6月27日、コンピュータ関連の書籍を発行する出版社7社が加盟する「コンピュータ出版販売研究機構」(略称:CPU。※1)は日本出版クラブにて、第9回CPU大賞の各部門の発表および表彰式を開催した。
CPU大賞はコンピュータ書籍の市場活性化を図るべくCPUが選定し、発表するもの。各部門別に、セールス、マーケティング、コンテンツといった総合的な観点で選定される。
書籍部門
書籍部門は、CPU加盟会社が1年間に発刊したコンピュータ書籍を対象として、全国の主要書店のコンピュータ書担当者173名が投票して上位書籍を発表した。1位は『ドラゴンクエストXを支える技術 ── 大規模オンラインRPGの舞台裏』(技術評論社刊)。なお、この書籍部門のみ、ほかの部門よりも一足早く3月に発表されている。
1位の『ドラゴンクエストXを支える技術』を書店担当者が選んだ理由としては、「大ヒットゲームを題材とすることで一般の読者も手に取りやすく、書店としても展開しやすかった」「ゲーム制作者のみならず、プレイヤーにも訴求する内容で幅広い層に支持された」「技術者のみならず、普段コンピュータ書を買わないようなドラクエファンも多数購入してくれた」「企画力。切り口の面白さ。PC書の可能性を広げるきっかけとなるであろう1冊」などのコメントがされている。
売上部門
売上部門は、2018年4月~2019年3月の1年間のコンピュータ書籍の販売実績(CPU加盟社が独自に集計した売上冊数)から上位店を表彰したもの。紀伊國屋書店新宿本店が三連覇を達成した。
1位 |
紀伊國屋書店新宿本店(東京都)。販売冊数76,791冊、前期比106.6%。 |
2位 |
ジュンク堂書店池袋本店(東京都)。販売冊数68,755冊、前期比104.7%。 |
3位 |
丸善丸の内本店(東京都)。販売冊数49,106冊、前期比104.4%。 |
この3店は昨年から順位変動がないが、上位10位以内では、三省堂書店名古屋本店が7位になるなど、入れ替わりが見られた。
また、集計対象の約2,000店での平均前期比が104.7%と100%を越えていた。この高実績はCPUが手掛ける「棚分類コード」において各社実績を調べたところ、「Python」「人工知能」「子どもプログラミング」などの7つのジャンルで、前期比冊数116.9%と大きな伸長があったことが要因と言える。
書店部門
書店部門は、コンピュータ書籍の販売における取り組みにおいて、創意工夫や際立った努力が見られた書店を表彰したもの。
- 丸善 日本橋店(東京都)
- MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店(東京都)
- 有隣堂 横浜西口店(神奈川県)
- くまざわ書店 ペリエ千葉本店(千葉県)
- ACADEMIAイーアスつくば店(茨城県)
新人部門
新人部門は、フェアや情報活用などコンピュータ書の販売を積極的に取り組んで頂いた新人担当者(コンピュータ書 を担当して3年以内)を表彰したもの。
- 三省堂書店 東京駅一番街店(東京都)
- ジュンク堂書店 吉祥寺店(東京都)
- 有隣堂 藤沢店(神奈川県)
- MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店(大阪府)
青年団部門
青年団部門は、CPU加盟出版社の商品を積極的に展開/販売いただいた店舗を表彰したもの。
特別賞
特別賞は、コンピュータ書の増売に活発に取り組み、CPUの活動とも積極的に連携・店舗売上をアップいただいた法人を表彰したもの。
- 株式会社くまざわ書店
CPUが、株式会社くまざわ書店各店のPC書担当者を対象とした勉強会を実施。その後CPUフェアなどを開催し、PC書の拡販に努めている。
- 大学生協事業連合
従来は理工書を対象とした拡販企画を実施していたが、2019年度から年間を通し、新たにPC書を対象とした拡販企画も実施している。
- 2018年度 コンピュータ書売上ランキング発表(第9回CPU大賞)
- URL:http://www.computerbook.jp/archive/detail/5825