「第7回 日本OSS貢献者賞・日本OSS奨励賞」受賞者が決定

日本OSS推進フォーラムは、優れたオープンソースソフトウェア(OSS)の開発および普及に貢献した個人等を表彰する「第7回 日本OSS貢献者賞」および「第7回 日本OSS奨励賞」の受賞者を選定し、発表を行った。

「日本OSS貢献者賞」は、OSS開発の振興を図ることを目的に、影響力のある開発プロジェクトを創造・運営した開発者や、グローバルプロジェクトにおいて活躍する卓越した開発者、OSS普及への貢献者を表彰するもの。2005年度に創設され、今回が第7回目の選定となる。

「日本OSS奨励賞」は、過去1年間にOSSの開発や普及に顕著な活躍をした個人ないしグループを表彰するもの。本賞は2009年度に新設され、今年度が第3回目となる。

各賞の受賞者は以下の通り。

日本OSS貢献者賞(4名)

川口 耕介氏
CI(Continuous Integration)ツールとして大きな注目を集めるJenkinsの開発者。長年にわたる開発と啓蒙活動により、アジャイル開発を強力に後押しした功績は計り知れない。
平松 雅巳氏
Linuxシステムの障害解析機構・トレーサのLKST、SystemTap、Ftraceや性能プロファイラPerfの開発者。LinuxConにてトレーサ分野のミニサミットをコーディネートするなど、開発コミュニティをリード役割を果たす。
法林 浩之氏
日本UNIXユーザ会幹事としてOSS関連イベントの開催を続け、OSSの啓蒙に大きな役割を果たしている。最近はトークイベント「TechLION」を立ち上げるなど新たな試みにも挑戦。
森 啓介氏
HAクラスタソフトHeartbeat/Pacemaker開発のステアリングコミティメンバー、パッチメンテナなどの役割を担う。日本特有の要求を理解させる交渉とパッチ投稿をグローバルな開発コミュニティに行い採用されるなど、活動を積み重ねている。

日本OSS奨励賞 受賞者(5名、3団体)

井上 敬浩氏
MongoDBのユーザーグループMongo Tokyoを結成、定期的に勉強会を開催し、日本のMongoDBの普及に大きく貢献。Hadoop、GraphDBなどのデータ解析にフォーカスした勉強会を数多く企画・運営している。
木下 靖文氏
MySQLのストレージエンジンInnoDBの性能改善に取り組み、エンタープライズ分野で重要な役割を担う。開発の傍ら、ブログで詳細な技術解説を行い、知の蓄積に大いに貢献している。
福森 匠大氏
2011年最年少Rubyコミッター(14歳)として活動。震災復興プロジェクトSinsai.infoでは重要な開発メンバーとして情報収集機能を新規開発した。多くのプロジェクトに参加し、有益なプロダクトを発表している。
矢倉 大夢氏
中学3年生ながら、セキュリティ&プログラミングキャンプ等を通じてLinuxカーネルの内部構造と開発方法を理解し、グローバルな開発コミュニティに機能向上を提案、採択される。
山本 裕介氏
Java向けTwitter APIライブラリTwitter4Jを開発、デスクトップ・サーバ・モバイルなど多方面で世界的に利用されている。MLやTwitterでの対応やTwitter API勉強会を開催するなど開発者の裾野を広げている。
下北沢オープンソースCafe
OSS/コミュニティ活動に興味ある人々の交流の場として利用されるコワーキングスペース。勉強会・Ustream配信に利用されている。OSSコミュニティの人々の出会いを生む存在。
Sinsai.info開発者、情報ボランティア一同
復興支援プラットホームとして、震災後わずか4時間で立ち上がった。Ushahidiを活用したWebの情報提供サービスにより13,000超のレポート発信や、100名を超えるOSS開発者が参加し、国内外の情報ボランティアにより情報発信が行われた。
日本Rubyの会
Ruby開発コミュニティとは異なる役割を担うべく2004年に結成され、世界的なRubyイベント「日本Ruby会議」を支えるなどの活動を行う。2011年8月に一般社団法人として再スタート。OSSコミュニティの法人化モデルとして期待されている。

3/16に表彰式開催

3月16日(金)17:15から「オープンソースカンファレンス2012 Tokyo/Spring」(会場:明星大学)内で授賞式が開催される。

授賞式では、表彰式の後日本OSS貢献者賞 受賞者による活動紹介プレゼンテーションが予定されている。また、同イベントの懇親会にて日本OSS奨励賞 受賞者による活動紹介のライトニングトークが行われる予定。

日本OSS貢献者賞・奨励賞
URL:http://ossforum.jp/ossaward7th

おすすめ記事

記事・ニュース一覧