2009年4月24日、鎌倉どんぶりカフェbowlsにおいて「カヤック×クックパッド主催 技術者交流会 おいしいソースのつくり方」が開催されました。
同イベントは、1つのサービスをこつこつと向上させるクックパッドと、新しいサービスを生み続けるカヤック。この2社とも、ユーザに「おいしい!」と思ってもらえるサービスを目指して開発に力を入れていることに注目し、そのコンセプトをエンジニアに伝えて交流をすることを目的に開催されたイベントです。
それぞれの工夫が見られたライトニングトーク
司会の挨拶、乾杯の後、まずはライトニングトーク(前半)がスタートしました。LTスタート時から、皆、お酒と食事を片手にカジュアルな雰囲気の中、進行しました。
LT:ElectricCafe.js/中川氏(株式会社村式)
トップバッターは、株式会社村式の中川尚氏。JavaScriptを使って写真データをポリゴン化するというもの。当日は、カヤックCTO貝畑氏の写真をポリゴン化するデモンストレーションを行いました。詳しくは村式のブログにて公開されています。
LT:プログラミングの【さしすせそ】/塩谷氏(株式会社オープンドア)
次のLTは、株式会社オープンドア 塩谷啓氏による「プログラミングの【さしすせそ】」と題したプレゼンテーション。同氏は料理とプログラミング、それぞれの共通点を中心に、大事なことについて話しました。
LT:Rails上でのメールウェア構築/中村氏(慶応SFC、クックパッドインターン)
前半最後のLTを務めたのは、現在クックパッドにてインターンとして所属している慶応SFCの中村浩之氏。同氏は、クックパッドのサービス「つくれぽ」の携帯版を開発しており、その実装について紹介しました。
歓談タイム、YUREXデモやエンジニア募集の告知も
LT前半終了後、しばらくの間、歓談タイムとなりました。ここでは、参加者およびカヤック・クックパッド両社のエンジニアとの意見交換など、それぞれが充実した時間を過ごしました。
YUREX登場!
歓談タイムでは、ちょうどイベント当日にカヤックから販売がスタートした「YUREX」の実演も行われました。これは、ビンボーゆすりを科学した!というなんともおもしろいグッズです。ご興味のある方、お試しください!
クックパッド、エンジニア募集中!
また、クックパッド鷲見氏よりクックパッドエンジニア募集中のお知らせも行われました。5月13日にクックパッドにて説明会されるそうなので、ご興味のある方はぜひご応募ください。申し込み・問い合わせについては、以下写真のメールアドレス宛まで。
カヤックの取り組みについて語られたLT後半
歓談後、LT後半の部が始まりました。後半の3つはすべてカヤックのエンジニア・デザイナーが担当し、それぞれの取り組みについて話しました。
LT:Flashを自動生成して動くケータイペット「コンチ」/荒賀氏(カヤック)
カヤックトップバッターは、技術部CREATOR荒賀謙作氏。リリースしたばかりのケータイ珍感覚ペット「コンチ」について、コンセプトから技術的特徴について紹介しました。
LT:インタラクティブなショップコンテンツの作り方/村井考至氏(カヤック)
閃光部CREATOR村井氏は、「インタラクティブなショップコンテンツの作り方」と題して、WebカメラやWiiリモコンといったデバイスと、Processing、Flashの技術を組み合わせたサービスを紹介しました。
LT:カヤックとオープンソースプロジェクト/typester氏(カヤック)
LTの大トリは、typesterこと村瀬大輔氏が、カヤックでのオープンソースプロジェクトへの取り組みについて紹介しました。カヤックでは、基盤技術部分で積極的にオープンソースを採用しており、とくにWebアプリケーションに関してはPerlによる開発を行っています。現在も、村瀬氏が中心となりPerlフレームワークarkを開発するなど、OSSプロジェクトへの積極的なコミットを行っています。
カヤックAIR本、発売!
また、LT後にカヤックで執筆された『Flashで作るAIRアプリケーションレシピブック』が紹介されました。同書は、AIRで何ができるかという視点ではなく、おもしろいものをどうやって創るかという視点から、AIRの解説をしているのが特徴です。
トークセッション:2人のCTOが熱く語るイマドキのサービスが生まれる思考と行動
イベントの最後は、カヤックCTO貝畑政徳氏、クックパッドCTO橋本健太氏をパネリストに、技術評論社クロスメディア事業部 馮がモデレータとして進行したトークセッションが行われました。
ファストリリース&慎重なリリース
カヤックは新しいサービスを迅速なスピードでリリースし続け、クックパッドは1つのサービスをじっくりしっかりと強化していくという、異なる特徴を持っています。この2つのサービスを生み出すCTOが、トークセッションのタイトルにもあるように「思考」と「行動」というテーマで語りました。
トークの内容から、貝畑氏は「とにかくアイデアがひらめいたらまず実装する。そしてリリースした後のユーザのフィードバックをうけ改善していく」というスタンスに対して、橋本氏は「まず、リリース前に開発陣全員が理解するまで何度も何度も議論し、検討する。その結果、全員が同じ理解になったタイミングで開発・リリースをする」という本当に対極的なスタンスで開発しているというコメントがあったのが印象的でした。
また、以前、両社でプロジェクトを行ったときに、この感覚の差異から意見が分かれたというエピソードについて、貝畑氏から述べられました。
ユーザを意識し、プログラミングを楽しむ
ただ、両社は別方向に向かって開発を行っているわけではなく、お二方とも、なぜ開発をするのかを考えたときに、そこに楽しさがあったり、ユーザがいるからという、共通した考え方があったのが印象的でした。
まとめでは、橋本氏は「創ったものによってユーザの方に喜んでもらえることは、エンジニアでなければ得られない幸せである」というエンジニア冥利の核心をつくコメントをし、貝畑氏は「プログラミングをすることが楽しめること、そして自分で実現していく気持ち、それがエンジニアにとって最も大事な点」という、参加者にとって参考になるコメントで、トークセッションの幕が閉じました。
- カヤック×クックパッド主催 技術者交流会 おいしいソースのつくり方
- http://tech.kayac.com/archive/kayac-cookpad-engineers-event.html
http://techlife.cookpad.com/2009/04/02/