SRA OSS、台数制限なし、33のOSSをワンストップサポートする「OSSプロフェッショナルサポートサービス」開始

SRA OSS, Inc. 日本支社は6月16日、同社の従来のサポート体系を大幅に変更し、サーバ台数に制限のないオープンソースソフトウェアのワンストップサポートサービス「OSSプロフェッショナルサポートサービス」を開始した。

OSSプロフェッショナルサポートサービスは、Linuxを含む33のOSSソフトウェア(おもにミドルウェア)について、サーバ台数の制限なしにワンストップで利用できるサポートサービス。インシデント(質問、サポート依頼等)の回数と担当者数ベースの課金体系となる。従来のサーバやCPU単位の課金では利用しにくかった仮想環境やクラウド環境で契約しやすく、また複数のソフトウェアを対象としているためシステムを横断して利用でき、企業の情報システム部門を支援するメニューとしても活用しやすい。

サポートメニューは、すでにクラウド環境などでOSSを利用している事業者向けの「プロ」と、これからOSSを利用してシステム構築を行う事業者社向けの「エントリ」を用意。⁠プロ」メニューではシステム規模に応じてGold、Silverの2つのメニューが選択できる。各メニューの違いは次の通り。

 プロ(Gold)プロ(Silver)エントリ
インシデント
(年契約)
年間100年間50年間100
インシデント
(月契約)
月間10月間5-(年契約のみ)
質問担当者数10名まで4名まで4名まで
価格(税込)月契約525,000円
年契約5,250,000円
月契約315,000円
年契約3,150,000円
年契約1,050,000円

サポート対象のOSSは以下のとおり。Red Hat Enterprise Linux AS/ES、およびCentOS上で使用する場合のサポートとなる。

OSCentOS
仮想化Xen、KVM
HAソフトウェアHeartbeat、Pacemaker、DRBD
WebサーバApache
APサーバTomcat
DBサーバPostgreSQL (pgpool-II、Slony-I 含む)、SQLite
KVSmemcached、Kyoto Cabinet、Kyoto Tycoon
分散処理Hadoop
ロードバランサ/リバースプロキシPound
メールサーバPostfix、sendmail、qmail、Dovecot、UW-IMAP、Courier-IMAP、Qpopper
ファイル/プリントサーバSamba
LDAPサーバOpenLDAP
シングルサインオンOpenAM
DNSサーバBind
FTPサーバProFTPD、vsftpd
キャッシュサーバSquid
運用監視Zabbix、Hinemos

※:バージョンを含めた詳細な対象リストは同社の「サポートサービス詳細」のページを参照。

サービスの内容は以下の4つ。

①ヘルプデスク
インストール、設定、管理ツールの使い方 (付属ツールに限る)、マニュアルレベル問合せ、バージョンアップに関する問い合せ。 PostgreSQLについてはデータベース設計、パフォーマンスチューニングも含む。
②障害対応(プロのみ)
サポート対象のソフトウェアが原因の障害であると判明した場合に障害原因を調査。 調査の結果、障害の原因となる問題が修正されているバージョン、または回避策を提示する。
③情報配信サービス
サポート対象のソフトウェアに関するバージョンアップ情報等を月1回程度、電子メールにて通知。
④ナレッジサービス
契約のソフトウェアに関するよくあるご質問や、過去の回答事例などを閲覧できるサービス。 サポート問い合わせ用のWebシステムから利用可能。

サポートはサポート専用のWebシステムまたは電話で受け付け、回答はサポート専用Webのみで行う。対応時間は同社営業日の9:00~12:00、13:00~19:00。

PostgreSQL関連ビジネス以外の売り上げを伸ばす新たな取り組み

このサービスの発表が6月16日、SRA本社にて行われた。冒頭の挨拶に立ったSRA OSS, Inc. 日本支社 支社長の石井達夫氏は、同社の2011年の目標として、OSSやコミュニティへの貢献をさらに重視していくとともに、現在同社の売り上げの85%を占めるPostgreSQL関連のビジネスを維持しつつ、それ以外のOSSビジネスの絶対量を増やし、この部分の売り上げを1年で2倍に増やしたいと述べた。

SRA OSS, Inc. 日本支社 支社長 石井達夫氏
SRA OSS, Inc. 日本支社 支社長 石井達夫氏

その新たなビジネスの核となるのが、今回発表のOSSプロフェッショナルサポートサービスだ。石井氏に続いて説明に立った同社マーケティング部の稲葉香理氏は、市場ニーズの変化から以下のようなサポートが求められるようになったことを指摘した。

  • ミッションクリティカルな業務にOSSが使われるようになり、24時間365日のサポート
  • OSSのみの組み合わせでフルシステムが組まれるため、複数OSSをまとめてのサポート
  • 障害切り分けの手間を省くワンストップのサポート
  • クラウド、仮想環境での利用を考慮した柔軟なシステム構成への対応

これらをふまえた今後の展開として、同社が従来行っているコンサルティングのサービスと連携させ、サポートまでシームレスに提供することや、今後増加するクラウド利用のニーズに備え、IaaS、PaaSの事業者とアライアンスを組んでクラウド利用者向けのサポートを行うことも検討していると語った。現在33のサポート対象OSSについても、今後のニーズによって順次拡大していく用意があるとのこと。

また今回のプロフェッショナルサポートサービスでは24時間のサポートは行われないが、⁠まだ完成形ではない」とのことで、今後は海外拠点との時差を利用した日本語による24時間365日のサポートや、逆に海外のユーザに向けたサポートサービスに広げていきたいと語った。

稲葉香理氏
稲葉香理氏
OSSプロフェッショナルサポートサービス詳細
URL:http://www.sraoss.co.jp/prod_serv/support/oss-pro-support.php
SRA OSS, Inc. 日本支社
URL:http://www.sraoss.co.jp/

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