速報!2008 JavaOne Conference

2008 JavaOne Conference、3日目 JavaOne Pavilion part 2

JavaOneも3日目を迎えました。連日、世界中から集まったJava開発者たちが新しい技術に触れ、交流を深めています。中でもPavilion会場での熱気は日増しにヒートアップしています。

今回は第2回レポートに続いて、JavaOne Pavilionの様子をお届けします。

Pavilionってどんなところ?

Pavilion会場は、Moscone Center North Hallの地下1階にあります。まず、Pavilionまで歩いてみましょう。

動画1 Pavilion会場へ
ニコニコ動画:https://www.nicovideo.jp/watch/sm3246688

入口に足を踏み入れると、そこにはJavaに関する展示、Sunの最新テクノロジーのデモ、Java関連ベンダや最新ITベンダの展示ブースが、所狭しと並んでいます。

写真1 Pavilion風景.全面はSun関連ブース
写真1 Pavilion風景.全面はSun関連ブース

会場の様子はこんな感じです。

動画2 Pavilion会場の様子
ニコニコ動画:https://www.nicovideo.jp/watch/sm3247010

いかがでしょうか? 雰囲気は伝わったでしょうか。興味が湧いてきた方は、ぜひ来年は実際に参加してご自身で体感してみてください。

充実していたSunブース

さて、今回のJavaOneの中でとくに目を引いたのが、Sun関連のブースです。毎回JavaOneではJavaに限らず、Sunの最新技術やトピック、ソリューションなどが展示されます。今年はMySQLやVirtual Box買収後、初となるJavaOneだったこともあり、それらの展示も個別に行われたほか、2008年5月5日にリリースされたばかりのOpenSolarisも展示されていました。

また、JavaSEだけではなく、JavaMEやJavaEE、GlassFishといったコアテクノロジー、初日のGeneral Sessionでロードマップが発表されたJavaFXや、新しい戦略Project Hydrazineなど、開発者にとって興味深いトピックが数多く見られました。

写真2 JavaOne Pavillion内のSunブース
写真2 JavaOne Pavillion内のSunブース

LWUIT Demo

LWUITはJava MEの実装の1つで、携帯電話向けアプリケーションのUI Libraryです。CLDC1.1、MIDP2.0/CDC、PBP/SE上で動作します。現在、アイコンやテーマ、 アニメーションなどのコンポーネントが用意されており、これからの携帯電話向けアプリ開発にとって大変役立つものとなるでしょう。2008年5月8日現在、Early Access版のダウンロードが可能となっています。

写真3、4 LWUITの動作デモ
写真3 LWUITの動作デモ 写真4 LWUITの動作デモ

Rich Java ME Application with MSA

上記のLWUITを含め、今回Java ME関連の展示が充実したのが印象的です。ここは、3DグラフィックやSVG、Webサービスなどを利用したリッチインターネットアプリケーションを、携帯電話向けプラットフォームMSA(Mobile Service Archtecture)で実現することについて解説していました。MSAについては次期バージョンの開発が進められており、昨日実施されたJames Gosling氏のプレス向けラウンドテーブルでも、リリース準備が進められているとコメントされていました。

写真5 Rich Java ME Application with MSAのブース
写真5 Rich Java ME Application with MSAのブース

Project Hydrazine

初日のGeneral Session内でRich Green氏が発表したSunの新プロジェクトです。同プロジェクトは、開発者向けに、パーソナライズドやクラウド型のネットワークベースのサービスプラットフォームを提供するものです。写真のように、Javaをベースに、携帯電話やPC、各種家電向けのアプリケーション配信をサポートするサービスとなっています。

詳細についてはhttp://www.sun.com/hydrazine/を参照。

写真6 Project Hydrazineの説明展示
写真6 Project Hydrazineの説明展示

NetBeans 6.1

写真7 NetBeans 6.1のブース
写真7 NetBeans 6.1のブース

先日リリースされたばかりのJava統合開発環境の最新版NetBeans 6.1のブースにもたくさんの来場者が訪れました。NetBeans 6.1では、JavaScriptの編集機能やSpringのサポート、MySQLとの統合、Ruby/JRubyサポートの拡張、Jerseyを利用したRESTful Webサービス構築の実現といった改良・機能追加が行われています。また、今後PHPのサポートについても予定されています。

Project Woodstock

Project Woodstockは、GlassFishに関連したプロジェクトで、JSFおよびAjaxによるWeb UIコンポーネントの開発を行うものです。展示ブースでは、NetBenas上でのProject Woodstockの開発に関して展示していました。

写真8 Project Woodstockのブース
写真8 Project Woodstockのブース

GlassFishでSNS

今回、Sunブースの中でとくに多かったのが、Java ME、NetBeans、そしてGlassFish関連の展示でした。GlassFish関連の展示の中でも、最近のトレンドをフィーチャーしていたのが、この「Social Networking with GlassFish⁠⁠。題目のとおり、GlassFish上でSNSを構築するためのポイントについて解説していました。

写真9 Social Networking with GlassFish
写真9 Social Networking with GlassFish

OpenSolaris

写真10 ⁠持ってけドロボー」状態の
OpenSolarisブース
写真10 「持ってけドロボー」状態のOpenSolarisブース

最近のSunの戦略の中で、注目したいものの1つがOpenSolarisです。今回は、2008年5月5日のCommunityOneでのOpenSolarisの発表を受け、ブースではOpenSolarisのLiveCDの配布を行っていました。

STARTUPS

今回「STARTUPS」というスタートアップ企業による展示も行われていました。現在Sun本社では、Sun Startup Essentialsのように、スタートアップ企業をサポートする展開も積極的に行われており、このブースセクションも、その流れを汲むものと思われます。

Meetup

Meetupは、リアルな人と人とのつながりを実現するためのコミュニティサポートサービスで、世界各国の同じテーマを持つ人同士がつながる場を、Webサービスとして提供しています。サービスインフラのバックエンドでJavaを使っているとのことです。

KAIZEN Technologies Inc.

KAIZEN Technologiesは、日本語の「改善」から社名を付けたJavaソフトベンダです。同社が提供するZenEagleは、Webインフラの監視・管理を行うためのツールで、Javaおよび各種オープンソースソフトウェアに対応しています。

左:写真11 MeetUp
右:写真12 KAIZEN Technologies
写真11 MeetUp 写真12 KAIZEN Technologies

その他の注目企業―Amazon、MS、Adobe、Google

SunやJava開発ベンダ以外にも、注目のIT/Web企業の展示が行われていました。

Amazon.com

初日の基調講演でも登場したAmazon.comは、Amazon Web Servicesに関連する展示を行っていました。ここでは、ブースでコーディングの説明を行うなど、開発者をターゲットにした内容の展示でした。

写真13 Amazonもテクノロジー重視の展示
写真13 Amazonもテクノロジー重視の展示

Microsoft

Microsoftは、同社の次世代Web戦略を担う技術Silverlightにフィーチャーした展示およびブースセッションが行われていました。Silverlightは、.NET Frameworkを基盤とするクロスブラウザ/クロスプラットフォーム/クロスデバイスに対応しているWebブラウザのプラグインで、ユーザエクスペリエンス向上を目的に開発されています。今回は、Java開発者の獲得を狙った形での展示だったと言えるでしょう。

写真14 Microsoft Silverlightブース
写真14 Amazonもテクノロジー重視の展示

Adobe

Webデザイン・開発ツールを多数提供するAdobeは、ブラウザを越えたRIA構築を実現するためのランタイム環境で、Javaを含め既存の言語との連携ができる特徴を持っています。特に同社の強みでもあるクリエイティビティを意識したものと言えるでしょう。現在、1.1のベータ版がリリースされています。Microsoftと同じく、Java開発者に向けてAIRの特徴、開発面での利点などを紹介していました。

写真15 いかにもAdobeらしい解説員
写真15 いかにもAdobeらしい解説員

Google

ここサンフランシスコの近く、シリコンバレーに拠点を置くGoogleも展示をしていました。同社は、同社のDIコンテナGuiceに関連する展示を行っており、ブース担当者はGuiceを使ったJavaアプリケーション開発に関する解説をしていました。

写真16 おなじみGoogleのロゴがデカデカと
写真16 おなじみGoogleのロゴがデカデカと

以上、JavaOne Pavilionの第2弾レポートでした。まだまだJAVA PLAYGROUNDをはじめ、おもしろい展示やデモが多数あります。それらについては4回目以降のレポートにてお届けします。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧