SOHO支援サイトを手掛けるアイビー・ウィー株式会社の代表取締役である今駒哲子氏による「汎用CMS Geeklog」のセッションの模様をお伝えします。
WebMatrixから容易にインストール、利用開始できる「Geeklog」
アイビー・ウィーは1998年に開設したSOHO支援サイト「Ivy SOHO」から始まったといいます。2003年に株式会社アイビー・ウィーを設立し、同じく2003年6月にスタートしていた日本のユーザ会「Geeklog Japanese」の運営を2006年に引き継ぎました。「Geeklog」を含めたオープンソースソフトウェアの開発専門会社となっています。同年に渋谷セルリアンタワーに移転しました。このサービスオフィス運営会社のバーチャルオフィス/サービスオフィスは外資系の会社がよく活用しますが、Googleも日本進出の際にこのサービスを利用したそうです。
バーチャルオフィスと呼んでいるように、実際の開発は全国に点在している会社役員と「Geeklog」の外注スタッフによって行われているという、完全なテレワーク、ノマドワークの会社です。業務連絡はOpenPNEで顧客ごとにコミュニティを作成して進めており、実際の連絡にはSkypeも活用して24時間体制で業務が進行しています。
また同社では、オープンソースに関して十分なサイトがなく、国が関わって作成しているOSS紹介サイトは使い勝手がよくなかったり、WikiPediaは情報に間違いがあっても当事者は編集できないといったことから「OSS Japan」を設立し、サイトではOSSについての情報を調べられるほか、参加者が自由に情報を追加でき、さらに開発者と連携できるようにしています。
OSSを国産と海外産におおまかに分類すると、国産のOSSは日本語版のみの提供が中心で、その多くは日本のみで活用されています。一方で海外産OSSは多言語システムが標準となっており、世界中で活用や開発が進んでいます。OSSを活用することで小規模事業者でも高機能システムを構築でき、共同開発がシステム化されておりリソースも共有可能、テレワークも可能といったメリットがあります。その反面で、日本においてはカスタマイズ要求水準が高すぎる、フィードバックをともなう開発をしない、英語が苦手なためコミュニケーションをしない、企業が利用を隠すといった問題点もあると指摘しました。
「Geeklog」は、数多くある汎用CMSと呼ばれるOSSのひとつ。ここで今駒氏は、実際に「WebMatrix」で「Geeklog」をインストールする方法、記事の作成方法、静的ページの作成方法を紹介していきました。また、基本機能やプラグインを紹介し、さらに「WebMatrix」からサイトを再び新たに設置して複数管理する方法や、データベースを確認する方法も紹介しました。
最後に今駒氏は「Geeklog」の特徴として、動作が軽快であること、高機能であること、開発がしやすいこと、拡張性が高いこと、ブログ・記事機能がありSEO性能が高いこと、多言語システムであること、テーマシステムがあることを挙げ、さらに本家コア開発者と日本のコア開発者が良好な関係にあること、本家へのフィードバックがあること、ドキュメント管理システムでソースを管理していること、セキュリティへの姿勢を特に強調しました。デモサイトもあるため、ぜひ体験して欲しいとして今駒氏はセッションを締めくくりました。