5月10日、(株)ユビキタスが2010年度の事業方針発表を行った。同社の事業の柱となる組込み向けネットワークフレームワーク、組込み向けDB(DeviceSQL)、そして昨年発表されたOSの高速起動システム「QuickBoot」を3本柱をより強化し、新たな取り組みも加えて事業を展開する方針が発表された。
ネットワークフレームワークに関しては、携帯ゲーム機向けを中心に堅調に推移しており、同社の屋台骨を背負う位置付けに変わりはなない。4月からColdfireやH8S、V850といったプロセッサを搭載した開発用ボードに同社のソフトをインストールしたものを「Trial Pack」という形で低価格での提供を開始した。
データベースDeviceSQLについてはデジタルカメラでの採用が進み、画像や音声、位置情報などをまとめて扱い、高速でアクセスすることが求められている。これに対応し、さらにコンパイルなど開発に関わる速度も向上させた新バージョンを後日発表する予定。
シャープ「NetWalker」でAndroidを高速起動
高速起動システムQuickBootについては、Android用の組込みプラットフォームとして知られる(株)アットマークテクノ製のArmadilloシリーズに搭載したものを両社が協力して開発を促進していくことが発表された。また、シャープ製のPDA「NetWalker」にQuickBootを移植し、完全に電源がつながっていない状態からの高速起動に成功した。実際にこの移植のデモが行われた。
起動させるAndroid本体はSDカード内にあり、NORメモリ内のブートローダを書き換え、NANDメモリ内の起動シーケンスにも手を入れることにより、NetWalker搭載のUbuntu→ Abndoridの高速起動を実現させている。今後はシャープとも協力し、何らかの具体的な展望が期待されるところだ。
なお、このデモは5月12日から開催の「組込みシステム開発技術展(ESEC2010)」会場内にて展示される。