昨日に続き、PHPカンファレンス2010 が開催されます。本日(2日目)は「テックデイ」と題して、技術よりのセッションが展開されます。
本ページでは、2日目のレポートを随時掲載していきます!
イベント開始前
今朝もスタッフの皆さんが慌ただしく準備を進めています。
昨日同様、会場の入り口には展示スペースが設置されています。来場の際には是非お立ち寄りください!
亀本大地さん「オープニング」
昨日のビジネスデイに引き続き、今日のテックデイもPHPカンファレンス2010実行委員長の亀本大地さんの挨拶で始まりました。
「最先端の技術についてのセッションが並んでいます」と各セッションが紹介されました。また、スポンサーの紹介と無線LANについての説明もありました。今日も快適な無線LAN環境を利用できます。すでに #phpcon2010 ハッシュタグを使った多くのツイートが流れています。
Rasmus Lerdorfさん「PHP Then and Now.」
今日の基調講演は、PHPの生みの親、Rasmus Lerdorfさんです。
「1993年、すべては Mosaic を見た時に始まった」との語りとともに、スライドには懐かしいMosaicの画面が映し出されました。Mosaicの出現によって、「 自分のやっていることを初めて母親に説明できるようになった」とRasmusさんは話します。
懐かしいPHP 1のコードがスライドに表示された後は、PHP 5.3の説明です。最新版であるPHP5.3.3はほぼ1ヶ月前にリリースされました。「 まだPHP 4を使っている人はぜひアップデートしてほしい。現在はPHP 4を走らせるべきではない」とし、PHP 4よりPHP 5のほうがはるかに速く、また5.2よりも5.3のほうがさらに速いと話します。
PHP 5.3.3は、内部のエンジン内のスタックが改善されていること、定数には専用のメモリが割り当てられること、例外処理も高速化されていること、コンパイラをうまく活用することでバイナリサイズも小さくなり、起動も高速化していること、Windows版のPHPはマイクロソフトの協力によって40%の速度向上が実現したことなど、最新版では著しい高速化が実現しているとの話でした。
PHP 5.3以降の新機能として、クロージャ、名前空間、遅延スタティックバインディング(LSB) 、ガベージコレクション、ヒアドキュメントのシングルクォート版であるNOWDOCなど、多くのフィーチャーが説明されました。また、名前空間の区切り文字として「\」が選ばれた理由として、ウェスタンキーボードで機能の割り当てられていない一文字の記号が \ しかなかったことを説明した後、「 ひょっとして日本語の文字を使ったほうがよかったのかな」とリップサービスも忘れないRasmusさんでした。
今回の講演のスライドは、http://talks.php.net/show/phpjp10 にて公開されています。
フレームワークアップデートLT
安藤祐介さん「CakePHP」
CakePHPは、ビデオレターによる紹介です。
CakePHPでは、今はリファクタリングをして少しずつコードを整理している最中とのことです。また、次のリリースからはSimpleTestからPHPUnitに移行します。
また、PHP 4の処理を削除することでパフォーマンス改善と最適化を図っています。「 長い間、手がつけられなかった所を作り直してリフレッシュするいい機会だ」とコアチームのメンバーは語ります。PHP 5専用にして、レイトバインディングなどのPHP 5専用機能を導入することで、テスト環境では30%もの速度向上が実現したそうです。
また、例外処理やDIコンテナも導入されるとのこと。次期バージョンリリースが楽しみなCakePHPです。
なお、ビデオレターはPHP Matsuriのサイト で公開されています。
安藤祐介さん「Lithium」
Lithiumも、ビデオレターによる紹介です。
Lithiumは2年前に開発が始まり、去年公開されたフレームワークです。PHP 5.3専用で、PHP 5.3の機能をふんだんに使っています。
先行のCakePHPなどを参考にして作られたフレームワークで、開発を助けるような新しい要素を取り入れ、さらなる改善を図っています。
始めるには、ダウンロードしてチュートリアルを実行しましょう。ブログ、認証、フィルターなどの機能を使ってフォトブログを作るチュートリアルが同梱されています。写真にジオタグをつけることもできます。
まだ若いフレームワークで、バージョンがまだ1.0になっていません。正式リリース時にはドキュメントも一緒にリリースする予定とのことです。安定版になる前の状態を学んでほしくないので、まだドキュメントはつけていないとのことでした。
来週のPHP Matsuriに開発者のNateさんとJoelさんも来日する予定とのことです。興味のある方はチェックしましょう。
Lithiumのビデオレターも、PHP Matsuriのサイト で見ることができます。
sotarokさん「Ethna」
Ethnaは、GREEのふじもと氏が2004年に公開したフレームワークです。2000万ユーザーのWebサービスを支えた実績があります。
去年の10月18日、バージョン2.5.0 stableをリリースしました。2.3.0から約2年半ぶりのメジャーバージョンアップで、PHP 4とPHP 5.2をサポートする最後のバージョンになります。
2.5.0はUTF-8化、国際化対応、ActionFormの多次元配列対応などが盛り込まれています。また、次期バージョンとなる予定のバージョン3.0については、「 3.0を考える会」というオフラインミーティングで活発な話し合いがされており、Ethnaらしさをもっと出したものになる見込みです。
また、この1年での大きな出来事に、公式マスコット「えすにゃん」が登場し、夏コミや同人誌に登場したことも挙げられます。
「この1年はいろいろと構想を練る年だった」と話すsotarokさん。「 Ethna 3.0に期待してください!」の一言でLTを締めくくりました。
riafさん「rhaco」
続いてrhacoの紹介です。
"No trunk, no rhaco"、” 3時間前はジュラ紀"など、開発者「とくしまん」で有名なrhacoは、次世代PEARサイトOpenpearでも使われています。
rhacoからrhaco2は全く別ものとして扱われています。開発中のOpenpearもrhacoからrhaco2へリプレースされています。
rhaco自体の特徴としては、Object.phpやdoctest、PHPとしては気持ち悪い変態的なrunserverコマンドがrhaco2に実装されました。
続きはLingrのrhaco-ja 部屋で!
MugeSoさん「Agavi」
AgaviとはSymfonyの兄貴、HTTP専用でもフルスタックでもない高品質なフレームワークと位置づけられています。
Avaviのアップデートは、iisのサポート、Azure Platformのサポート、XSLTレンダラのサポート、FormPopulationFilterのxmlモード(xhtml用)で が使えるようになった、例外画面の例外連結(PHP >= 5.3)サポートなどがあります。
さらにメジャーアップデートのバージョン1.1は、認証レイヤーの追加、HipHop PHPのサポート、Windows Azure Platformサポートの向上、ストレージサブシステム機能追加(キャッシュやセッションなどで用いる、KVSの統一インターフェイズ) 、ResponseクラスへのAttribute追加があげられます。
Kenji Suzukiさん「CodeIgniter」
Googleトレンドで「初めて今年第2位になった」と話して会場の笑いを誘うSuzukiさん。MOONGIFTでも、CodeIgniterベースのアプリケーションがよく紹介されるようになったそうです。また、来年2月19日、「 CodeIgniter Con 2011 Tokyo Japan」というイベントが日本で開かれる予定です。
CodeIgniterは、「 軽い、速い」「 規約が少なく習得が簡単」「 拡張が容易」という特徴をもつフレームワークです。最終バージョンは1.7.2で、現在は2.0が開発中です(リリース時期は未定) 。2.0では、Driverと呼ばれる特殊なクラス、JavaScriptクラス、セキュリティクラスなどが追加される予定とのことです。
詳しくは、日本CodeIgniterユーザー会 のサイトをご覧ください。
sasezakiさん「Zend Framework」
ZendFrameworkの紹介です。バージョン1.8でZend_Applictionが追加されたのが大きなアップデートになっています。2.0に向けて変更が予定されている箇所は E_USER_NOTICE が出力されるそうです。
追加されたコンポーネントは、Zend_OAuth、Zend_Filter_Compress, Decompress、Zend_Service_Azure_Platformなどがあります。さらにZend_SerializerではPythonのPickle形式が読めるようになったそうです。
今後はバージョン1.11をリリース予定であり、もう少しだけ1.x系は続きます。
ZendFrameworkではマニュアルの翻訳者が足りていないため、絶賛募集中です。
小川雄大さん「Symfony」
最後にSymfonyの紹介です。
今年6月に日本Symfonyユーザー会を設立され、IRCで定期的なミーティングが行われています。
1.3は互換性を残したバージョンで、1.4は互換性を切り捨てたバージョンとしてリリースされています。
Symfony2は現在開発中で、PHP5.3.2以上に対応し、1.xからは大幅に変更されています。中核となるHttpKernelというクラスがあります。このクラスには大きな機能はありませんが、非常に柔軟でやろうと思えばこの上でCakePHPを動かすことも可能です。
さらに、新しいキャッシュ機構により80倍以上の高速化がされています。DIコンテナーもSymfony2のコンポーネントとして実装されています。他にもProfilerなど便利な機能が目白押しです。速度・拡張性・柔軟性が大幅に改善されています。
リリースは来年の3月にリリース予定だそうです。
Scott MacVicarさん「HiPHoP for PHP」
Facebook本社よりScott MacVicarさんにお越しいただき、PHPを高速なC++コードに変換するツール「HipHop for PHP」について講演していただきました。
従来のPHPではスケーラビリティに課題がありました。具体的には、
CPU使用率が高くなることがある
メモリ使用量が多い
PHPロジックを他言語で再利用しにくい
多くの開発者にとって、エクステンション作成のハードルが高い
のような問題があります。そこで、2年ほど前から、PHPコードを高度に最適化されたC++コードに変換する「HipHop for PHP」というプロジェクトを開始しました。
HipHop for PHPは、まず変換時にコードの最適化を図り、コードの静的な解析、型の推定を経てC++コードを生成します。C++に変換するに当たり、eval()やcreate_function()のような動的なコーディングをしている部分は書き直す必要があります。
会場で行われたデモでは、変換前のPHPで4秒かかっていたコードが、HipHop for PHPで変換したコードでは約1.1秒で終了しました。ただし、実際のプロジェクトでは2倍程度の高速化になるとのことです。
HipHop for PHPは今年の2月にオープンソース化 されました。興味のある人は、ぜひ導入してみてください。
奥主洋さん、物江修さん「Microsoft ? PHP ~ 2nd Stage ~」
今回のPHPカンファレンスのネットワークスポンサーでもある Microsoft の講演です(このレポートを公開するのにも、活用させていただいています!) 。
マイクロソフト株式会社 エバンジェリストの奥主 洋さんと物江 修さんがお二人で登壇しています。
前半は、これまでの Microsoft と PHP についての振り返りがありました。
IIS7 のリリースに伴い、2007年頃からPHPのサポートをより進めていこうというフェーズを 1st Stage としているとのことです。以下のような取り組みがされました。
IIS 用に FastCGI モジュールを提供(以前は ISAPI)
MS製の PHP アクセラレータの提供(WinCache Extension for PHP 1.1)
PHPのFastCGI設定をもっと簡単に(PHP Manager)
OSS の動作環境としても様々な取り組みがなされています。対応する日本語のPHPウェブアプリケーションは以下の4つです。
WordPress 日本語版パッケージ
XOOPS Cube Legacy
Suger CRM日本語版パッケージ
EC-CUBE
この中には以前のPHPカンファレンスがきっかけで対応されたものもあるそうです(!) 。
Web Platform Installer の愛称はひらがなで「うぇぶ・ぴー・あい」と覚えてください。
おさらいのあとは、講演者がバトンタッチして WebMatrix の紹介です。WebMatrix とはアプリケーションのインストールを含めたウェブサイトを作成するためのツールです。愛称は「うぇぶ・まとりっくす」です。
WebMatrixには大きく分類して、Site(Webサイトの管理) 、Files(コンテンツ作成・編集) 、Databases(データベースの管理・作成) 、Reports(SEO分析)といった4つの機能があり、それぞれについての動作デモの披露がありました。
WordPress のインストール
エディタ画面と、PHPコードの実行
MySQL データベースの編集
SEO レポート
配置機能(デプロイ)
デモ中では実際に IIS が入っていない Windows XP 上で WordPress を動作させるまでをアドリブで(途中ハプニングもありつつも..笑)披露した後、PHPを使用したアプリケーションを作り始める方法を披露されました。
WebMatrix では、コンテンツの作成のみならず、実際のデプロイまでカバーできるとのことです。
簡単にアプリケーションを構築できる様子に、会場からは「おぉー」と歓声があがっていました。
最後に参考になるウェブサイトとして Microsoft /web の紹介がありました。
アプリケーションギャラリーに登録する日本語オープンソース Web アプリケーションを募集しているとのことです。興味のある技術者はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
これまでの PHP 開発においては、LAMP を用いることが多いかと思いますが、GUI で様々な設定・操作が行える WebMatrix を使用してみても良いかもしれませんね。
懇談会LTエントリー募集しています!
会場では、懇談会で行われるLTの募集が行われています。
徳丸浩さん「文字コードに起因する脆弱性とその対策」
HASHコンサルティング株式会社の徳丸さんによる、文字コード(文字エンコーディング)の取り扱いが原因で生じる脆弱性についての講演です。
文字エンコーディングの不用意な扱いで起こるセキュリティホールのデモを6種類実演しながら、その原因と対策を説明してくれました。「 現場で『こんなことは起こりえないだろう』と言われたら負けだ、というのが私のポリシー」と言う徳丸さんは、実際にあってもおかしくないような環境設定で起こるXSS脆弱性やSQLインジェクションのデモを、次から次へと披露してくれました。
6種のデモを原因別に分類すると、
文字エンコーディングとして不正なデータによる攻撃
文字エンコーディングとして不正でなく、マルチバイト文字対策が不十分なもの
文字集合の変更が原因のもの
の3つになるという説明でした。「 UTF-8を使っていればそうそうおかしなことにはならない」とはいうものの、事情により他の文字エンコーディングを使わなければならない人にとっては、背筋が寒くなりつつも大変有用な講演でした。
hnwさん「PHPストリーム概説」
続いて、日頃から個人ブログ「hnwの日記 で非常に濃いPHPネタを書かれている株式会社ディノ hnw さんからの発表です。
Web+DB PRESS でもPHPの連載をされているそうです。次号で「ストリームとファイル入出力」が掲載されるそうです。こちらも要チェックですね。
PHPのあまり知られていない機能として「ストリーム」のおはなしです。
ストリームとは「外部データに対するI/Oを透過的に扱うもの」とのことで、簡単にいうと「何でもファイルのように扱える」ということです。
PHP 4.3.0 から導入されている、比較的古い機能といえます。
ストリームの各機能について、UNIX のコマンドラインに例えての解説がありました。
ストリーム : 標準入出力
ストリームラッパー : UNIXコマンド
ストリームコンテキスト : コマンドラインオプション
ストリームフィルタ : フィルタコマンド
ストリームラッパーやストリームフィルタなどは、組み込みで用意されているもののほか、自分で作成することも可能です。もちろん、PHPで記述できます。
例として、Openpear で公開されている Stream_Filter_Mbstring の紹介がありました。ストリームをつかって、ファイルの文字コードを変換しつつ読み込める機能を実現できます。Shift_JISではうまく動作しない fgetcsv などで有効です。
「PHPの割に綺麗で実用的」というストリームを詳しく解説頂きました。
筆者もストリームはとても好きな機能です。賢く使うととても便利な機能なので、みなさんもぜひお試しください!
rtiさん「新潟アクセス修飾子のご提案」
「『 にいがた』を漢字で書いてください」「 『 新潟』を読んでください」「 新潟は読めるけど書けない」で始まる発表に会場は戸惑います。続いて、「 クラスのアクセス修飾子はなぜpublic、protected、privateしかないのか。読めるけど書けない修飾子が私は欲しい」として、「 読めるけど書けない、新しい修飾子niigataを作ろう。public、protected、private、niigata」と会場の爆笑を誘います。
後半は、実際にPHPのソースを改造して、niigata修飾子を実装していく様子が順を追って説明されました。改造時のお約束は「似ている箇所を探す」「 エラーメッセージは最大のヒント」「 とにかくgrep」とのことで、privateメンバに書き込みをしてエラーを出し、そのメッセージでgrepして改造箇所のあたりをつけ、該当場所を探り当てる様子に会場は引き込まれました。
「言語の改造は面白い。難しくない。niigataは7~8時間で実装できた。この資料作成に2日かかったけど」と言うrtiさん。「 魔改造をやって遊びましょう。プログラム言語の新しい可能性を探しましょう!」という聴衆への呼びかけで、講演を締めくくってくれました。
PHPの中の人によるパネルディスカッション
廣川さんのパネラーの紹介からはじまったパネルディスカッションのパネラーは、
実際にPHPのコアを開発しているメンバーで構成されています。
すべてをお届けすることはできませんが、ディスカッションの様子を掻い摘んでレポートします!
PHP の好きなところ(気に入らないところ)について
ふじもとさん「コミッターしてたのは4,5年前。プラクティカルなところが良い」
おおがきさん「おなじく、プラクティカルなところ。ただ、アバウトすぎるところがある。」
たかぎさん「マニュアルの日本語訳担当している。( たまに英語のドキュメントも更新してる)ドキュメントが充実しているのが良い。よくできてないドキュメントもみられるのは良くない」
はなわさん「仕事で使って8年。phpコアは開発していない。バグレポートをおくっているくらい。良いところは、PHPのおかげでごはんがたべられていること(笑) 。ソースを見ているとたのしいのは、良いことなのか悪いことなのか..。」
Rasmusさん「良いところはアクセス性。他の手段ではウェブを作れなかった人が作れるようになった。そして、みなさんがたです。しかし、気に入らないところもたまにですがみなさんです(笑) 」
Toward release of PHP.Next
Annotation
関連情報(メタデータ)を注釈として付与
Java, .Net などでサポート
Traits
Strict type hinting
Speed Improvements
Improved memory usage
Removed legacy features
etc
Rasmusさん「まだ5.4ですので、比較的若い言語です。スカラタイプヒンティングは嫌っている開発者が多いので、5.4までは生き残れないのではないか。それ以外の更新は比較的受け入れられているようだ。Traits も確実に取り込まれるだろう。自分自身は、コアな機能よりも、ユーザーが興味をもつようなphp-fpmやさまざまな拡張のほうに興味がある。」
もりよしさん「PHP6 で UTF-16は取りやめられたが、国際化についてどう考えている?」
Rasmusさん「PHP6を考える上で、盛り込みすぎ・急ぎすぎた感がある。ぜひ手伝って欲しい。」
ひろかわさん「みなさんの意見は?」
大垣さん「Type-hinting で catchable fatal erroが発生してしまうと、今までのアプリケーションがエラーになってしまう。」
ふじもとさん「べつにいらないとおもう。あってもいいけど、パフォーマンス落ちるのでは。」
もりよしさん「こういう機能が追加されることでPHPらしさが失われるのでは」
ふじもとさん「昔よりはPHPの使い方が変わってきている。最近では大規模も書かれているので、欲しい人はいるだろう。Facebook の人の意見も気になる。」
(ここで壇上へ Scott 氏。会場から大きな拍手)
Scottさん「型付けしないのは困っている。ゆるいと全てのコードでチェックしなければならない。非常に面倒。」
PHPのこれから
Multibyte support(i18n of PHP)
もりよしさん「UTF-16にするのではなくて UTF-8で完結させるなど、落しどころはたくさんあるのではないか。海外の開発者の視点で、どのような落しどころがあるか、その可能性について聞きたい。」
Rasmusさん「実はもう4年にわたってとりくんでいるが、未だ決着を見ていない。内部をUTF-16にしてしまうのは、すべてを叶えられる良い方法ではないか。必要なのはICUを高速でもの。PHP本体よりも大きくなってしまう。」
ひろかわさん「UTF-16はとても大きい。UTF-8 をベースに軽量な、PHPの良さを活かしていくのではないか。」
Decision process for PHP development
はなさわん「正直あまりつかわない関数が入っている。」
Rasumuさん「使っている人が少数であっても、使われている機能を削除するのは良いことではない。誰かひとりが決定をするしくみではなく、グループとしてコンセンサスをとる仕組みが望ましい。PHPはそもそも問題解決のために作られた実践的な言語。プロジェクトを管理する言語ではない。」
ひろかわさん「まさにこれがPHPのコミュニティの概念ではないか。」
会場とのディスカッション
このあと会場を交えてのディスカッションが行われました。
最後は会場からパネラーへの大きな拍手が贈られました。
ライトニングトークス
安藤建一さん「CodeIgniterをベースとしたCMS「seezoo」をオープンソースでリリース」
LT1本目は、CodeIgniterでできたCMS「seezoo」の紹介です。concrete5の簡易的なCMSの位置づけで作り始めたら楽しくなってしまったのがきっかけだそうです。seezooの特徴はflintという独自JavaScriptフレームワークを採用されています。会場では動作デモも行われました。
時田正彦さん「日本一の twitter bot サービス twitter bot GENERATOR」
自動でBOTを生成する「twitter bot GENERATOR」で作られたBOTは約74,000アカウントあり、日本で一番使われているTwitter BOTサービスです。必要なものは、BOTのTwitterアカウントだけ。定期ツイート機能、自動返信機能、自動フォロー返し機能など、多彩な機能があります。スーパードライBOT をはじめ、多くのBOTがこのサービスで作られています。
KIM_TPDNさん「激安VPS + nginx + PHP-FPM」
PHP 5.3.3の機能「FastCGI Process Manager」を使って、最近日本でも出現した激安VPSでWebサーバーを作ってみたお話です。nginxとの組み合わせが定番らしいので、PHP-FPMとnginx、それに某国内激安VPS(月額480円)でWebサーバーを実現してみた所、普通に使えたと言います。「 今使っている無料Webスペースの契約が切れたら、こっちに移行しようかな」と考えているそうです。
yuunyan_mさん「PHPフレームワーク擬人化とPowered byの改変について」
発表者のyuunaさんは「しんふぉにゃん」と「えすにゃん」ラブだそうです。
是非あなたのサイトにもえすにゃんを。
rtiさん「pecl php tokyo tyrantは面白いですよ。いろんな意味で。」
セッションストアが欲しい、でも大規模なものは予算的に無理。こんな場合にTokyo Tyrant。pecl php_tokyotyrantというパッケージを導入したものの、当時のバージョン0.4.0ではSegmentation Faultで落ちるバグがあり、それを修正したお話です。「 汚いけれど速い」修正パッチと、「 遅いけれど美しい」修正パッチの両方を送ったら、美しいほうが即日採用されたエピソードを話し、「 プログラムは正解共通語。とりあえずパッチを送ろう」と締めくくりました。
桑田誠さん「PHPer100人にPythonを教えてみた」
PHPとPythonを比較しながらの勉強会を開催されているそうで、これまでに7回開催されています。この勉強会には、地方からの参加者や、複数回参加される方などても勉強熱心な方々が参加されているそうです。
関山隆介さん「PirumではじめるオレオレPEARチャンネルサーバー」
PEARチャンネルを管理するPirumで自分用のPEARチャンネルサーバーを作るお話です。MeCabバインディングやTokyo Cabinetバインディング、QRコードジェネレータなどをPHP拡張モジュール専用チャンネル で公開しています。Pirumはとにかくシンプルで簡単で、pearコマンド一発でインストールできます。また、データベースを使わないので、ローカルで確認した後、FTPやrsyncで公開できます。
よやさん「PHP で 3D プログラミング」
最近はどこもかしこも3D、ならPHPでも3Dくらい使えないと、と思ってphpopenglをダウンロードしてみたものの、開発停止中でしかもPHP 4用だったので、自分で改造してPHP 4とPHP 5の両方に対応させたというプレゼンテーションです。球体を表示するデモも行われました。
id:anatooさん「やったーPHPでPEGパーサコンビネータできたよー」
パーサコンビネータとは、パーサを構築するための一種のフレームワークのようなものです。OpenpearPEGはopenpear.org で公開されているPEGパーサコンビネータで、はてな記法パーサもOpenpearPEGで作成されています。詳細なドキュメントも公開されています 。
小川雄大さん「究極のPHP本完成」
最後のLT「究極のPHP完成」です。今を生きる全てのPHPユーザーに自信を持ってお勧めできる「パーフェクトPHP」の紹介です。PHPを実践的に使いたい方々は必読です。600ページに届きそうなページ数・もちろんPHP5.3に対応・セキュリティ・知っておくべき16の脆弱性など、wktkせざるを得ない内容です。技術評論社より11月に発売予定です!
亀本大地さん「クロージング」
実行委員長の亀本大地さんからの挨拶で、2日間に渡ったカンファレンスが締めくくられました。
懇親会も大盛り上がり!
テックデイ終了後、スピーカー、スポンサー、参加者が一堂に会した懇親会が行われました。昨年同様、おいしい料理とお酒を片手に、みなさんPHP談義に花を咲かせていました。
恒例となった有志によるライトニングトークや、スポンサーからのプレゼントタイムなどもあり、最後まで非常に盛り上がったカンファレンスとなりました。
LTにはid:naoyaも登場!?
LT発表のみなさんは、床に座り込んで準備や発表を行っていました。
Rasmusも会場を後にする前に登場。最後は大きな拍手で送り出されました。
賞品をめぐってじゃんけん大会も大いに盛り上がりました!
PHPの生みの親 Rasmus Lerdorf氏を迎えた今回のPHPカンファレンスも、次年度以降につながるすばらしいイベントでした。スポンサーの皆様、参加者の皆さん、スタッフの皆さん、お疲れさまでした!
さて、昨年に引き続き速報レポートとしてお送りいたしましたが、いかがだったでしょうか? 少しでもイベントの雰囲気を共有できたならうれしく思います。
本レポートはこれで最後となります。最後までお付き合いいただきましてありがとうございました!