WordCamp Yokohama 2010開催!

第1回最新3.0動向、ソーシャル観点から見たWordPress

第1回目は、AutomatticでHappiness EngineerとしてWordPressの普及・促進・啓蒙に励むマクラケン直子氏のオープニングセッションを中心にレポートします。

会場となった東京都市大学横浜キャンパス。
会場となった東京都市大学横浜キャンパス。
メインホールの司会を務めたmegane9988氏。
メインホールの司会を務めたmegane9988氏。

WordPressの現況~事例とバージョン 3.0 紹介~
マクラケン直子氏(Automattic, Happiness Engineer)

オープニングセッションを務めたのは、AutomatticでHappiness Engineerとして活躍するマクラケン直子氏。これまでの日本でのWordCampでも中心となってイベントを盛り上げてきました。今回は「WordPressの現況」というテーマで、最新の導入事例とリリースに向けて開発が進んでいる最新版3.0について紹介しました。

マクラケン直子氏は、WordPressの普及に向けてイベントでの講演の他、各種雑誌や書籍での執筆も行っている。先月末に発売されたWeb Site Expert #30』でもWordPress特集の執筆を行った。
マクラケン直子氏は、WordPressの普及に向けてイベントでの講演の他、各種雑誌や書籍での執筆も行っている。先月末に発売された『Web Site Expert #30』でもWordPress特集の執筆を行った。

まず、現況として日本のレンタルサーバですでに20種類のサービスからWordPressが使えるようになったことを説明した後に、世界規模では920万ダウンロードされていることを紹介した。さらに、InfoWorldの記事からの引用として「現在、世界に存在するWebサイトの8.5%がWordPressを利用しています」と、WordPressが世界標準ツールの1つとして利用されていることについて数値とともに紹介しました。

さらに、日本での導入実績について、暮らしの手帖をはじめ、メディアやコーポレートサイトなど年々導入が進んでいることについても言及しました。

その後、WordPress Yokohama開催直前にRC1がリリースされた3.0の機能紹介へと移りました。

「おそらく6月中にはリリースされます」というコメントともに、3.0の目玉である「WordPress MUの統合」⁠新デフォルトテーマTwenty Ten」などの紹介を、実際にデモを交えながら解説しました。

この他、3.0では「カスタム背景」「カスタムメニュー」など、より柔軟なカスタマイズが行えるようになるのも特徴で、⁠3.0はまもなく出ますので、今回参加している皆さんもぜひ触って、使いながら覚えてください」とコメントし、講演を終えました。

カスタム背景を使うと、ユーザ自身が背景を自由に変えられる。
カスタム背景を使うと、ユーザ自身が背景を自由に変えられる。

ソーシャルメディアのネットワーク
上野直樹氏(東京都市大学環境情報学部)

続いて、今回共催の形で協力した東京都市大学から、環境情報学部の教授としてソーシャルネットワークの研究に取り組む上野直樹氏から「ソーシャルメディアのネットワーク」と題した講演が行われました。

WordCampと共催で行われた東京都市大学ソーシャルメディアプロジェクト(旧現代GP)にも取り組んでいる上野教授。
WordCampと共催で行われた東京都市大学ソーシャルメディアプロジェクト(旧現代GP)にも取り組んでいる上野教授。

上野教授は現在、東京都市大学ソーシャルメディアプロジェクト(旧現代GP)に取り組んでいます。これは、地域におけるさまざまなコミュニティ、活動の相互アクセスを容易にするための社会的アーキテクチャとしてのWeb 2.0システムの開発・構築を行うものです。

現在取り組んでいるプロジェクトの1つ、⁠iPhoneのためのtwitterと地図システムの連携システムの開発⁠⁠。
現在取り組んでいるプロジェクトの1つ、「iPhoneのためのtwitterと地図システムの連携システムの開発」。

この取り組みの観点から、⁠Webの生態系」という概念について説明を行いました。これは、最近のWebの在り方について「技術の進歩により、さまざまなサイトで同時発信することが普通になり、また、複数のサイトが多様な形で相互に関連しています。さらに、それらが可視的になってきているのが、現在のWebの特徴です。これはいわば⁠Webは生態系をなしている⁠と言えるでしょう」という自身の考え方を表したものになります。さらに、Twitterが登場したことにより「何らかのコンテンツ情報や個人情報、イベント状のへのアクセスの端緒が、今、Twitterがメインになりつつあります。しかし、Twitter単体では成立しないと言う見方もできます」と述べた上で、先ほどのWebの生態系が再編されている状況を説明しました。

また、ソーシャルメディアから見たWordPressに関する言及も行い、⁠WordPressはさまざまなサイトを結びつけるアーキテクチャを持っているのが特徴であり、また、同時にWordPressで表現されている記事自体が社会的オブジェクト(人々をつなぐための媒体)になります。こうしてみると、WordPressを学習すること、WordPressを用いることは、他のソーシャルメディアを学習し、用いることにも繋がるのです。今回のWordCampではソーシャルメディアとしてのWordPressの意味を再確認したいです」と述べ、講演を締めました。

スマートフォンからのWordPress活用生活
tunakko氏(女性スマートフォンユーザーの会「Women's Smartphone Network」代表兼 Android 女子部部員)

続いては、上野教授からの講演からがらっと雰囲気が変わり、tunakko氏による「スマートフォンからのWordPress活用生活」と題したプレゼンテーションが行われました。

この講演では、とくにAndroid端末(Xperia)からのWordPressの活用について紹介されました。具体的なアプリケーションとして、WPTouchとWordPress for Androidが紹介され、コメントや投稿、ページアクションに関しての使い方、また、その使い勝手について自身の体験をもとに紹介されました。

WordPress for Android。⁠バージョンが上がるたびに機能が増えるのが嬉しいところです」とコメント。なお、今回のプレゼンテーションは、発表前日に発売されたばかりのiPadを利用しており、会場からどよめきが上がっていた。
WordPress for Android。「バージョンが上がるたびに機能が増えるのが嬉しいところです」とコメント。なお、今回のプレゼンテーションは、発表前日に発売されたばかりのiPadを利用しており、会場からどよめきが上がっていた。

現時点の感想としては、良いところは

  • こまめなバージョンアップ
  • (PC版と比べて)だいたいのことができる
  • 操作が手軽でわかりやすい

とし、いまいちなところとして、

  • タグが手打ち

という点を挙げていました。

また、自身がはてなからWordPressへ移行した理由として、⁠好き勝手にいじりたかった」⁠身近に詳しい人カイ士伝氏がいた」といった理由を述べました。

最後に「楽しい」という、WordPressが持つ魅力を、自身の感じ方をうまく表現する言葉でとりまとめました。

WordCampの内容は、Ustream.tvでの中継も行われていました。写真はメインホールの中継を担当したソラノートのそらの氏。
WordCampの内容は、Ustream.tvでの中継も行われていました。写真はメインホールの中継を担当したソラノートのそらの氏。

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