HITACHI Open Middleware World 2007 Autumnレポート

⁠株⁠日立製作所は11月19日、東京ミッドタウンホールにて「企業改革を支える『変化に強いシステム基盤』の条件とは」というテーマのもと、⁠HITACHI Open Middleware World 2007 Autumn」を開催した。

冒頭、日立製作所ソフトウェア事業部の事業部長、中村孝男氏のあいさつでは、今回のテーマ「企業改革を支える『変化に強いシステム基盤』の条件とは」について、絶えず変化し多様化が加速しているビジネス環境や企業を取り巻く現況に対応するために、ITによるソリューションにいま必要とされる条件として「変化に強い」というキーワードが掲げられている旨が紹介された。

そして、セコム⁠株⁠取締役会長の木村昌平氏による基調講演では、⁠企業革新とIT戦略 ~企業を強くするためにいかにITを使うべきか~」というタイトルで、セコム社のITによる事業革新を中心に、事業領域の変化、ユビキタス時代への対応、21世紀型産業の構築について、紹介された。

セコム社成長の原動力というトピックのなかで、同社の一つの転機であったとされる、巡回警備からの撤退ならびに専用回線からの撤退という本業撤退、経営資源の放棄は同社の理念の一つ「捨てる勇気」で、その後のIT活用をした遠隔集中監視システムなどのオンラインのセキュリティサービスシステムの実現、オンラインビジネスモデルの躍進につながったとされる話が取り上げられた。また、オンラインのセキュリティサービスシステムのうち、モバイルセキュリティシステム開発におけるシステム構築には日立製作所の全面協力があったと紹介された。

写真1 セコム⁠株⁠取締役会長の木村昌平氏による基調講演
写真1 セコム(株)取締役会長の木村 昌平氏による基調講演

そして、基調講演に続いて行われたトラックは、⁠SOA&構築ノウハウ」⁠ITガバナンス」⁠運用管理&JP1活用ノウハウ」⁠JP1テクニカルワークショップ」という4つのセッションテーマで、行われた。

日立製作所ソフトウェア事業部 新分野事業推進室の室長、大場みち子氏のセッションでは「全体最適を目指すSOAの実践的アプローチ」と題して、段階的システム最適化のためのパターン、課題と実現の考え方やシステム適用例が紹介された。加えて、同社の統合システム構築基盤「Cosminexus」のコンセプトと、同製品のデモとしてビジネスプロセスの自動化とワンストップサービスの2つのパターン適用例が取り上げられた。また、実施中のSOA体験セミナーや、体験版と構築手順書のお試しセットなどを含む、SOAスタートダッシュキャンペーンも紹介された。これはシステム全体への適用は敷居の高かったSOA実践を比較的気軽に試すことが可能になる、ような気になるキャンペーンの一つであった。

イベントの同会場では、製品デモやソリューション紹介のブースも設けられ、同社の技術者や営業担当と直接話ができるようになってた。主力の「Cosminexus」や統合システム運用管理ソリューション「JP1」のブースでは、複数のデモ機が設置され、多くの来場者が足を止めていて活溌な質問やコメントが見られた。

写真2 統合システム構築基盤「Cosminexus」他のブース
写真2 統合システム構築基盤「Cosminexus」他のブース
写真3 統合システム運用管理ソリューション「JP1」のブースの一つ
写真3 統合システム運用管理ソリューション「JP1」のブースの一つ

満席の基調講演で幕を上げた今回のイベントは、イベント参加者にとって、日立製作所のSIerとしての豊富な実績に基づいた、多様なソリューション、基盤となる同社のミドルウェア製品にふんだんに接することができた貴重な機会となっていたのではないだろうか。

日立製作所
URLhttp://www.hitachi.co.jp
HITACHI Open Middleware World
URLhttp://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/omw

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