とのことです。
SHIBATA Hiroshiさん「言語開発の現場」
Rubyコミッターである柴田( @hsbt )さんによる、言語開発の現場についてのトークでした。Rubyを一言で言えば、「 Perlのような手軽さで、『 楽しく』オブジェクト指向しようとする言語」という紹介から始まりました。
気になるRubyの開発現場ですが、人という面から見ると、Matzさん含むフルタイムで働いているTeam Herokuと87名で構成されています。現在Matzさんはプロダクトマネージャーのような役割を担っているとのことです。Rubyコミッターはそれぞれの得意な部分、好きな部分で活躍しているものの、全てのコードにコミット可能であり、「 直すなら、最後まで責任を持ってやり遂げる」ということが共通認識となっています。
また、数々のスポンサー企業によって、開発リソースが提供されていることや、良いFeature Requestの書き方、そしてリリースがどのように管理されているか等、様々な裏話を交えつつ触れられました。
セッション中で強調されていたのは、OSSであるRubyの開発現場で重要視されていることは、会社等での開発で重要視されていることとあまり変わらないということした。雲の上の存在と考えるのではなく、もっと気軽にRubyに関わっていただけると嬉しいとのことです。
鶉さん「PHP帝国の逆襲!(を願うPHPerが話す最近のPHPについてのクイックツアー PHP7対応版)」
まずはPHPがどんな言語なのかの解説からトークが始まりました。PHPは「JavaとPerlとHTML/JavaScriptを混ぜたようなゆるふわ言語」であること、PHPでプログラムを書くうえで自制心が大事であると述べていました。
次に次期バージョンであるPHP7が取り上げられ、昨夜RC1がリリースされていることが紹介されました。メモリ上の構造を変更した結果、現行のバージョンに比べて倍近く速くなった代わりにC拡張の互換性が低く、使えなくなったモジュールも多いようです。また、他にも非互換的な変更として非推奨の関数が切り捨てられたことなどが挙げられました。
言語仕様としても新機能がいくつも盛り込まれており、関数の引数や返値に型が指定できるようになったことやエラーハンドリングの強化、演算子の追加、予約語の追加などが紹介されました。また、PHPは設計の美しさよりも実用性を重視することやPHPは進化を続けていることを述べ、最後は会場全体の盛大なPHPコールでトークを終えました。
Akira Sakamotoさん「perlワンライナー入門」
Perlのワンライナーに関して、ハンズオンを含んだセッションでした。Sakamotoさんは、Perlでワンライナーを書く利点としてテキストデータに強いこと、書き捨てのプログラムを書きやすいこと、正規表現が強力なこと、特殊変数が充実していて簡潔に記述できることなどを挙げていました。そのため、学習曲線がなだらかで覚えやすく、学習コストはすぐ黒字化すると述べてました。
中盤からは、GitHubリポジトリで試すことができるサンプルを用意してのハンズオンでした。Perlの様々なオプションを利用したり、痒いところに手が届くようなCPANモジュールを利用することでHTMLのパースなど様々な利用例を紹介していました。
skozawaさん「はてなブックマークのトピックページの裏側」
はてなのShunsuke KOZAWA(@skozawa)さんは、はてなブックマークのトピックページ の裏側のシステム実装について解説しました。
トピック生成の第1段階では、ElasticsearchのSignificant Terms Aggregationという機能を使って重要語抽出を行い、そのキーワードに関連性が強い記事を、同じくElasticsearchの機能を利用して取得します。こうして取得した記事の集合を「トピック」とします。第2段階では、重要語抽出を利用して代表的なタイトルを持つ記事を抽出し、そのタイトルに対して文圧縮を施すことで、トピックのタイトルを生成します。
質疑では「トピックページ生成において重い処理はどれか?」「 トピック生成の頻度」「 トピックタイトルの妥当性の判断」などの質問が挙げられました。なんと、過去開催された全てのYAPC::Asia Tokyoのトピックページも既にあります。YAPC::Asia Tokyo 2015のトピックページもお楽しみに、とのことでした。
tagomorisさん「我々にできるOSSとそのコミュニティの育てかた」
我々にできるOSSとそのコミュニティの育てかたというタイトルでtagomorisさんが発表されました。自身のfluentd、Norikura、MessagePack-Ruby、その他CPANモジュールのOSSの開発を通じて得た知見を紹介しました。
セッションでは、OSSの公開理由による外部からのコントリビュータに対する態度の違い、オープンなチーム、コントリビューションの手順の明確性、会社からの支援等などが重要な点として、コミュニティに対して求められていること、また記述されている言語やJVMなどの動作環境によって開発者が限られてしまう場合があり使用言語は割と重要事項であること、そして外部から参加される人はVersioningの値を評価の重要な基準にしていること、などを挙げました。
他に、実際にコミュニティを作る場合には、コントリビューションに対してオープンであること、メンテナンスが継続されていること、議論を英語ですること、issueやpull reqに対してきちんと応答することを挙げました。質疑応答も、自身のMessagePack-RubyやDockerなどの例を持ち出してわかりやすく楽しく回答され、熱い内容でした。
yuukiさん「技術ブログを書くことについて語るときに僕の語ること」
はてなの@y_uuk1さんによる、技術ブログに関するセッションでした。技術ブログを書く際の一つのモチベーションとなっている、はてなブックマークを獲得するための技術に関して話しました。
まず、はてなブックマークを獲得する技術の9割を占める要素として、タイトルの重要性を述べていました。タイトルには多くの人が興味を持つような語句を入れる、タイトルを見て内容が想像が出来るようにする、より一般的な語句を入れる、印象的な語句を先頭に持ってくる、具体的な数字を入れる、記事の投稿タイミングは平日の朝が無難であること等、はてなブックマークを上げる具体的な手法を挙げていました。
タイトル以外の残りの1割の要素としては、記事に自分自身の考え方を入れる、すぐに情報を公開するのではなく寝かせて自分の理解を上げて精錬させていくこと、作文・構成技術の重要性、時間をかけて一つの記事の品質を上げていくことに関して述べていました。
また、技術ブログを書くことによって自分のキャリアを見直すきっかけになり、さらには自分の強み、能力をどう公開するかを考える事で技術ブログを書くモチベーションを上げれると述べていました。
前夜祭のレポートは以上になります。