サービスを利用できる。
「Krypton」はご存じ不活性ガス元素の名称で、名前の由来は「隠れたもの」 。接続情報をセキュアに設定するサービス名にふさわしいとして「SORACOM Krypton」というサービス名になった。
「ORACOM Krypton」のサービスイメージ
「SORACOM Krypton」は7月4日から「Public Beta」としてサービスが開始され、開始時点では同社のIoTデバイス管理サービス「SORACOM Inventory」 、およびAmazonの「AWS IoT」 、「 Amazon Cognito」のプロビジョニングに対応している。今後は対応するクラウドサービスを順次増やしていくとのこと。
「AWS IoT」との連携の例
利用料金はSIMカード1枚ごと、初回+月額課金となる。
日本向けAir SIM
グローバル向けAir SIM
初回料金
180円
1.8USD
月額料金
40円
0.4USD
料金はいずれもSIM1枚あたり
SORACOM Krypton
URL:https://soracom.jp/services/krypton/
IoTデータダッシュボード作成サービス「SORACOM Lagoon」
「SORACOM Lagoon」は、同社のデータ集積、グラフ化サービス「SORACOM Harvest」をさらに発展させたサービスで、Harvestと連携して、収集したデータをさまざまなk立ちでグラフ化したり、プロジェクトごとにダッシュボードを作成し、それをさらに別のユーザに共有することができる。
「SORACOM Lagoon」はオープンソースのダッシュボードプラットフォーム「Grafana」をベースに開発したもの。IoTデータを受け取るサーバ等の側でデータベースやアプリケーションを用意することなく、ダッシュボードに用意されたグラフやテーブルを使って簡単に「見える化」ができる。またアラートを設定し、データがある閾値に達するとメールやLINE等へ通知するといった操作もコンソールを使って設定可能。作成されたダッシュボードは、特定の第三者に共有、公開することもできる。
「SORACOM Lagoon」ダッシュボードの例、スマホ画面用のダッシュボードも構成可能
「Lagoon」は南国にあるような「湖礁」のことで、浅瀬となっている湖を上から見渡すようなイメージのサービスとして命名された。
「SORACOM Lagoon」も7月4日よりPublic Betaとしてサービス開始される。利用にはデータ収集サービスとして「SORACOM Harvest」の利用が必須となっている。利用料金は、オペレータごと(カバレッジタイプ別)の課金となり、標準的な「Makerプラン」は以下のような料金体系となっている。
日本向けカバレッジタイプ
グローバル向けカバレッジタイプ
月額料金
980円
9.8USD
ユーザ数
計3ユーザ(編集ユーザ1、閲覧ユーザ2)
ダッシュボード数
3つまで
アラート設定
10アラートまで
SORACOM Lagoon
URL:https://soracom.jp/services/lagoon/
ソラコム 代表取締役社長 玉川憲氏がかつて語ったように、「Agnostics」(非依存性=どんな環境でも対応する)をより進めていくというコンセプトは確実に前進しているようだ。
新たに「Connectivity Agnostic」が加わった
セルラーLPWA「LTE-M」に対応
今回のキーノートでは、ソラコムが親会社のKDDI回線を使って提供しているIoT向け回線サービス「SORACOM Air for セルラー」において、LTE-M規格のLPWA回線が利用できる「SORACOM Air for セルラー plan-KM1」の提供が2018年9月より開始されることが発表された。
「LTE-M」( LTE-M Cat.M1)は、4G LTEのエリアでの省電力通信を実現した広域対応のLTE規格。既存のLTEよりも消費電力が低いため、乾電池でもある程度の期間、駆動させ続けることが可能。より広範囲で安定した通信が期待でき、ゲートウェイを設置せずに広いエリアでのIoTシステム運用が可能となる。
利用料金は、SIM1枚の発行手数料(送料込み)が1,500円、基本料金は100円/月、データ通信料は0.5円/kBとなっている。SMS、音声通信には非対応。
この「plan-KM1」に対応したSIMカードのほか、チップ組み込み型のSIMも用意されており、これを組み込んだ「plan-KM1」対応リファレンスデバイスも提供される。同社のデバイスパートナー各社からも順次提供の予定。
AWS IoT対応のボタンデバイス発売
先に紹介した「SORACOM Kripton」でもAWS IoTとの協力サービスが発表されたが、これとは別にLTE-M通信機能を内蔵し、AWS IoTのサービス「AWS IoT 1-Click」に対応したデバイス「SORACOM LTE-M Button powered by AWS」が2018年度下半期に提供開始となることが発表された。
「AWS IoT 1-Click」は、Amazonのネット通販で利用の進む「Amazon Dash Button」で知られているサービスインフラ「AWS IoT エンタープライズボタン」を使って、ボタン1つのアクションをトリガにして、AWS Lambda等を使ったアクションをプログラミングにより起動できるしくみ。「 AWS IoT エンタープライズボタン」のネットワークのベースはWiFiだが、これにSORACOMの通信回線サービス「SORACOM Air for セルラー plan-KM1」を組み合わせて製品化したのが「SORACOM LTE-M Button powered by AWS」である。
SORACOM LTE-M Button powered by AWS
「SORACOM LTE-M Button powered by AWS」は、タン4電池2本で駆動し、電池交換が可能。Amazon.co.jpおよびSORACOMのユーザコンソールからの販売を予定している。予定価格は8,000円だが、個数/期間限定のキャンペーンを行っており、キャンペーン価格は3,980円(税、送料別) 。1個ぶんの価格には「SORACOM Air for セルラー plan-KM1」1年分の利用料金と1,500回分のクリックで生じるデータ通信費が含まれる。
Amazonとの連携として、このほか「Amazon Kinesis Video Streams」がLimited Previewとしてサポートされた。
さらに先に紹介された「SORACOM Krypton」を組み合わせることで、これまでIoTのフレームワークでは実現が難しかった「エッジ・ヘビー」なクラウド連携システムを実装できる道筋が立った。