初日の基調講演は、ソフトウェア開発における工数や見積もりの定量化研究の先駆者として知られるCapers Jones氏によって行われた。「Software Quality in 2008」と題されたこの講演で、Jones氏は会場を埋め尽くした参加者を前に、これまで集めたソフトウェア開発に関わる膨大なデータを元に、ソフトウェアの品質を良好に保つための方法について語った。
まず、ソフトウェアの品質を定量化するための基本となる単位としてFP(Funtion Point)を用いる。このFPは従来工数の基本となっていたLOC(Lines of code=行数)に比べ、客観的な比較が可能となる。実際にFPを計算するには、ソフトウェアごとにさまざまな角度からの検証が必要で、導き出すのに手間がかかるが、簡易的な計算法も確立されている。このFPをベースとして、ソフトウェア工程を「要求」「設計」「コーディング」「ドキュメンテーション」「不具合修正」に分け、それぞれ工程におけるFPあたりの不具合の検知数と不具合の修正率を計算した結果を、米国の平均、良品質のソフトウェア、品質の悪いソフトウェアで比べたデータを示した。