LINE株式会社は2017年12月20日、これから拡大することが予想される日本国内でのシェアバイク事業への参入、展開に向け、モバイク・ジャパン株式会社と資本業務提携を締結したことを発表した。
Close the Distanceの次の一手~ユーザの「移動」を近づける
まずはじめに、LINE株式会社代表取締役社長 出澤剛氏が登壇し、LINEのコンセプトである「Close the Distance」、それを実現する「SMART PORTAL」戦略について改めて説明した。
その上で、今回の提携の主題でもある「自転車」になぜフォーカスしたのかという点について説明した。ポイントは次の3つ。
- 誰でも利用可能な移動手段
- 日本の交通事情
- 2020年東京オリンピック
こうした日本独特の事情をふまえた上で、日常の移動手段としての最適解の1つが「自転車」であると判断したことが、今回の資本業務提携を決めた理由の1つとのこと。
加えて、出澤氏が強調したのが「今後のシェアリングエコノミーへの期待」である。PwC UKの調査によれば、2025年には世界規模で3,350億ドル(現在の日本円に換算して37兆5200億円)まで成長すると予想されている市場において、LINE×モビリティを実現するが、シェアリングエコノミーへ参入できるとも判断したそう。
そして、そのパートナーとして選んだのが、中国でスマートバイクを利用したシェアサービス「Mobike」をローンチし、現在世界200都市でサービスを展開、登録ユーザ数2億人以上を獲得している株式会社モバイクの日本法人、モバイク・ジャパン株式会社である。
LINE×モビリティを実現するモバイク
出澤氏に続き、モバイク株式会社創業者でもあり、モバイク・ジャパン株式会社の創業者でもあるHu Weiwei(フー・ウェイウェイ)氏だ。
Hu氏は「今回の資本業務提携は非常にエキサイティングな出来事です」と率直な感想を述べた上で、改めて日本の市場、とくに、朝の通勤ラッシュなど都市部における交通手段の選択肢の拡大がこれから求められるであろうとし、その解として自分たちが提供するモバイクが最適であることをアピールした。
Mobikeの特徴は、4年間メンテナンスフリーの自転車であると同時に、スマートロックやGPS機能搭載など、シェアバイク事業に必須の機能が実装されている点。すでに日本国内では札幌市内でサービスを開始している。
サービスインは2018年上半期
現段階でのサービスインの予定時期は2018年上半期とのこと。ユーザに対するインターフェースやLINEプラットフォームとの連携など、詳細については未定とのことだが、日本国内のLINEユーザ7,000万人が、LINEやそれに付随するサービス(LINE Pay)などを通じ、シームレスにモバイクを利用できる環境整備が整っていくと予想できる。なお、発表時点での対象ユーザは日本国内のLINEユーザに限定するとのこと。
出澤氏は冒頭に「LINEから、スマホから、日本のユーザの「移動」を変えていく」と力強くコメントした。それを実現するのが今回発表した業務提携とその先にある新しいサービスである。今後のLINE×Mobikeから産まれるサービスが、LINEユーザにとってどのような新しい価値を提供していくのか期待したい。