2009 iPhoneアプリ最新事情─Macworld 2009の展示から

1月5日~9日に米国サンフランシスコで開催されたMacworld 2009では、展示スペースが小さく目だたかったものも含めると、かなりの数のiPhoneアプリが展示されていました。ここでは筆者がMacworld会場で見つけることができたiPhoneアプリを一気に紹介したいと思います。

HearPlanet

Macworldの中で一番派手に宣伝していたのがHearPlanet。GPS機能を使って近くの観光情報がわかるという旅行アプリです。声で案内を行うのが特徴となっており、現在プロモーション期間中で無料となっています。

実はこのアプリはMacworld会場内で宣伝しているのではなく、会場周辺でチラシを撒いたり、会場前にペインティングされた二階建てバスを停めて来場者にアピールをしていました。夜には観客をバスに乗せて、近くのイベント会場へと誘導していたようです。

HearPlanetのバス
図1 HearPlanetのバス

展示場内ブースから

このようなゲリラ的な展示とは異なりまっとうなブースを構えていたのが、smule、Polar Bear Farm, Appigo,UEIなど10社弱。あとはビジネス系アプリを中心に半畳くらいのスタンドブースに出展しているところがちらほらとありました。他にBtoB向けのiPhoneアプリの出展などもいくつか見られましたが、ここではAppStoreでダウンロード可能なものに限って紹介したいと思います。

Smule

SmuleはOcarinaという音楽系アプリで有名になった会社。行ってみると、Ocarinaをを使った演奏パフォーマンスをやっている最中した。音楽系アプリは楽しげなのが羨ましい。開発者がアジア系だったのは知りませんでした。

図2

Polar Bear Farm

Polar Bear FarmRecordTelegramNotePadなど6つの仕事系ツールアプリを中心に展示。展示といっても、アプリが印刷されたパネルが立てられ、コーナーのデスクの上にiPhoneが1台あってそこでスタッフが説明し、申し訳程度にチラシが置いてあるだけでした。

図3

Appigo

AppigoTodoNotebookAccuFeelの3つのアプリを展示。その名のとおり、ToDoアプリとノートアプリと燃費アプリをPR。Polar Bearよりは凝っていましたが、基本的にはあっさりとしたお金のかかっていないブースでした。でもシールを配っていたのはiPhoneアプリ関連ではここだけだったかも。

Viximo

最初、何の展示をしているのかまるでわからなかったのがViximoのブース。赤いライティングとカーテンで囲まれたちょっと怪しげな雰囲気でした。展示されていたのはTrue Flirtという5.99ドルで販売されているナンパ系アプリです。Flirtというのは「ナンパする」とか「口説く」という意味があり、SMSを送るかわりに豪華なナンパ用の3D空間と一緒にメッセージを受け取れるというものでした。

図4

デモを見せてもらいましたが、ラブホテルのような内装のハート型のベッドの上で、ミラーボールが回っているという背景の上にメッセージが表示されます。メッセージを送る方だけでなく、受け取る方もこのアプリを持っていないとメッセージを見ることができないので、受け取るだけの機能を持ったTrue Flirt Liteという無料版もリリースされています。正直「こんな悪趣味なアプリを誰がダウンロードするんだろう?」と思いましたが、展示ブースは一番広かったです。Flirtで検索してみるとかなりの数のアプリがヒットするので、アメリカでは結構大きなジャンルなのかもしれません。

図5

その他エンタテイメント系アプリ

iPhoneで使える激安のVoIPアプリとして知られるtruphoneもこじんまりとしたブースを出展。

図6

ゲーム系アプリを多数発売しているFreeverseは、Burning Monkey Puzzle Labなどを中心に展示。意外にもゲーム系iPhoneアプリの展示はここ以外は見かけませんでした。

図7

我らが日本からはユビキタスエンターテインメントが唯一の出展。ZetpoPadZeptoLineriShodoの紹介のほか、日本人のiPhone開発者が入れ替わり立ち替わりおのおののアプリをPRしており、終始賑わいを見せていました。

図8

スタンドブースの展示たち

小さなスタンドブースを見てみると、ツール系、ビジネスアプリ系のものが多く見受けられました。

Ettore SoftwareはTapIt4Meというテキストエディタを展示。youはuとタイプ、areはrとタイプするだけといった少ないキータッチで文章が作成できるというものです。メールアプリと連携して、メールの文章をこのアプリで作成することもでき、MacTech/Macsium newsのBest of Show at Macworld 2009にも選ばれていました。

図9

ECO Calendarというエコロジー系のカレンダーアプリは、元々紙で販売されているものをiPhone化したものです。カレンダーアプリは内容を差し替えて毎年新たに販売することができるので、今後増えてくるカテゴリーかもしれません。

図10

RANGEitは近くの「売ります/買います/貸します/借りたい」情報を検索できる無料のiPhoneアプリです。

図11

地元サンフランシスコの企業beejiveは1,800円と高額なインスタントメッセージのアプリを展示。値段が高いだけあってAIM、iChat、MSNメッセンジャー、Yahoo!メッセンジャー、GoogleTalk、ICQといった主要IMサービスに対応しています。

図12

pingerも同じく、インスタントメッセージが管理できるアプリ。Facebook、MySpace、Twitterとも連携しているのが特徴。

図13

i.TVはiPhone向けテレビガイドアプリ。米国向けアプリのため、日本のAppStoreからはダウンロードできないようです。映画情報を検索したり、予告ムービーの視聴も可能で、オンラインDVDレンタルサービスのNetflixとも連携しています。

図14

ThingsはToDoアプリとして評価の高いアプリのひとつ。同名のMacのアプリケーションThingsと同期ができ、シンプルな操作感が特徴です。価格は1,200円。

図15

OMNIFOCUS for iPhoneも知名度の高いToDoアプリ(2,300円⁠⁠。PC向けの商品を展示したオムニ社のブースとは別にiPhoneアプリも別に展示していました。カレンダーソフト「iCal」との同期ができるなど、PCとの連携度が高いアプリです。

図16

Pocket Infromant iPhoneは、カレンダー式スケジュール帳アプリ。月、週、日単位で表示を切り替えてスケジュールやToDoを管理することができます。1月末にリリース予定とのこと。

The IconfactoryはtwitterクライアントアプリのTwitterrificのほか、パズルゲームのFrenzichttp://frenzic.com/を展示。FrenzicはMac版もリリースされており、中毒性の高い三角のパイの組み合わせていくパズルゲームとなっています。

図17

というわけで、全体的に小さなブースが多かったため目立たなかったものの、それなりのアプリがMacworld内で紹介されていました。ジャンル的には偏りがありますが、初めて知ったというアプリもあったのではないでしょうか。iPhoneアプリが1万を超え、どのようなアプリがあるのか把握するのが難しくなってくる中で、Macworldに代わるリアルの展示の場が出てくるのか、あるいは完全にオンラインへとシフトしていくのかが気になるところです。

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