戦略的Webマーケティングセミナー開催

戦略的Webマーケティングセミナー開催(その2):サーチ・マーケティング 2009、RCMS―次世代Webに対応したソリューション型CMSの活用

2回目は、オーバーチュアによるセッション「サーチ・マーケティング 2009⁠⁠、ディバータによるセッション「RCMS―次世代Webに対応したソリューション型CMSの活用」の模様についてお届けします。

セッション2:サーチ・マーケティング 2009

最新のサーチ・マーケティングについて語った、
オーバチュア河田氏。
最新のサーチ・マーケティングについて語った、オーバチュア河田氏。

14時55分からはセッション2「サーチ・マーケティング 2009」をテーマに、オーバーチュア⁠株⁠マーケティングコミュニケーションズ マネージャー・河田顕治氏からお話いただきました。検索活用や検索連動型広告の解説や今後についてと、同社の「インタレストマッチ」の機能や注意点などの紹介が中心です。

オーバーチュアが展開する検索連動型広告のビジネス

オーバーチュア株式会社は、検索連動型広告のビジネスモデルを初めて作ったことで有名な企業。日本では2007年8月からYahoo!傘下となり、現在はYahoo! JAPANはもちろんmixiやモバイル分野も含め幅広いサービスを展開しています。そこでまずは検索連動型広告の課金や表示の仕組み解説からスタート。

検索連動型広告とは

購入に繋がる情報収集はネットが主流となり各種メディアに比して効果が高い現状、サイト認知経路として検索エンジンが圧倒的という状況にマッチしている検索連動型広告。消費者購買行動を示したAISAS(⁠⁠注意(A⁠⁠・関心(I⁠⁠・検索(S⁠⁠・行動(A⁠⁠・共有(S⁠⁠)サイクルが短縮されつつある中でも、⁠ばらまき型」である従来の4大マスメディア・バナー広告に対して、個々のニーズや希望にあったアピールをする検索連動型広告は顧客の「一本釣り」が可能」と解説する河田氏。実際、市場は2008年までの5年で約1470億円市場に成長、今後もさらに規模を広げると予想されているそうです。

これからのSEM(検索サーチマーケティング)

このタームではまず、検索における「アシスト」思想の重要性が語られました。検索連動型広告とはすでに欲求がある人へのアプローチ方法ですが、河田氏は「それ以外の、世にまだないニーズを認知し購入に導く必要のある企業では、⁠アシスト」思想が欠かせない」と力説。

「ユーザは複数回の来訪を経てコンバージョンに至ることが多いため、そこに至ったきっかけのキーワードまで意識して評価することが重要」なのだとか。たとえば、自動車保険を探している人は、1度目は全体的な「自動車保険」でサイトにたどり着きますが、2回目は絞り込んだ社名で検索しコンバージョンに辿り着くことが多々あります。そうしたユーザ行動も鑑みた上でアシストを行ったキーワード(ここでは「自動車保険⁠⁠)も評価することが必要なのです。また検索以前の段階(A・I)の興味を喚起する効果的な手法例も多数紹介されました。

最も一般的な「ディスプレイ(バナー)広告+検索」では、検索や閲覧回数などさまざまな面での影響率を比較するとディスプレイ広告にもかなり効果があることがわかります。その他、紙媒体などにキーワードを載せてネット誘導する例、新聞で認知・関心を上げて検索させる例、交通広告とネットの例など興味深いデータばかりでした。また、こうした検索連動型広告に欠かせないのがキーワード設定。⁠ポイントは独自性・覚えやすさ・打ちやすさにある」と経験に裏付けられたノウハウが披露されていました。

合わせて解説されたのは、検索連動型広告のよくある疑問「行動(A)が発生しないサイトでは施策に意味があるのかどうか」について。検索~共有部分が「認知・集客・ブランドが発信する世界観の理解/エンゲージメントの生成」などの指標に置き換わる場合でも、⁠商品情報を調べる過程で、オンライン広告に接触したインターネットユーザは、実店舗で購入する際に41%支出する」という結果が出ているそう。やはりこうした広告は、実店舗での販売にも大きな効果を果たしているようです。

興味関心連動型広告「インタレストマッチ」の考え方、導入についての注意

インタレストマッチとは、検索行動の直前にいる人々にアピールするツールです。ユーザの検索時間にアプローチするのが検索連動型広告、閲覧時がコンテンツ連動型広告とすれば、それ以外の部分をカバーするのが興味関心連動型広告。現在見ているサイトの内容・過去閲覧したコンテンツや履歴・直近のリファラーなどから分析して興味がありそうな広告を導くため、興味から検索行動の至る直前(IーS)の人、検索から行動に移らない(SーA)(検討期間の長い自動車業界などに多い)などをカバーでき、組み合わせて使えば相乗効果が狙えるそうです。河田氏は、こうしたツールも含め「モバイルやLPO、APIを活用した入札管理ツールやマーケティングプラットフォームの進化もSEMに密接に関係しています。その点を意識してマーケティング戦略を考えるとより成果が上がるのではないか」とセッションの最後を締めくくりました。

タイトルにあるとおり、2009年の検索連動型広告、その1つの姿として、オーバーチュアが推進する「インタレストマッチ」を説明しました。
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セッション3:RCMS―次世代Webに対応したソリューション型CMSの活用

15時30分からは「セッション3:ディバータ セッション⁠⁠。本セミナーの協賛企業⁠株⁠ディバータ社長・加藤健太氏から、二部構成で「RCMS:次世代Webに対応したソリューション型CMSの活用」をテーマにお話いただきました。

第一部:RCMS徹底解剖

SaaS型/パッケージ型、
2つのモデルがあるRCMSの機能を
詳細に語るディバータ加藤氏。
SaaS型/パッケージ型、2つのモデルがあるRCMSの機能を詳細に語るディバータ加藤氏。

ディバータが開発する純国産CMSツールRCMSとは「Relational CMS」の略称です。データをフォルダ管理するシステムが主流に中で写真や商品、地図などコンテンツごとにデータベース(メタデータ)管理でき、フッタやサブモジュールの連動も簡単なのが特徴、と加藤氏。⁠世のWebサイトの9割はシステム化できる」をコンセプトとして「コンテンツ管理」を主眼に置いた開発が行われているそうです。

最新版を扱えるSaaS型とサーバ用パッケージ型による2モデル提供、コーポレートサイトや会員制サイトなど多くのサイトに対応したデザインテンプレート、ワンソースマルチユースを可能にするモバイル・PC連動型サイトへの対応、自治体サイトに必要な承認ワークフローや、翻訳文を用意するだけでよい多言語化機能など、短時間の解説だけでも機能が多岐に渡っていることがわかります。特徴的なのはやはり、商用ツールとしては類を見ない最新技術への対応の速さでしょう。Google関連技術をはじめ進歩や変化を気にせず最先端のシステムが扱えるというわけです。また100種以上用意されたモジュールは自社開発なので開発が止まったりすることがありませんし、メタデータ型のためWebサイト画面から更新箇所を直接選択すればその場で更新作業ができるようにもなっています。⁠利用者から積極的にバグ報告や要望をフィードバックしてもらい開発に繋げているからこそ可能になる」と説明する加藤氏。低コストの上に機能に素早く対応できる理由のほか、とにかく興味を惹かれるツール内容でした。

第二部:「ディバータ代表取締役 加藤健太氏に訊く~CMSを活用したWeb戦略」

第二部からは、⁠Web Site Expert』編集長・馮富久氏がナビゲータとして登場、加藤氏にお話を伺いました。

「早稲田部ラグビー部時代のWebサイト制作がきっかけ」というRCMSの誕生秘話をはじめ、ディバータ立ち上げに繋がるビジネス化への流れなど、前半とは赴きを変えたインタビュー形式でセッションが進みます。現在はSaaS型とパッケージ型の二種類で提供されているRCMSですが、元々はユーザの利便性追求のためSaaS型のみにしていたという経緯があったのだとか。SaaS型とパッケージ型それぞれの利点の解説も含め、開発者ならではの興味深い回答が続きます。事例紹介では、Webリテラシーが低い人でも問題なく扱える「出羽海部屋のオフィシャルサイト http://www.dewanoumi.com/やMashup Awards 4で大賞を受賞した「mixGroup β http://mixgroup.jp/⁠、ニッカンスポーツの試合情報と連動させるカスタマイズを施した「四国・九州アイランドリーグ http://www.iblj.co.jp/のサイトリニューアル例などが挙げられ、具体例に見るその扱いやすさには参加者も驚きの様子でした。

質疑応答タイムには「ウリをひとつ挙げるとすれば?」という、高機能がゆえの悩ましい質問も。⁠何でもできてしまうのでウリと言われると悩みますが……さまざまな新規技術に対しての開発対応が速いことは言えると思います。飲食店サイトが扉絵を変えるだけでできてしまうようなサイトコピー機能もありますよ」と思わず苦笑いの加藤氏でした。

最後は、データベース寄りのシステムのためリニューアルのスパンを広げられること、コンテンツとデザイン制作のシステムを分離することでリニューアルが容易なことなどから、導入から運用まで低コストで進められるRCMSが不況にも強いツールである点をアピールして、本セッションは終了しました。

第二部では、Web Site Expert編集長の馮がナビゲーターとなり、RCMSの開発背景や事例など、さらに踏み込んで迫りました。また、会場からの質疑応答も行われました。
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