ユビキタス、Androidを1秒で起動する「Ubiquitous QuickBoot」SDKを発売

⁠株⁠ユビキタスは3月23日、組込みシステムの瞬間起動を可能にし、Androidの起動時間1秒台を実現した新製品「Ubiquitous QuickBoot Release1.0」⁠ユビキタス クイックブート リリース1.0)を発売した。

今回発売する製品は、開発者向けのQuickBoot SDK(ソフトウェア開発キット⁠⁠。開発者はQuickBoot SDKを利用して、自社の機器の瞬間起動を実現可能となる。SDKには、システム状態を不揮発性ストレージに保存・復元する「QuickBootスナップショットスクリプト⁠⁠、⁠QuickBootスナップショットドライバ」⁠QuickBoot BIOS」の他、メモリブロックの優先復元を制御する「QuickBoot IRA(Intelligent Resource Allocator⁠⁠、⁠Kernel Patch」⁠ブートローダーサンプル」⁠マニュアル」等が含まれる。

SDKのプラットフォームにはARMアーキテクチャを採用。ARMアーキテクチャに基づくCPUを採用している機器での開発が可能となる。他のCPUアーキテクチャについても順次対応予定とのこと。

QuickBootの採用が期待される分野は、テレビ、セットトップボックス、DVD/ブルーレイ録画機などのデジタルAV機器、カーナビなどの車載機器、スマートフォン、タブレット型デバイスなどの携帯機器、ゲーム機、ネットブックなどのPC、デジタルカメラなど、高機能化が進み起動が遅くなる傾向にあるデジタル機器全般となる。

従来のLinux/Android搭載機器では、電源断からの起動(コールドブート⁠⁠ 時間が数十秒から1分前後かかっている。起動時間短縮の手段として、Linux起動手順のチューニング、サスペンド/レジューム、フラッシュメモリを使ったハイバネーションなどが検討されているが、これらの方式では、アプリケーションを含めたシステムの起動には高価がなかったり、待機電力の問題が残る。

これに対してQuickBootは、システムの起動に必要なメモリ領域を優先的に不揮発性ストレージからRAMに復元することで、アプリケーションの規模に依存しない高速起動が可能となる。残りのメモリ領域は起動後に順次読み込むため、ユーザの操作にはほとんど影響しないという(詳細は既報も参照のこと⁠⁠。

同社のテストによると、Android/Armadillo-500FX(アットマークテクノ製)を用いた起動実験で、電源投入からデモソフトが動作するまでの時間を計測したところ、以下のような結果となった。

デモ起動時間
GlobalTime約1.3秒
GLSurfaceView約1.4秒
AnimateDrawables約1.4秒

Ubiquitous QuickBootの動作環境は以下の通り。

Linuxカーネル2.6.x
CPUARMアーキテクチャ(ARM9、ARM11、Cortex-A8、Cortex-A9 Single Core)
Ubiquitous QuickBoot製品情報
URLhttp://www.ubiquitous.co.jp/products/middleware/quickboot/
⁠株⁠ユビキタス
URLhttp://www.ubiquitous.co.jp/

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