エルトゥールル号遭難事件から125年
今から125年前の9月16日夜半、和歌山県、紀伊大島樫野崎東方海上にて一隻の軍艦が遭難しました。当時のオスマン帝国の軍艦エルトゥールル号です。
この日は台風が近づいており、老朽化していたエルトゥールル号は強風と高波に耐えられず、樫野崎にある船甲羅に激突し、座礁したのです。そこから樫野崎灯台に流れ着いた生存者約10名が崖をよじ登り、灯台にいた灯台守に助けを求め、樫野にいた住民たちは総出で救出と生存者の介抱をし、最終的に69名の人名を助け出すことができました。
その後、日本は明治天皇から政府に可能な限りの援助を行う指示を出すなど、国を上げて救援・援助を行ったのです。
これが「エルトゥールル号遭難事件」のあらましです。
この事件をきっかけに日本とトルコの国交は深まり、そして、より一層強い友好関係を結ぶことになりました。その後、イラン・イラク戦争ではトルコ機が危険を顧みずにイラン在住邦人救出にあたり、また、1999年・2011年に両国で起きた大地震の際にはどちらの国からも積極的な救助・支援が行われるなど、助け合い、協力しあっているのです。
そして、125年後の2015年。
日本ではエルトゥールル号遭難事件から125年を記念してさまざまな式典・行事が行われています。その1つが6月3日に和歌山県串本町で行われた追悼式典です。
この式典に合わせてトルコから軍艦「ゲディズ」が日本に来港し、東京・晴海埠頭に寄稿したり、トルコ・オスマン軍楽隊の来日公園などが行われました。
また6月6日には東京・表参道で記念パレードが行われ、表参道をトルコ・オスマン軍楽隊が演奏し、日本・トルコ両国のさらなる親交を願う参加者とともにパレードを行いました。
エルトゥールル号遭難事件を知るための電子書籍
この節目の年に、株式会社技術評論社は「エルトゥールル号遭難事件」を題材にした電子書籍を刊行いたします。
著者は、この出来事に注目し、数年にわたって和歌山県串本町に何度も足を運ぶなど、綿密な取材を重ねてきた、尚美学園大学大学院芸術情報研究科情報表現専攻の定平誠教授です。自身の取材体験とともに、関係各者からのインタビューなどを交えた、非常に内容の濃い1冊となっています。
今回、電子書籍という新しい配信の形を採用することで、インターネットを通じた展開、スマートフォンやタブレットでの読書体験が可能です。大人だけではなくデジタル社会に慣れ親しんでいる子どもたちにも手にとってもらえるつくりとなっています。
ますますグローバル化が進む現在、日本が世界と接するにはどうすべきか――そのヒントが見つかる内容となっています。
『エルトゥールル号の響』、電子書籍がついに発売!
エルトゥールル号遭難事件から125年の節目の年に、エルトゥールル号遭難事件、そして、日本とトルコの友好について描いた電子書籍が発売されました。
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