祝「WACATE 2008 冬」開催と編集部からのお詫び
以前、レポートをお届けした若手テストエンジニアを主体としたワークショップ「WACATE」ですが、この冬、第3回目となる「WACATE 2008 冬」が、第1回目同様、東京、上野にある「水月ホテル鴎外荘」にて開催されます[主催:ソフトウェアテストワークショップ実行委員会(WACATE実行委員会);実行委員長 池田暁氏]。
開催期間は2008年12月20~21日の2日間です。その開催に向けて前回(WACATE 2008 夏)のレポートを、と編集部でもプランを温めておりました。温めて… 肌寒くなって… 参加者の募集期間が終わってしまいました(関係者の皆さま、本当に申し訳ありません。深くお詫び申し上げます)。
「WACATE 2008 夏」課題漬けの2日間
さて、鈍感力をフル動因して、第2回目となった「WACATE 2008 夏」の様子をお届けしたいと思います。夏ということもあって、今回は東京あきる野市の秋川沿いの観光旅館「山渓」にて開催されました(参加者28名)。このあたりは東京近郊のキャンプ地として人気の高いエリアであり、ワークショップ期間中(2008年 6月14~15日。初日の朝に宮城岩手内陸地震が発生)は好天に恵まれたこともあって、河原は家族連れなどで大変賑わっておりました。
ワークショップの内容は、第1回目が複数の課題をこなしていく形式でしたが、今回は「チームで取り組むテスト設計演習」と題して、テスト設計を2日間にわたって掘り下げていくものでした。参加者は、2日間の講師を務める池田暁氏によってあらかじめ決められた5つの即席チームに分かれて課題に取り組みます。お題として出された架空の簡易携帯型シリコンオーディオ「tPod nano」の仕様書をもとに、テスト設計とその前後の作業をこなさねばなりません。課題は次の5つのステップで構成され、各ステップごとにお客に見立てた池田氏に達成状況を報告し、十分であると判断されるまで次のステップに進めないという段取りで進められます。そして、それらは2日目の発表セッションで、チームとしてどういう設計を行ったか、成果物一つ一つに対して、どういう意図でそれらを作ったかを明らかにしながら発表することが求められます。
- ステップ1:テストチームビルディング
- ステップ2:仕様分析
- ステップ3:テスト計画(戦略)
- ステップ4:テスト設計
- ステップ5:テスト実装
マネージャの視点を養う実践的な内容であり、単純な正解は用意されていません。普段あまり経験していない作業かつ即席のチームということもあり、ステップ1から“長考”に陥ってしまうチームが続出しました。演習は13時半からの開始で、18時45分には終了です。どのチームも時間に追われて焦りが見えます。そうして開始から2時間ほどたったころ、池田氏がおもむろにこう言いだします。
「日々の仕事にはなにかと予想しない割り込み作業が発生するわけで…」
その一言から、電気通信大学の西康晴氏による割り込みセッション「テストコンサルタントを目指してみよう」が開始されました。各チームとも焦りは頂点に達しますが、今後のキャリアパスに興味のある参加者達は皆熱心に聞き入っていました。
さて、この割り込みセッションを経て課題に取り組んだものの、結局午後17時の時点で全チームがステップ2まで、18時45分(1日目の終了時間)の演習終了時点でもステップ2~ステップ4までと、全チームが課題を終えることなく夕食のバーベキューに突入しました。しかし、2日目には発表のための準備時間しか用意されていないこともあり、全チームがバーベキュー後に“残業”と称して、深夜まで課題に取り組んでいたようです。各チームとも残業が気にならないほど非常に高いモチベーションで取り組み「楽しい!」と感じていたようですが、同時にタイムマネジメントの難しさも痛感したようです。
2日目は、モーニングセッションでWACATE実行委員会の森孝夫さんが1日目の振り返りを行い、いよいよ各チームが成果の発表を行います。審査員は秋山浩一さん(富士ゼロックス)、吉澤智美さん(NECエレクトロニクス)、鈴木三紀夫さん(TIS)、森孝夫さんが勤め、発表のつど内容に関してコメントをしていきます。
昼食を挟み、秋山氏による「ソフトウェアテストがおもしろい理由」と題した講義が行われました。秋山氏によると、その秘訣は「何であれ自分に話が来たものは断らず、積極的にチャレンジしていくこと」であり、おかげで日々ワクワクしながら仕事ができているとのことでした。
続くクロージングでは、全体的なチームのまとまりと資料(成果物)のまとまりのよさが評価された1班が最優秀チームとして表彰され、その副賞には弊社書籍などを提供させていただきました。
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このレポートが公開されている頃にはすでに募集が締め切られ、開催自体が来週末に迫っている「WACATE 2008 冬」ですが、そのプログラムなどは公式サイトで確認することができます。
本レポートをご覧になり、WACATEに興味を持たれた方、2009年夏の開催を期待して待ちましょう! WACATEの公式サイトには、実行委員によるブログやお問い合わせ用のメールアドレスなども掲載されていますので、待ちきれない方は積極的にアプローチしてみるのもよいかもしれません。
- WACATE公式サイト
- URL:http://wacate.jp/