インフラエンジニアday最後のセッションとして「AI/IoT時代におけるエンジニアの資質」というタイトルでパネルディスカッションが行われました。参加者はAI/IoTトラックのスピーカーである、小島英揮氏、得上竜一氏、瀬高拓也氏、片山暁雄氏、モデレーターは技術評論社の馮富久が務めました。
それぞれのトラックのセッションは下記レポートをご覧ください。
2017年のエンジニアが身に付けるべきスキル
最初のテーマとなったのは、2017年のエンジニアに必要なスキルは何か。これについて、瀬高氏は「IoTは間違いなく来ている」と話し、現状のエンジニアが目指すべきスキルセットを次のように語りました。
「VRやそこから派生したインターフェースの変化が起きていると思っています。とくに今年は音声デバイスがかなり熱い。それによってデータの触り方がだいぶ変わってくる気がしますし、IoTによって取得できるデータも増えていく。そういった領域が今年のホットなスキルになるんじゃないかと感じています」
現在、さまざまな領域でAIの可能性が探られていますが。そこを攻めるのであればどの技術を学ぶべきか、馮氏からのこの問い掛けに答えたのは得上氏です。
「AIは大きく2つある。1つは人工知能を創る人たち、2つ目が人工知能を作るためのデータを提供する人たちです。後者はETLやデータベースを扱うための技術ですね。この2つがないとAIを活用できないので、どちらを攻めるべきか決めてほしい。データの処理に関して言えば、どれだけ効率的かつスマートに扱っていくかで、ちょっと違ったコンピューターの接し方を突き詰めていくというところです」
自ら手を挙げて新しい領域に飛び込んでみる
AIが普及すると仕事がなくなるのではないか。そういった危惧が社会に広まっているのは事実でしょう。これに対して反論したのは小島氏です。
「AIはいろんな可能性を増やすので、仕事が増える、マーケットが広がることに他なりません。ただ、単純作業には意味がなくなることも考えられるので、そこに固執したら仕事がなくなるかもしれません。ただ、これは今日に始まった話ではないんですね。建設現場で重機が使われるようになったとき、自分たちの仕事がなくなると労働者の人たちが反対した。でも実際はそんなことはなくて、今までより圧倒的に多くの仕事がこなせるようになって、新しい仕事も増える。結果的にその会社のビジネスが大きくなった。それとまったく同じことでしょう」
IoTに対する注目度も高まり続けていますが、そうした新たな領域にチャレンジする上での心構えについて話をしたのは片山氏です。
「ソラコムではIoTデバイスをつなぐための通信プラットフォームを提供していますが、私自身はもともと通信業界にいたわけではありません。そのため、通信でわからないことがあれば、とりあえずググって調べてみるというのをやりました。ただ、切羽詰まった状況にならないと、なかなか調べるまでいかないと思うんですね。なので、たとえばIoTに興味があればとりあえず手を挙げてやってみる。もしかすると知識が足りないかもしれませんが、そもそもIoTに関してはみんな知識が足りない状況です。そのため、とりあえず案件に関わるのは手ではないでしょうか」
このように4人はそれぞれの立場から積極的に意見を述べ、パネルディスカッションは大いに盛り上がりました。