第三者による、実在証明の必要性
基調講演に続くセッション1では『安全・安心の「見える化」によるコンバージョン向上法とは』として、セキュリティの側面から日本ベリサイン株式会社 SSL製品本部 ダイレクトマーケティング部マネージャーの大塚雅弘氏が講演を行いました。
「スパムメール、さらにフィッシングメール/サイトによるフィッシング詐欺など、『なりすまし』による被害が拡大しています。それでは今アクセスしているWebサイトが『正規サイト』であることを、どのように確認すれば良いのでしょうか」と冒頭で質問を投げかけた後は、「その一つの答えが日本ベリサインの提供するサービスになります」と語りました。
同社の『EV SSL証明書』は厳格な認証を経て発行される電子証明書で、Webサイト運営企業の実在を証明します。IEをはじめ比較的新しい主なブラウザでEV SSL証明書導入サイトにアクセスすると、ブラウザのアドレスバーに自動的に『運営企業名』が表示され、背景色が『緑色』に切り替わるので、ユーザは確認作業をすることなく、『確かに認証されたWebサイトである』ということが、視覚的に分かるようになります。
「最近では、『なりすまし』の対象は、金融機関だけではなく、オンラインゲームなどのパスワードを奪う例もあります。ゲーム内で使用されるコインやアイテムなどが狙われ、大人だけでなく子供や学生たちも巻き込まれる可能性があるわけです。このように、さまざまな形で増え続ける『なりすまし』被害を防ぐなど、インターネット利用時の安全性を高めるために設立された、アメリカの業界団体で設定されたガイドラインに基づいて出来上がったソリューションが『EV SSL証明書』なのです」と加えました。
インターネットは、利便性が高い一方でリスクも多いメディアであることを念頭に置いて運用・利用することが重要です。しかし、インターネットがユーザの生活に溶け込み、さまざまなサービスがネット化されている現在では、このようなリスクがあるからといってインターネットの利用を止めることは困難です。数多くのユーザが、Web利用時の安全性を可視化できるサービスを求めており、それに応える安心材料のひとつが『EV SSL証明書』です。
「弊社が実施したお客様へのアンケート結果を見ても、一旦『なりすまし』されてしまった企業やサイトに対する評価は、『次からは利用しない』と回答される方が、60%を越えるなど、非常に厳しいものとなっています。残念ながら『なりすまし』は、いつ、だれが、どこで、どうやって行うかわかりません。従って、これを直接的に防止する方法はないのが現状です。しかし、『EV SSL証明書』を導入することで、『正規サイト』であることの表明が可能になるため、お客様には『安心感』を伝える、と同時に、『なりすまし』サイトを作ろうとする悪意の第三者に対しては、『なりすましサイトを作っても効果が低い』ことを伝えることができます」
「また、同じアンケート結果では、『EV SSL証明書』の導入企業に対する印象は、『セキュリティ意識が高い』『信頼できる』「利用者を大切にしている」という結果が出ています。そしてこのように、お客様に安心感を与える『EV SSL証明書』は、実際のビジネスにおける『コンバージョン率の向上』などにも寄与しています」
「『コンバージョン率向上』の成功事例としては、『オイシックス様』のサイトに導入して頂いた結果、新規購入率が16%向上しました。『ライオン様』では、購入完了率が10%アップして売上げ向上に結びつきました。『ライブドア様』では、サイト離脱率が15.6%ダウンしました。これらのことから、安全性をユーザに伝えることは、セキュリティの向上だけでなく、売上げ向上など、実際のビジネスにも効果的に繋がっていくことがわかります」
大塚氏は「最後になりますが、当社の名前を知らなくても、さまざまなWebサイトで、一日で数億回も表示される『ベリサイン』のマークを知っておられる方は多いと思います。当社がどのようなことに取り組んでいるのか、是非一度私たちのHPをクリックして下さい。フィッシングサイトを見分けるコンテンツなども充実させて、お待ちしております」と締めくくりました。