ghiyo.jp編集部の馮さんの何気ないTweet から始まったGoogle I/O 2010レポート。思わず張り切りすぎて長文4部作になってしまったが、最後を飾る第4弾は「会場レポート」と題して、写真を中心にカンファレンス当日の様子や、たくさんの出展ブースの中から個人的に気になったブースをいくつかレポートしよう。
会場入り口に現れた巨大なピンシンボル
会場となったのはサンフランシスコのダウンタウンにあるモスコーンセンター Westホール。来月にはライバルイベントAppleのWWDC(World Wide Developers Conference)も同じ会場で行われる。会場に到着するといきなり目に付くのはGoogle Mapでもおなじみのピンアイコン。従来もプロモーションなどで都内各所に現れていたオブジェクトだが、このサイズは最大級と思われる。
各フロア紹介
会場1F入り口付近の受付の様子
会場は3階建てになっていて、1Fが受付とカフェテリア。昼食時にはカフェテリアでランチが配られる。
会場2Fには多数のメーカがブースを出展
2Fには9つのセッションブースとメーカによる出展ブースが配置され、ここがメインフロアとなる。
基調講演の開場を待つ人々
3Fに上がるとフロア全体を使った基調講演の会場が現れる。ここは基本的には朝一番の基調講演のみで使われるフロア。基調講演開始直前には開場待ちの人で溢れ、朝食もここで振る舞われた。
ランチ風景
2日目のランチ風景
1Fに戻って昼食時のカフェテリアの様子をレポートしよう。日替わりで2種類ずつ異なるランチが提供された。写真はSLOPPY JOEという、ハンバーガーの中身をミートソースに置き換えたような料理。まんまミートソースバーガという感じだったが美味しかった。
1Fのカフェテリアでのランチ風景
カフェテリアは巨大で昼食時にはたくさんの人でごった返す。写真ではわかりづらいが、各テーブルにはGoogle GhromeやApple EngineなどGoogleプロダクトのアイコンを印刷したプレートを配置してエリア分けされ、居場所がわかりやすくなるような配慮が見られた。
歴代Android展示ブース
2Fのフロア中央に設置されたAndroidデバイス展示スペース
2Fのエスカレータ横中央スペースには歴代Androidデバイスが展示してあり、Androidデバイスの勢いをアピールしていた。
Sony Ericsson製のXperia X10 mini proの展示
個人的に注目しているのがSony EricssonのXperia X10 mini。現在日本での発売は未定だが、ぜひ発売を期待したい。
展示会場から
Liquid Galaxy
Liquid Galaxyの展示ブース
Liquid Galaxyでは巨大なGoogle Earthを操作できる。
Liquid Galaxy Google Earthの操作パネル
さて、いよいよ各展示ブースに目を向けて見よう。2Fフロアの端で他の展示と少し距離を置いて目立っていたのが“ Liquid Galaxy” と呼ばれる巨大Google Earth端末。8台のクアッドコアのPCと縦置きに配置された複数のディスプレイで巨大なGoogle Earthを操作できる。コントロールには、3Dconnexion社のSpace Navigatorとボタンを使用していた。
Google Native Client
Google Native Clientで動作するLego Starwars
Google Native Clientのデモブースでは、初日の基調講演でも紹介されていたHTML5版LEGO Star Warsを展示。実際に数分遊んでみたが、たしかにGoogle Chrome上で3Dゲームがネイティブアプリケーションのように動いていた。最終的な画面出力にはOpen GLを利用しているということで、当面はGoogle Chrome上でのみ動作することになりそうだ。またGoogle Native Client自体は、現状PCとネットブックプラットフォームに注力していて、Androidデバイスのサポートスケジュールは未定とのこと。しばらく遊んでいると簡単にクラッシュしていたので、現状はまだ開発初期段階という印象は受けた。HTML5版3Dゲームが続々と登場するのはもう少し先になりそうだ。
Samsungブース
Samsungの新型Android携帯「Samsung GALAXYS」
Samsungブースでは、近日発売予定の新型Android携帯Samsung GALAXY Sの展示が行われていた。4インチのアクティブマトリックス式有機EL液晶の美しさは際立っていて、目を見張るものがあった。
HTCブース
Sprint HTC EVO 4G(右)とHTC Nexus One(左)の比較
HTCのブースでは、来月頭にSprintから発売されるHTC EVO 4Gを展示。写真を見ていただければわかるように、EVO 4GはNexus Oneと比較しても巨大液晶をもつ。画面の解像度自体はNexus Oneと同じだが、物理的な画面サイズが違うだけで印象は大きく異なる。実際に使ってみると、重さはほとんどNexus Oneと変わらず、大画面によるソフトウェアキーボードのタイプは非常に快適だ。800万画素の裏面カメラと130万画素の前面のカメラの2つを備え、「現状最強のAndroidデバイス」との呼び声も高い。2日目の基調講演のサプライズでは参加者全員にこのHTC EVO 4Gが無料配布された。
NordicTrack with iFit Live
NordicTrack with iFit Live
Google Mapsと連携したエクササイズマシン
トレーニングジムメーカのNordicTrack社はGoogle Mapsと連携したランニングマシーンを開発。マシン上で歩くと前面のディスプレイに表示されたGoolge Maps上の地図も連動して移動。ストリートビューに切り替えれば実際にその場所を走っている気分でトレーニングができる。
YouTube Upload Booth
YouTube Upload Booth外観
YouTube Upload Boothの内部
2Fフロア中央には「YouTube Upload Booth」と名付けられた電話ボックス状のブースが設置されていた。中に入るとMac Book Proが1台置いてあり、ここから自由に会場で撮影した動画などをYouTubeにアップロードすることが可能だった。
OnStarブース
OnStarでカスタマイズされたChevrolet Volt
Androidベースのナビゲーションシステムが組み込まれた車内
OnStar社が開発しているChevrolet Voltを改造したAndroidカー。何度か足を運んだが、いつもタイミングが悪く、稼働しているところを見ることができなかった。しかし、Goolge MapsのNavigation機能は日ごろ自分自身でも実際に使っていて、市販のカーナビよりはるかに使いやすく優秀なナビゲーションとして活躍しているだけに、Android搭載のメリットは大きそうだ。さらに自動車の状態管理などもナビゲーションシステムから操作できるなど、今後ナビゲーション市場でもAndroidの普及は促進されるだろう。
Parrot AR.Droneブース
Parrot社の開発したAndroidから操作できるリモコンヘリコプター
UFOのように宙に浮いているリモコンヘリコプター「AR.Drone」
Parrot社の開発したAndroidで操縦可能なリモコンヘリコプターAR.Drone。すでにiPhoneから操縦できるアプリケーションは発表されていたが、Androidデバイスにも対応した。かなり操作は難しそうだったが、お手軽な価格で提供されたらぜひ購入して遊んでみたい一品。
展示会場をまわって
ざっと会場の様子を駆け足で紹介したが、なんとなく当日の雰囲気をつかんでいただけたら幸いだ。昨年と比べて出展ブースは倍増し、参加者も会場一杯に達している感じで、いよいよGoogle/Android時代の幕開けを感じさせる雰囲気があった。また展示ブースでは単なるAndroid携帯だけではなく、さまざまなデバイスや製品にAndroid OSが組み込まれ始めていて、まさにGoogleの主張するオープンでフリーなプラットフォームが活かされ始めているという感じだった。今後この勢いはますます加速すると思われるので、Androidデバイスがどこまで進化し、どの製品で使われるのかますます目が離せない感じだった。
おまけ
参加者全員に無料配布されたSprint HTC EVO 4Gと付属品
参加者全員に無料配布されたVerizon Droidと付属品
Google TV発表後配布されていたGoogle TV靴下
最後に、今回GoogleからGoogle I/O 2010参加者全員に無料で配られたお土産の品々を紹介しよう。写真上から
Sprint HTC EVO 4G
Verizon Droid
Google TV靴下
ここ数年、Androidデバイスが配布されるのは定番となっていたが、まさか1回で2台もデバイスを無料配布するとは、まさにサプライズプレゼント。参加費300ドルのイベントなので、十分元が取れてしまった形だ。しかもSprintのHTC EVO 4Gは発売前の最新機種。イベントまでにAndroidの開発を使えるように、Droidはイベント数週間前に事前に配送されていた(ちなみにUS国外からの参加者はDroidかNexus Oneを選択可能だった) 。
Google TV靴下には数色のバリエーションがあったが、全色そろえることはできなかった(笑) 。