日本マイクロソフト株式会社は2018年11月26日、同社が開発するAI(以降Microsoft AI)の活用事例として、富士フイルムイメージングシステムズ(FFIS)株式会社が開発するクラウドベースのコンテンツ管理システム「IMAGE WORKS」への実装および具体事例として、一般社団法人日本野球機構(NPB)が管理・管理運営する NPB CIC(Contents Images Center)での導入状況について発表した。
今回、紹介されるNPB CICは、NPBが2016年から運用を開始している公式写真サービス。これまで、基盤部分はIMAGE WORKSを利用し、写真に関するデータについては、人的作業により、1つ1つの写真に対してタグを付与していた。
今回、写真解析の部分にMicrosoft AIの中からMicrosoft Cognitive ServicesおよびディープラーニングフレームワークであるMicrosoft Cognitive Toolkitを採用し、写真に写った選手ほかの情報を自動認識するサービスが追加された。
自動認識にあたっては、Microsoft、FFISそれぞれが用意した次の4つの学習モデルが採用されている。
- 顔認識(選手のもの:Microsoft)
- 選手の判定(選手かマスコットか:Microsoft)
- シーンの判定(攻撃、守備など:FFIS)
- 利き手の情報(左右打ち、左右投げ)
さらに、NPBの公式記録による時間を追加することで、撮影時間と比較し、より高い精度での認識が行えるようになっている。
今回の自動認識機能の追加により、これまで1試合約4時間かかっていたタグ付け作業が30分まで削減できたとのこと。
NPB担当者によれば、NPB CICは、現在、メディアやゲーム会社など対法人向けサービスとして展開されているが、将来的には、個人向け・ファン向けの展開も想定し、拡充していきたいとのこと。