ビジネスワークとソーシャルネットワークをテーマにした、株式会社手嶋屋の代表取締役社長である手嶋守氏のセッション「OpenPNEがあれば(Officeは要るけど)オフィスは要らない」の模様をお伝えします。
「OpenPNE」で将来の物理的なオフィスは親交、交流の場に
実家が段ボール工場だった手嶋氏は、2003年に実験サービスとして「PNE」を開始し、2005年に「OpenPNE」をオープンソース化しており、手嶋屋はそのサポート会社となっています。「OpenPNE」は、オリジナルのソーシャルネットワークを誰でも、どんな組織でも無料で自由に作成できるオープンソースソフトウェアです。
セッションは「人はなぜ、オフィスで働くのか?」「OpenPNE3を拡張して、どのようにビジネス用に進化させるのか?(手嶋屋で実験してみた)」「オフィスが不要になったとき、デスクワークを超えた新しいコラボレーションはどうなるのか?」の3つをテーマに進められました。
手嶋氏が「OpenPNE」を作った理由は、自身がもともと旅行好きで場所に縛られたくない、SFが好きで電脳やマトリックスを自分でデザインしたい、AOLやmixiSNSにデビューしたが、人が増えるにつれて居心地が悪くなったといったことから、自分で自分の居場所を作ろうと思ったのがきっかけといいます。また、日本の良さをソフトウェアに込めて世界に発信したいという思いもあったといいます。
「人はなぜ、オフィスで働くのか?」というテーマに対して、手嶋氏は歴史的な流れとコミュニケーション、コラボレーションが円滑になること、セキュリティ対策、設備、働く意思が得られるなどの理由を挙げ、その一方で通勤電車や単身赴任、オフィスに缶詰になることや託児所があることは果たして幸せなのか、最も優れた仲間たちと一緒に働けるのかといったデメリットもあるとしました。
そこで「OpenPNE」は「つなぐ」ことよりも「絆を深める」ことを意識して開発したといいます。「OpenPNE」は現在、約3万サイト作成されており、毎週100サイトがセットアップされています。少人数から多人数、ビジネスや生活、エンタメなど幅広く利用されていることが特徴です。最新の「OpenPNE3」では、プラットフォームに必須とされる機能をまとめ、それ以外の機能をプラグインとすることで軽量化し、外部認証や外部クラウドサービスとのAPIによる連携機能が追加されています。「Web Platform Installer」には「OpenPNE 2.14.8」が対応しており、3対応版も準備中といいます。
続いて、実際に「OpenPNE」を活用してリモートで仕事を行ったデモが紹介され、将来のオフィスは親交や交流の場となり、仕事をするためのオフィスは小さく地域に分散するとしました。こういったノマドワーキングやコーワーキングが一般的になり「旅人ワーカー」も出現すると予測しました。
最後に手嶋氏は、「OpenPNE」を会社に導入する場合は、@tejimaをフォローすること、社内のアカウントとシングルサインオンすること、全メンバーをOpenPNEに確実に入会させることなど5つのポイントを呈示し、セッションを締めくくりました。