米国時間2011年4月11日、MIX開幕がいよいよ明日に迫りました。前日の今日、MIX開幕に先立って「Boot Camp」が開催されています。Boot CampはMIXの予習とも言える位置付けで、MIXで取り上げられるさまざまなテーマにフォーカスした3時間半のセッションが、午前・午後に用意されています。
先ほどの「HTML5/CSS3編 」に続いて、午後の部「Windows Phone 7 Boot Camp」の模様をお届けします。
Windows Phone 7 Boot Camp
このBoot Campは、Microsoft Corporation, IEB Design, Experience DeveloperのGrant Hinkson氏と、Pixel Lab, Designer/DeveloperのAdam Kinney氏の2人による共同プレゼンです。
Grant氏(右)とAdam氏(左)
まずGrant氏が「今日のBoot Campを表すとこんな感じです」と、これから説明する内容が氷山の一角であり、Windows Phone 7の実力の奥深さについてアピールしました。
「今日のBoot Campで話せる内容はこんなもの」と明日への期待を膨らませてくれた
●Windows Phone 7を体感できるBoot Camp
さらにGrant氏はWindows Phone 7アプリを開発することの将来的なゴールとして「マスターデベロッパーやマスターMetroデザイナーになれる」「 MVVM(MODEL-VIEW-VIEWMODEL)やLINQのプロになれる」といったスキル面での向上に加えて「100万ドル長者になれる」「 100万ドルのアイデアを生み出せる」と、Windows Phone 7が持っている可能性の大きさを強調しました。
このように冒頭で聴講者の興味を惹き付けつつ、Boot Campのメニューを紹介。
Windows Phone 7のネイティブアプリを体験
UI体験の紹介
開発に必要なツールの紹介
サンプルアプリの開発からリリースまでの紹介
このように、Windows Phone 7アプリを体感しつつ、実際にライブコーディングを挟みながら体験できる内容で進行しました。
●Metro UIの実力
まず、Windows Phone 7が持つ、最も特徴的な機能であるUI「Metro」の紹介から始まります。gihyo.jpの連載「Monthly Windows Phone 7 News 」でも紹介しているMetro UIは、その名のとおり、Metro(地下鉄)の交通案内のように、世界各地、どこに行ってもユーザが迷わず使えることを想定して開発されているUIです。
Metro UIの画面遷移は、初めて触るユーザでもストレスなく利用できるよう、作り込まれている
Metro UIについてGrant氏は「Clean, Ligh, Open, Fast」と4つのキーワードを用いながら、デモを交えて紹介しました。
●Windows Phone 7アプリ開発に必要なもの
続いて、Windows Phone 7アプリの開発に必要な基礎ツールとして、
の3つが紹介されました。いずれも無償で提供されているもので、これらを利用することで簡単にWindows Phone 7アプリが開発できるようになるとのこと。
無償ツールを組み合わせることでWindows Phone 7のネイティブアプリ開発が行える
この他、Codeplexから、Silverlight Toolkit for Windows Phone やMVVM Light Toolkit についても紹介され、こうしたツールの組み合わせることにより、高品質のWindows Phone 7ネイティブアプリが開発できるそうです。
●ライブコーディングでネイティブアプリ開発を体感
Windows Phone 7のデモや各種ツールの後は、実際にBoot Camp内でライブコーディングが行われ、プロジェクトの立ち上げから開発、最終的なリリースまでを一通り流す形のプレゼンテーションが行われました。
開発スタートに利用するプロジェクトテンプレートの紹介
Windows Phone Pirot Applicationの開発
Visual Studio上でアプリ開発(コーディング)を行い、Emulatorで動作を確認する
MVVM Light Toolkitを利用し、Viewを調整する
今回、開発に関する説明は約1時間半ほどで終了しました。このように、手軽にアプリ開発が行えるのもWindows Phone 7の魅力と言えるでしょう。
残念ながら日本での具体的な展開については公式に発表されていません。しかし、少しでも早く日本での提供が始まることを期待したくなる、そのぐらい魅力的なBoot Campでした。
Open Source Fest
午前・午後のBoot Camp終了後は、オープンソースコミュニティの交流&発表の場である「MIX11 Open Source Fest」が開催されました。
歌の演出とともに幕が開けた
Open Source Festには、OSSに関連したコミュニティ/プロジェクトが多数参加し、全部で52のデモンストレーションがそれぞれのスペースで行われ、参加者同士の交流が図られました。
今回登場したOSSのほとんどが日本ではほぼ馴染みのないもので、たとえば次のようなコミュニティ/プロジェクトが参加しています。
説明する方も聞く方も、ビールを片手にカジュアルな雰囲気で
会場内にはたくさんの来場者が集まり熱気ムンムン
また、カジノの街ラスベガスでの開催ということもあり、一般参加者はMIX11オリジナルチップを10枚持ち、気に入ったコミュニティやプロジェクトのテーブルにあるケースにチップを入れ、人気投票をするといった仕掛けも用意されていました。
気に入った場合、ここにチップを入れる
人気のあるコミュニティにはたくさんのチップが入る
まもなく開幕、MIX11!
以上、MIX11開催前日の模様を2回に分けてレポートしました。今回紹介したHTML5/CSS3などのWeb標準技術、そしてInternet Explorerなどのクライアント側のWeb技術や、Windows Phone 7は今回のMIXでも注目したいテーマです。他にもWindows AzureやOrchard、.NETなど見どころ満載です。
明日からも、現地から会場の空気が伝わるよう、gihyo.jpならではの視点でお届けしますので、お楽しみに!