9月27日、IDCフロンティアは米Basho TechnologiesのNoSQLデータベース“Riak”を採用したクラウドストレージサービスを開始することを発表、都内で発表セミナーを開いた。
セミナーにはBasho TechnologiesのCEO、Don Rippert(ドン・リパート)氏が招かれ、同社のテクノロジーについて紹介したほか、9/27日付けで同社の日本法人「バショー・ジャパン株式会社」が設立されたことも発表された。バショー・ジャパンはIDCフロンティア、そして同社のグループであるYahoo! JAPANと提携してRiakを中心としたサービスを展開していく。
Riakは「分散型KVS」と呼ばれるソフトウェアで、たとえばGoogleではBigtable、AmazonではDynamoといった、IaaS型のクラウドサービスで超大量データを高速に捌ききる、言わばエンジン部分に相当するもの。Riakの特長はまずオープンソース版が提供されている点。これを元にデータセンター間のレプリケーション機能、そしてサポートが追加された商用版の「Riak Enterprise DS」、さらにこれをベースにした分散クラウドストレージソフトウェア「Riak CS」がラインナップされている。
このうちRiak CSはAmazon S3と互換のAPIを持ち、S3対応のライブラリ、ツールの利用が可能なほか、S3のAPIをコマンドラインから利用できるツールも用意されている。こうした特長が米国を中心に広く受け入れられ、GitHubやYammerなど、日本でもおなじみのサービスをはじめ多くのパブリッククラウド、プライベートクラウド環境で利用されている。
IDCフロンティアは、このRiakのソフトウェアを採用し、同社のもつ国内3ヵ所(東京、福島県白河、北九州)の大型データセンターを結んだ分散型のクラウドストレージサービスの提供を開始する。まず10月30日にトライアル環境を提供、12月3日からはベータ版環境が提供される予定。新宿にデモ環境も設置される。
同社はこのサービスをAmazon S3への対抗と位置づけており、Riakがオープンソースベースであることによる機能の見通しの良さ、他のOSS系クラウドソフト(Cassandra、MongoDB)との連携が容易である点からプライベートクラウドやハイブリッドクラウド環境でも利用しやすいとアピールした。
そしてこれを前述の日本国内で分散されたデータセンターにおいて運用することで、(国内には東京のみデータセンターをもつ)S3よりも高速で単一障害点のないサービスが可能とのこと。またハイストレスに強く、データアクセスのピークやユーザ数の劇的な増加等に柔軟に応えられる点もアピール。「Amazon S3を越えるシェアを目指す」と宣言し、発表を結んだ。
- バショー・ジャパン(株)
- URL:http://basho.co.jp/
- (株)IDCフロンティア
- URL:http://www.idcf.jp/