群衆の叡智サミット2009開催に向けて―岡田良太郎氏に訊く

WOCS2009、5月26日に開催

2009年5月26日、⁠群衆」をテーマにした公開討論会「群衆の叡智サミット2009」が開催される。同討論会は、今回で3回目を迎えるイベントで、毎回パネリスト/コメンテーター/参加者が一体となり、さまざまなテーマについて各自の意見や考えを述べたり、まとめていくというもの。

過去のサミットでは、壇上に上がるパネリストやコメンテーターによる討論に加えて、会場へのリアルタイムアンケートを行うなど、⁠場⁠全体における意見の創出・集約・発散が行われ、誰もが予測できない叡智が生まれてきた。

今回は「⁠⁠群衆⁠が引き起こす価値の変革―あしたを変える 人の力・群衆の力 」をテーマに、昨今の経済危機や社会の変化に対する⁠群衆⁠が持っている潜在能力や影響力、その可能性について熱く討論されることが期待されている。

開催概要
イベント名群衆の叡智サミット2009
開催日2009年5月26日
開催場所時事通信ホール(東銀座)
申し込みURLhttp://entry.techstyle.jp/wocs/
参加費事前登録5,000円、当日申込7,000円

テックスタイル代表取締役 岡田良太郎氏に訊く

ここで、主催のテックスタイル代表取締役 岡田良太郎氏に「群衆の叡智サミット」開催の狙い、イベントへの期待について伺ったので、その模様をお届けする。

テックスタイル代表取締役 岡田良太郎氏
テックスタイル代表取締役 岡田良太郎氏

実行への確率を高めるためのコンセプトシェア

「Wisdom of Crowds Summit」⁠群衆の叡智サミット)は、技術と情報の新しい流れ、イノベーションのための人の役割を考え、実行への確率を高めるためのコンセプトをシェアすることを目的としています。といいますのは、よく「専門家か群衆の意見かを勝負させるんですか」と尋ねられることがあるんです。もともと「群衆」という言葉が、少数の、時に高名な賢い人に比べてなにがしかが「劣る」というニュアンスがあるからかもしれません。そこで、この「~の叡智」という部分が、そのような既成概念に対するアンチテーゼだと理解されるのかもしれません。しかしここには、メンタルブロックとして、リアルに広い範囲の人々の意見を尋ねることは物理的にはとても大変なことだ、という隠れた前提があると思います。

多様性がさまざまな進歩に貢献する

インターネットを中心とした情報と技術の流れは、効果と弊害を整理するのは大変ですが、それでも、未来を切り開くための新しい手段をたくさん得たことは間違いありません。そうすると、まわりまわって、それぞれの「人」の立ち位置が見えてきます。文化、芸術、教育、職業、ライフスタイルでさえ、多様性があることが普通に認められ、そして同時に全体として直接/間接に進歩に貢献する可能性を得られます。

たとえば、最近の話でしたら、オバマ大統領が選挙資金を個人からのみ、しかも5ドル単位で集めたという話は特徴的です。その選択の善し悪しを云々したいのではなく、要するに、群衆にいる個々の意見と、それを集約していく人の関係性には、情報の側面でも技術の側面でも興味深い流れを見ることができます。

過去2回を振り返って

過去2回のサミットは両方とも結論を明確に出せず、それでいて、なにかやろうという意欲はものすごく大きくなったところで終わったわけですが、そのあと、毎回、ブログやメールで反響をいただきました。⁠もやもやするから何か作ろう と思います」とか「意見が分かれたまま終わって良かった」とか。 来場者もパネリストもそれぞれの考え方がありますから、それぞれに響くポイントが異なるのは、とても良いことだと思います。 そこで、おかげさまで第3回となる今回は、テーマを「あしたを変える人のちから・群衆のちから」としました。それぞれに、それぞれのとらえ方でコンセプト と「力」をシェアできればいいんじゃないかと思っています。

見どころ「最近の潮流」「活用のアプローチ」…でも、詳細は当日まで誰もわからない

見どころですか・・・。うーん、どんなディスカッションになるかを前もって予想することは難しいですね。本当に、ほとんど仕込みなしの2ラウンドですので。

大きな枠組みをお話しますと、2つのセッションで、最近の大きな流れと活用のアプローチ、いやむしろそれぞれの苦悶について議論します。TwitterやYouTubeなどの話から、メディアの有様はどう変化しているのか。また、これまでに取り上げていない集約分野である、物理的な「人の行動」「感覚⁠⁠ を可視化するプロジェクトについても触れることになると思います。そして、活用面、たとえばものづくりという意味を含むマーケティング分野、情報戦略、人材育成、ソフトウェア開発、ひいては社会を支える子どもたちの教育現場というような分野も議題に上がっています。

とくに、群衆の中を「アイデア」が伝搬するにつれどのように変化し、価値を増していくかについての興味深い研究をされたパネリストがおられ、その話をお願いしているのですけど、個人的にはとても楽しみにしています。パネリストやコメンテイター、ひいてはご来場者も、それぞれの観点を自由に持ち込むわけですけど、同時に「集約係」だと思います。さまざまな観察やアイデアを持ち込んでいただければと思います。定番の聴衆参加のシステムも使おうと思います。

Poken Meetupsも実現

そうそう、物理的な人の行動とネットの接点という文脈で、Poken Japanさんにご協力いただきました。事前登録者に抽選でさしあげますし、当日に割引販売コーナーも設置される予定です。正直、これは時期的な特徴じゃないかなと思っているふしもあるのですが(笑⁠⁠、名刺交換の手間も省ける(はず)ですし、気軽にPoken Meetupsとしても楽しんでいただければと思います。

群衆の叡智サミット2009
URL:http://techstyle.jp/wocs/

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