形(moreに対する洒落のネーミング)で、エディタの“vi”コマンドライクな操作によって、ページの前後移動、行単位での移動、検索などができます。
OS Xでは、moreというコマンドは存在していますが、中身はlessになっているようです。
less, moreの簡単な使い方(画面下に“:”が表示されている状態で、次のコマンドなどが有効です) | |
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q | ページャーをぬける |
f | 1ページ先に進む |
b | 1ページ戻る |
j | 1行進む |
k | 1行戻る |
/ | 続けてキーワードを入力して前方検索する |
? | 続けてキーワードを入力して後方検索する |
Ctrl+G | 全体での現在位置などの情報を最下段に表示する |
h | HELPを表示する |
manページのある場所
さて、manページ(元データ)はどこにあるのでしょうか。プログラムの中にハードコードされているのでしょうか。そんなはずはないですよね。
manページは、OS XやLinuxでは、
/usr/share/man、/usr/local/share/manに格納されています。lsコマンドで、ディレクトリの中を覗いてみます。
Ubuntuでの例 |
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man1〜man8が英語のmanページで、それぞれ1〜8セクションが分類されて収納されているディレクトリです。jaなどのほかのディレクトリは、各言語(ローケール)に対応した言語に翻訳されたmanページが、同様(たとえばja/man1〜ja/man8)に格納されています。
個々のmanページは、たとえばlsであれば“コマンド名.セクション[.gz]”という名称のファイルは、
ls.1.gz → 圧縮された状態
もしくは、
ls.1 → 非圧縮の状態
で存在しています。
Linux系の環境では、これらのディレクトリには圧縮されたものが入っていて、ディスクスペースを節約しています。
<STEP UP!> manページのファイルは、groffというマークアップランゲージを使った文書整形ツールの形式です。groffは“roff”(roffの名前は、Run OFFから)コマンドファミリーのフロントエンドプログラムで、manページはそのファミリーの中でも“nroff -manマクロ形式”です(nroffは、現在ではshellスクリプトになっていて、groffを内部から呼び出しています)。 manコマンドを使うのと同様に、nrofffを使って |
Linux |
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OS X |
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とすれば、整形された状態で表示できます。 |
日本語のページはどこに?
日本語のmanページがある場合は、通常日本語のロケールjaにに対応した/usr/share/man/ja、/usr/local/share/man/jaディレクトリに入っているはずです。
現在のロケールが何になっているかは、環境変数LANGを確認しましょう。
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であれば、日本語がデフォルトです。en_US.UTF-8であれば、英語(米国)です。日本語になっていなくても、次のように環境変数を設定して、日本語環境にすることができます。
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この場合には、jaディレクトリにmanページのファイルがなければ、デフォルト(通常英語)のページが表示されます。jaディレクトリがあっても、すべてのマニュアルが翻訳されているわけではありませんので、ページによって日本語であったり英語になることもあります。
いちいち環境変数を変更してしまうと、後に実行するコマンドのロケールへも影響してしまいますので、次のようにすれば、manの実行時だけロケールを変更できます。
英語(システムデフォルトとして指定した例) |
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日本語 |
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<STEP UP!> 日本語のmanページがインストールされていない場合、次の方法で簡単に導入できるかもしれません。root権限か、sudoersに利用者が登録されている必要があります。 |
Ubuntu |
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CentOS |
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OS X |
OSXには、日本語のmanページは標準では入っていません。日本語のマニュアルを使えるようにするには、日本語に対応したgroffをインストールし、日本語のmanページをインストール(OS XはFreeBSDベースなので、http:// |
お詫びと訂正(正誤表)
本誌の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに、ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
P.36 「量指定子:0個または1個 ?、=」の正規表現例
誤 |
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正 |
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