12月18日、丸ビルコンファレンススクエアにて、(株)はてな主催の新サービス「うごメモはてな」「うごメモシアター」の発表会が行われた。「うごメモはてな」はブラウザから利用するサービスで、「うごメモシアター」はニンテンドーDSiから利用するサービス。
まず最初に、はてなの代表取締役 近藤淳也氏から、はてなの会社紹介が簡単に行われた。その後、新サービスが新しいパートナーと連携したものであることを示し、そのパートナー企業が「京都発、世界へ」を実現している会社、任天堂であることが紹介された。
新サービスの概要
そして、近藤氏から、新しいサービス「うごメモはてな」「うごメモシアター」の概要が次のように紹介された。
- 「うごメモはてな」……ニンテンドーDSiウェア「うごくメモ帳」(任天堂制作)で描かれた作品をパソコンや携帯電話からアクセスから楽しめるサービス。
- 「うごメモシアター」……ニンテンドーDSi上の「うごくメモ帳」から、インターネットに接続し、作品を見たり投稿できるサービス。「うごメモシアター」は「うごくメモ帳」内の一つのコーナー。
そして、「うごメモはてな」「うごメモシアター」と「うごくメモ帳」の関係を図に表した場合、次のようになっていることが示された。
「うごくメモ帳」
「うごメモはてな」「うごメモシアター」の詳細な説明の前に、ニンテンドーDSiソフト「うごくメモ帳」の紹介が、本ソフトのプロデューサー、任天堂(株)情報開発本部東京制作部ゲームプロデューサー 小泉歓晃氏から行われた。
小泉氏は最初に、ニンテンドーDSiウェア「うごくメモ帳」がその名前の通り、メモを描くためのソフトであることを簡単に示した。その後、ニンテンドーDSiにはカメラがあり、音楽再生機能やSDカードが使用可能で、本体メモリーには「ニンテンドーDSiウェア」を保存できることを説明した。
この「ニンテンドーDSiウェア」は、ニンテンドーDSiの「DSiショップ」というプログラムからインターネットにWiFi接続して、任天堂の配信サービス「DSiショップ」から購入することで利用できるようになる。
通常、ニンテンドーDSiポイントを利用して「ニンテンドーDSiウェア」を購入するが、今回発表する「うごくメモ帳」はDSiショップから無料でダウンロードできることを紹介した(12月24日にダウンロードが可能になる)。
このあと、まずは「うごくメモ帳」がどのようなソフトであるかを理解してほしい、と伝え、プロモーションビデオを流して紹介した。
そして、「うごくメモ帳」には次の特徴があることを示した。
- 簡単に手書きメモが、簡単に書けて残せる
- さらに、このメモをカレンダーに張ることもできたり、未来の日付に張ることでリマインダー機能として利用できる。なお、データはSDカードに保存される。
- 「しゃべるパラパラまんが」が簡単に作れる
- マイクで音声を入れたり、手書きとカメラを組み合わせて、手軽にパラパラまんがを作ることができる。
「うごくメモ帳」で作成できる動画を、うごくメモ、略して「うごメモ」と呼んでいることを示し、パラパラまんがの表現を超えた、新しい表現手段として利用してほしいと呼びかけた。
このような作品を見ているうちに、個人で楽しむだけではなく、たくさんの人が集まってメモを見たり、競う合うような場がほしいと思うようになってきたとコメントした。
その気持ちを、同じ京都で活躍している、はてなに相談した結果、賛同してもらい、共同して「うごメモシアター」という広場を作ることになったと言及した。
「うごメモシアター」
そして、はてなの近藤氏から、ニンテンドーDSi上で動作する「うごメモシアター」の詳細な説明が行われた。「うごメモシアター」の機能は次のとおり。
- 作品を投稿する
- 自分で書いた作品をインターネット経由で、はてなサーバへ投稿する。
- みんなの作品を見る
- みんなが投稿された作品を無料で無制限に見ることができる。
- 作品を保存し、書き加える
- シアターに投稿された作品を保存し、新しい内容を書き加えることが可能(ロックされた作品には書き加えられない)になり、見知らぬ人とコラボレーションができる。
- 作品に☆をつけることができる
- はてなでお馴染みのはてなスター(☆)機能を搭載することで、お気に入りの作品に☆がつけられるようになった。☆は、はてなユーザーでなくても、DSiのみで☆つけられる。
- ☆をつけた作品を見る
- みんなの作品の中から、☆をつけた作品のみを見ることができる。また、作品の中から、お気に入り作品をストックできるようになる。
- おすすめ作品だけを表示する
- たくさん人が☆をつけた、おすすめ作品だけを表示できる機能を搭載。
- 「お知らせ」機能
- 新機能のお知らせ、メンテナンス、個別の連絡をできる、お知らせ機能を搭載。
説明後、「うごくメモシアター」のデモが行われた。
このデモは、小泉氏が「うごくメモ帳」を使って簡単なしゃべるパラパラまんがを実際に描き、それを近藤氏が「うごくメモシアター」を使って、インターネットに接続して、小泉氏が描いたものをはてなサーバーへ投稿してみせた。その際、「うごメモシアター」を使ってみんなの作品を見る方法、☆をつける方法、☆をつけた作品を見る等も紹介した。
以上で、ニンテンドーDSi上で利用できる「うごくメモ帳」「うごくメモシアター」の話を終えた。
「うごメモはてな」
続いて、「うごくメモ帳」で描かれた作品をパソコンや携帯電話から楽しめることができるWebサービス「うごメモはてな」の詳細な説明が行われた。
まず始めに、「うごメモはてな」は次のURLで提供することが示された。
なお、「うごメモはてな」の正式公開は12月24日だが、この発表会後にはプレオープンをして、すぐにアクセスできる状態になることを示した。
そのあと、「うごメモはてな」ではどのようなことができるのか、実際に実演してみせた。
実演後、「うごメモはてな」でできることを次のように示した。
- 人気作品、新着作品を見る
- 一覧性の高い画面、マウスオーバーのみで簡易再生できるのが特徴。
- コメントをつける、☆をつける
- はてなユーザーになってログインすると、作品にコメントの投稿ができ、☆がつけられる。
- 派生作品を見る
- 親作品(アップロードされた作品)、子作品(親作品を元にさらに描いてアップロードされた作品)を一覧で見ることができ、これらの派生作品を、順番にたどって見ることができる。
- 作者ごとに作品を見る
- ユーザー名にはニンテンドーDSi本体の名前を利用することができる。また、最初に投稿された作品が自動的に、そのプロフィール画像になる(はてなユーザーになれば、プロフィール画像を作品の中から選んで変更できる)。
- チャンネルで作品を分類(正式版より)
- はてな市民(主要サービスを30日間以上利用)になればチャンネルの作成、編集が可能になる。たとえば猫のチャンネルというものを作り、猫の作品をまとめる(チャンネルを作る)ことができる。アイコンとチャンネル名を指定してチャンネルを作成することになり、作品をチャンネルに関連付けられる。このチャンネルは、ユーザー間でチャンネルを共有される。
- 連続再生
- 作者、チャンネルごとに連続再生できる。
- ブログへの貼りつけ
- 作品ごとのプレイヤーをブログへ貼りつけられる。また、チャンネルや作者ごとのブログパーツも提供。
- ウェブからの通報
- はてなユーザーは不適切な作品を通報することができる。ニンテンドーDSi上の「うごメモシアター」では、投稿後一定時間(現在のところ30分程度、運用しながら調整予定)が経過し、「うごメモはてな」上で1件も通報のない作品のみが閲覧可能になる。
- パソコン以外の閲覧
- パソコン版とほぼ同等な機能のモバイル対応、DSi・Wiiブラウザからも閲覧可能。
なお、「うごメモはてな」上で閲覧できる作品そのものを、ダウンロードする機能を提供することは、現在のところ考えていないことが語られた。
プレオープンサイトでは、任天堂・はてな社内などからサンプル作品が投稿されること、うごメモはてな開発秘話が順次公開されることについて言及した。また、今回のサービスリリースに伴い、DSiプレゼントキャンペーンを実施することを告知した。
はてなのインターフェースの変更
さらに、「うごメモはてな」のリリースに時期をあわせ、はてなを今まで利用していなかった人たちが、はてなを訪れるようになることが考えられると言及し、はてなのポータルのインターフェースをより分かりやすい形に変更することを発表した。
具体的には、サイトのヘッダー部分に大きくアイコンのような形でサービスが表示されるようになり、ユーザーが利用しているサービスはアイコンの色が緑になるなどの工夫を行っていることを示した。サイドバーには、自分のプロフィールが表示されるようになった。
モバイル版のポケットはてなも、同時にリニューアルを行っていることを報告した。
また、はてなのトップページに表示させるニュースについては、より一般のユーザーに楽しんで利用してもらうために、今回のリニューアルに伴い、新しいフィルタリング(抽出の方法)を適用したことについても言及があった(今後、利用動向を見て、改善していくことについても触れていた)。
さらに…
任天堂のサイトにもインタビューが掲載
任天堂のサイトにある名物コーナー「社長が訊く」において、「うごくメモ帳」の開発経緯などのインタビューが掲載されていることを紹介した。
はてな側の開発規模
はてな側の開発は、今年の秋頃から3名のコアメンバー(ディレクターは二宮氏)で開発を始め、だんだん人は増えていき、現在はたくさんのメンバーが関わっているが、期間は3ヶ月ほどで開発したことが述べられた。
今回のサービスにおける、はてなのビジネスモデル
ビジネスモデルについては、「うごメモシアター」は完全に無料、「うごメモはてな」ははてなが運営しているサイト上のものなので、このサイトから広告モデルでの収益化を検討していることが示唆された(現在は広告が貼られていない)。
また、はてなのメリットとして、任天堂と協業できることに魅力に感じたこと、より多くの人にはてなを知ってもらうこと・使ってもらうきっかけになることを考えていると言及した。
さらに今回の開発コストに関して、任天堂とはてなとの間には、やり取りがないが発生していないことも語られた。