いま、ビジネス領域になっているのはプライベートクラウド
NTTデータはこれまでも多くの大企業・官公庁を顧客としたシステムインテグレーション事業を行って来ました。クラウドビジネスに関しても、同様に「大企業・官公庁を対象としたプライベートクラウドの導入案件が多い」と述べるのは、株式会社NTTデータソリューション&テクノロジーカンパニークラウドサービス統括部長 中井章文氏です。
こうした状況を踏まえ、中井氏はクラウドの展開モデルを次の3種類に分けて解説しました。
- パブリッククラウド
- プライベートクラウド
- コミュニティクラウド
パブリッククラウドは、企業内の一部のシステムをクラウド上のサービスに移行して、IT関連コストの削減を実現するパターンで、プライベートクラウドは、部門ごとに所有していたサーバを、閉じたネットワークでのクラウドに統合するパターンです。
3つ目のコミュニティクラウドとは、地方銀行・第二地方銀行などの業態において、「地銀共同センター」といったようなコミュニティを形成してクラウドを導入するパターンになります。
このように、業態や利用形態に応じてさまざまなクラウド活用がある中、中井氏は「企業のITシステムにおいて、IT資産の削減としてのクラウド導入、戦略的なIT活用(所有から利用へ)のためのクラウド導入の動きが加速している」と、現状を分析しました。
所有から利用へ
2つ目の「所有から利用」に関して、中井氏は「攻めのIT」と表現します。つまり、これまではコスト削減など、守りのITに目が向けられていたのが、積極的に利用することで、攻めのITという考え方にシフトするというものです。結果として、導入期間の短縮や利用規模の柔軟性の向上、人材の有効活用といった広がりにつながるわけです。
BizXaaSの意味・狙い
今回、NTTデータが紹介する「BizXaas」は、攻めのITを実現するためのクラウドサービスとして、X(さまざまなもの)+aaS(サービスとして)という意味から造られた造語になります。とくに、SIerとしてのクラウドとして求められる
- セキュリティ・信頼性
- カスタマイズの柔軟性
- 既存システムとの連携・移行
を実現できる、環境志向クラウドであると説明しました。
BizXaaSでは、「クラウド構築運用サービス」「クラウドプラットフォームサービス」の2つの領域をカバーして、Salesforce.comが成功しているようなSFA/CRM領域までを対象とした各種アプリケーションが提供されます。
業務改善を実現するために
最後に、中井氏は「最近、顧客サイドからクラウド利用を前提にオファーを頂きますが、クラウドは目的ではなく手段です。まず、その点について再度認識を持ってもらえるよう、伝えていきたいと思います。その上で、自社の業務を改善するためにはどうすべきか、クラウドを利用することで何を実現できるのか、私たちはそのための提案とソリューションの提供を行っていきます」とコメントし、セッションを締めくくりました。