Webサイトに関連するマーケットの健全な発展を促し、人々の生活を豊かにすることを目的とした任意団体「WebSig24/7」が主催したイベント「WebSig1日学校2011」が、9月10日に開催されました。
会場となったのは、昨年(http://gihyo.jp/design/serial/01/websig)に引き続き、デジタルハリウッド大学八王子制作スタジオ。ここは、旧三本松小学校跡地をデジタルハリウッドが制作スタジオにした、まさに1日学校にふさわしい会場です。
テーマは「考えぬく」
WebSig1日学校は「未来」をテーマに、近視眼的なTipsを追うことやHow Toではなく、本質的な視点で考える、オトナのための1日学校です。プログラムにも算数や国語、社会など、会場以外のイベント設計にも「学校」というメタファが活かされているのが特徴です。
昨年は「未来を考える」がテーマでしたが、今年は、それを踏襲し、さらに突き詰める形で「考えぬく」がテーマとなりました。これは、社会全体の構造が厳しくなる中、Webに関わる人たちが何を考えるべきなのか、また、不幸にも起きてしまった3.11―東日本大震災のあと、私たちは何を考え行動するのかを、みんなで共有することを目的に設定されたものです。
今年は5クラス、全17授業を用意
昨年は3クラス、9授業だったのが、今年は5クラス、全17授業が用意されました。
クラスについては、エンジニアクラスをサーバサイド/フロントエンドに分け、さらにマネジメントクラスを、ディレクター+プロデューサーとWeb担当者という分け方に変えています。
これは、制作者の中で最も多いと言われているコーダー/マークアップエンジニア向けの授業と、発注側となるWeb担当者に向けたクラスを明確にするために設定されました。
これに伴い、参加者数も昨年よりも増え、合計で150名を超える生徒が集まりました。
算数でスキルアップ、国語でキャリアパス、選択授業で拡張を
授業については、算数/国語/選択授業/社会/課外授業の5種類が用意されました。このうち、算数/国語/選択授業は5つのクラスごとに、社会と課外授業は全員参加で行われています。
算数では各職域におけるスキルアップを、国語ではその先にあるキャリアパスを考えることをテーマとした授業が行われました。
3時間目の選択授業では、自分の職域以外の授業を受けることで、隣接する職種の目線を考えるための授業が行われました。
4時間目の社会では、再度場所を体育館に移して、全員参加の授業が行われました。ここでは、昨年に引き続いて、株式会社パンアジア・パートナーズ 荒井尚英氏が、日本という国・社会での考え方、働き方に関して地震の経験と考察を交えた授業を展開しました。厳しい状況が続く中で、何を強みとして働き生きていくか、熱い内容でした。
学校っぽく、ランチは給食で
今回のランチは、学校のイメージを踏襲して給食スタイルのものが用意されました。カレーの配膳、コッペパンなど30代ぐらいの参加者には懐かしいものだったんじゃないでしょうか。配膳後、参加者は思い思いの場所で昼食を取りました。
課外授業でワールドカフェを体験
5時間目は全員参加のワールドカフェ風課外授業です。なぜ“風”が付いているのかというと、従来のワールドカフェに比べて時間が少ないこともあり、「みんなで参加すること」「意見を述べること」という、ワールドカフェで大事な要素を盛り込んだ形の授業だからです。
ここでは、1日学校実行委員長の和田嘉弘氏が、
-(Webの)仕事を通して社会に提供している価値とはどんな事でしょうか
というテーマを設定し、2ラウンドのフリートークが行われました。
最後に、
- あなたが仕事を通して社会に提供したいことを実現するために、明日から取り組める小さな一歩は?
というテーマに対して、それぞれが付箋に答えを記入し、壁に張り出す形でみんなで共有して授業が終わりました。
来年に向けて
閉校では、各クラスを担当した先生方からのコメント、そして、和田氏から〆の挨拶が行われ、1日学校が閉校しました。
閉校の後、放課後は大人の学校ということで、アルコールと軽食を片手にした懇親会が開催され、途中プレゼント大会が行われるなど、1日学校の最後が締めくくられました。
こうして2年連続して開校した「WebSig1日学校」。Webという動きの早い業界の中で、何を考え、どうやって働き、どのようにキャリアを作っていくか。そのヒントを掴める場になったのではないでしょうか。また来年の開校に期待しましょう。
なお、各クラスの詳細については、gihyo.jpでの続報および11月発売の『Web Site Expert #39』にて紹介します。そちらも併せてご覧ください。