はじめに
オブジェクト指向スクリプト言語Rubyに関する世界を代表するイベント、日本Ruby会議が今年も開催されます。
2006年の開催から6回目を数える日本Ruby会議2011(略称:RubyKaigi2011)は、7月16日(土)から18日(月)までの3日間、過去最大のスケールで開催されます。 昨年のRubyKaigi2010スペシャルレポートと同様に、RubyKaigi2011を3日間に渡ってレポートします。基調講演や一般発表、Lightning Talksの様子を、写真付きで随時更新してお届けします。現地に足を運べない方も、RubyKaigiの熱気を感じていただければ幸いです。
初回は直前レポートということで、「最後のRubyKaigi」となるRubyKaigi2011の見所を紹介します。
イベント概要
昨年はつくばで開催されたRubyKaigiですが、今年は、練馬文化センターでの開催です。来場者予測は延べ2、400人程度となっており、これは過去最大だった昨年のスケールをさらに越え、今年もRubyKaigi史上最大のスケールとなる見通しです。
また、昨年と同様に会場には給電所を設け、PCなどのバッテリーを必要に応じて充電できる予定です。しかし節電要請もあり、電源タップを十分に用意できません。予備のバッテリー等がある方は準備していただくなどして、譲りあって利用していきたいですね。
なお、現地参加できない方のために、今年もUstreamを利用したライブストリーミング配信が予定されています(詳細は後述)。
テーマ
RubyKaigi2011のテーマは、「最後のRubyKaigi」です。このテーマは、RubyKaigi2010の閉会宣言にて実行委員長の高橋さんが発表しました。
「最後のRubyKaigi」とは、これまでのRubyKaigiのやり方で行われていたRubyKaigiをRubyKaigi2011で終了するということです。これまでRubyKaigiは、初めて行なわれたRubyKaigi2006から、年々その規模を拡大しながら成長を続けてきました。しかし、どんどん拡大することにより、これまでと同様の枠組みでの開催には、様々な課題がみえるようになってきました。
そこで今回のRubyKaigi2011は、これまでのRubyKaigiの総決算として「最後のRubyKaigi」がテーマとして掲げられています。最後であると同時に「最高のRubyKaigi」になるように、今年のRubyKaigiは計画されています。
みなさんも、最後のRubyKaigiが最高のRubyKaigiになるように、3日間楽しんでください。
プログラム紹介
RubyKaigi2011では、通常のトークは大ホールと小ホールを使用して2トラック同時に講演が行われます。よって、当日はどちらかを選択して参加していく形になります。
また通常の講演以外にも、初日の夜には闇RubyKaigiという謎めいた企画(後述)、そして2日目と3日目には!RubyKaigi(Not RubyKaigi)というアンカンファレンスが開催される予定です。アンカンファレンスはトークする側に気軽に回れる企画ですので、最後のRubyKaigiの思い出に参加してみてはいかがでしょうか?
基調講演
毎年のRubyKaigiで注目されるセッションが、なんといっても基調講演です。大小2つのホールを使ってセッションが同時進行するRubyKaigiですが、基調講演の時だけは大ホールで全員で聴く形になります(今年は"達人プログラマー" Dave Thomasさんをお招きする予定でしたが、残念ながら諸事情によりキャンセルということになりました)。
* 1日目基調講演:Aaron Patterson
RubyKaigi初日の基調講演をかざるのは、Aaron Pattersonさんです。tenderloveというハンドルネームでも知られるAaronさんはRubyとRuby on Rails両方のコミッタとして活躍しており、またNokogiriやMechanizeといった有名ライブラリの作者です。講演では、Rubyとの出会いによりAaronさんの人生がどう変えられてしまったか、そしてそういった変化を生じさせるRubyが持つチカラについて語ってくれます。
* 3日目基調講演:まつもと ゆきひろ
Rubyの父としてお馴染みのまつもとゆきひろさんがラスト・RubyKaigiの最後を締めくくります。講演タイトルは「三題噺: 振子とPGと百年の言語」ということで、プログラミング言語の大家が未来について語ってくれます。「百年の言語」と言うと、まつもとさんが2008年にLL futureというイベントでPerl作者のLarry Wallさん等を交えてディスカッションをしたことなどが思い出されますが、Rubyそのものだけでなくもっと広い範囲のお話をして頂けるのでしょうか。最後のRuby会議の最後のセッションでどのようなことが語られるのか、Rubyistのみならず注目の講演です。
プレゼンテーション発表
今年も様々なトピックのプレゼンテーションが3日間行なわれます。Ruby自体に関してから、Rubyを用いたプログラミング、さらにはコミュニティについてなど、多種多様です。発表者は、日本人だけでなく海外の方もいるため、今世界でどのようなことが起きているかをまとめて知ることができます。
ライトニングトークス
今年は2日目(7月17日(日))と3日目(7月18日(月))と会期中に2度もライトニングトークスが開催されます。
どちらの回でも11人の方が熱いトークを繰り広げ、総勢22人のトークを聞くことができます。
ライトニングトークスとは、一人5分間のトークを行なうものです。持ち時間の5分になると、銅鑼により時間が告げられ、強制終了されます。
闇RubyKaigi
初日の夜には、昨年度行われたRejectKaigiの代わりに闇RubyKaigiというものが行われます。
この闇RubyKaigiは、RubyKaigiのプログラム中で唯一無料で聞くことができるセッションです。また、開催当日に発表者募集が行なわれ、最後のRubyKaigiの壇上に立ちたいという方にとって、これが最後のチャンスとなります。
!RubyKaigi
2日目と3日目には、!RubyKaigi(ノットRubyKaigi)と題し、アンカンファレンスを行なう予定です。アンカンファレンスとは、事前に発表者や講演内容が決まっておらず、当日参加した人が話したい内容を発表する形式のカンファレンスのことです。当日、何かを発表したいという気持ちがわきましたら、是非参加してください。
その他
その他、上記で紹介できなかったトピックについてまとめてご紹介いたします。
会場へのアクセス
今年の会場は東京都の練馬文化センターです。最寄り駅は練馬駅で、西武池袋線を使って、池袋駅から練馬駅へ移動すると便利です。
ジュンク堂書店RubyKaigi店
今年も例年通りジュンク堂RubyKaigi店が出店します。会場だけで先行販売される書籍や、新刊既刊多数揃えております。また著名なRubyistによるサイン会も実施されます。どうぞお楽しみください。詳細はRubyKaigi日記にて告知されていますので、そちらをご覧ください。
Ustreamによる映像配信
今年も発表の様子をUstreamにて配信する予定です。当日、会場にこられない方も映像にてお楽しみください。現時点では、URLなどは未定ですのでrubykaigi.orgをご参照ください。
当日レポート
RubyKaigi2011の会期中は、当レポートと同じく、KaigiFreaksレポート班がgihyo.jpにて当日レポートを掲載していきます。なるべくたくさんの発表をレポートして行きますので、参加することが出来なかった発表についてもお楽しみください。
公式タグ、ハッシュタグ
ブログやオンラインブックマーク、Twitterなどで利用していただきたい、公式タグ、ハッシュタグは以下のとおりです。
- 公式タグ: rubykaigi2011
- Twitterでのハッシュタグ: #rubykaigi
Rubyist Magazine 日本Ruby会議2011特集号
Rubyist Magazine:、通称るびまではRubyKaigi2011に向けて基調講演、発表などのみどころをいち早くご紹介しています。当日、参加する発表の参考にもなると思いますので、是非ご覧ください。
Rubyist Magazine 日本Ruby会議2011特集号
おわりに
今年のRubyKaigiも盛り沢山の内容です。ぜひ当日は、会場、Ustream、当日レポートでお会いしましょう。