「そろそろ変化のときのようだ。私はたくさんの思い出とともに、Boeing Defense(旧Liquid Robotics)を離れる。そして今日、アドベンチャーをAmazon Web Servicesで始める」
5月22日(米国時間)、かの"Java Fahter"として知られるジェームズ・ゴスリング(James Gosling)氏が自身のFacebook上でAWSにジョインすることを明らかにし、世界中のITに関係者に大きな衝撃を与えました。AWSもゴスリング氏の入社を正式に認めており、Amazon CTOで"Cloud Father"と称されるヴァーナー・ボーガス(Werner Vogels)氏はTwitter上で「ジェームズ・ゴスリングのAWSファミリへの参加を歓迎する」とコメントしています。
ゴスリング氏といえば、今は亡きSun Microsystemsに在籍時代、Javaの言語仕様を設計し、最初のコンパイラと仮想マシンを作り上げたIT業界のレジェンドとして広くその名を知られています。SunがOracleに買収された後、2010年にOracleを離れ、翌年にはGoogleに入社するも半年後には海洋データを無人ロボットで収集/分析するシリコンバレーのベンチャー企業Liquid Roboticsにソフトウェア主任技術者として移っています。なお、Liquid Roboticsは2016年10月にBoeingが買収を発表しており、以降はBoeingのいちユニットとして事業が展開されていました。
ゴスリング氏がAWSに入社してどんなポジションに就くのか、その詳細は残念ながらいっさい明らかにされていません。Liquid Roboticsでの実績からAWSのIoT部門に関わるのでは、という推測もありますが、AWSもゴスリング氏も現状では何もコメントしておらず、今後、同氏のAWSでの肩書が何になるのか、非常に注目されるところです。
AWSは2016年10月、シリコンバレーのベンチャーキャピタルであるBattery Venturesから、NetflixのAWS移行を成功させたクラウド業界きってのトップアーキテクトであるエイドリアン・コッククロフト(Adrian Cockcroft)氏をクラウドアーキテクチャストラテジ部門のバイスプレジデントとして迎えています。IT業界の"超"大物の入社が続くAWSですが、こうしたトップアーキテクトの存在が、今後はAWSにとっての新たな差別化要因になるのかもしれません。