“Android端末が史上最大のゲームプラットフォームになる”―賞金総額3,000万円、受賞枠182アプリ「アンドロイドやろうぜ!byGMO」カンファレンス開催

日本から世界へ!

「アンドロイドやろうぜ!byGMO」は、2010年3月に発足した「アプリやろうぜ!by GMO」プロジェクトの第二弾として、来たるべくAndroid時代を意識したアプリコンテスト。そのキックオフイベントとして、2010年11月1日「アンドロイドやろうぜ!byGMO」カンファレンスが開催された。

Android業界の盛り上がりに期待して開催させる「アンドロイドやろうぜ!byGMO」
Android業界の盛り上がりに期待して開催させる「アンドロイドやろうぜ!byGMO」

オープニングでは、主催のGMOインターネットグループ代表 熊谷正寿氏と株式会社アクロディア代表取締役社長 堤純也氏が、AndroidのマスコットキャラクターDroid君に扮した姿で登場するという仕掛けもあり、オープニングから会場を沸かせた。

Droid君の姿で、ちょっとはにかみながら登場した熊谷氏(右)と堤氏(左)
Droid君の姿で、ちょっとはにかみながら登場した熊谷氏(右)と堤氏(左)
司会を務めた元テレビ東京アナウンサーの龍田梨恵さん
司会を務めた元テレビ東京アナウンサーの龍田梨恵さん

2011年はAndroidの年

オープニングキーノートに登壇したのは、日本Androidの会会長 丸山不二夫氏。これまで同会の活動から見てきたAndroidの成長と日本における現状、今後の期待と課題という形で、Androidの現在を俯瞰しながら話を進めた。

日本Androidの会会長 丸山不二夫氏
日本Androidの会会長 丸山不二夫氏

2010~2011年はAndroid爆発の年

丸山氏ははじめに「2010~2011年はAndroidが爆発(的に普及する)する年です」と、Androidブレイクを断言するコメントから述べ、Gartnerの調査やiPhone/iPad AppStoreの成功事例をひもときながら、スマートフォン市場の活気について紹介した。

こうした背景の中、Androidはバージョン2.2Froyoになってから、とくにAndroid Marketの機能が強化されたことがブレイクにつながる最大要因とし、ユーザレベルでの浸透が進んでいくのではと予見した。

垂直統合からオープン化へ

一方で、現在のAndroid Marketはまだまだ細分化されている状態で、これを「Android MarketのFragmentation化の進行」と表現し、そうなっている状況として、

  • Google Marketは(AppStoreのような)垂直統合のモデルではない
  • GoogleがAndroid Market関係者の多様なニーズに対応できていない
  • Googleが(Android Marketの)ビジネスの重要性を十分に理解していない

という、同氏ならではの見解で考察した。

そして、これからは、オープン化していくことが重要とし、⁠Android Market内の情報をWebから検索可能にし、TwitterのようにAPI基本部分を公開し、関連のビジネスに対して第三者による展開を用意にすることが大切」と、Android Marketが成功するために必要なポイントを述べ、キーノートを終えた。

Android端末が史上最大のゲームプラットフォームになる

続いて、主催社代表でもあり、アンドロイドやろうぜ!byGMO推進室長を務める熊谷氏が「アンドロイドやろうぜ!byGMO」の概要説明を行った。

プロジェクト説明にあたって、熊谷氏自身「新しいデバイスを見るとすぐに欲しくなります。ドキドキしてまるで恋愛のようです」とコメントしながら、現在持っている、iPhone、iPad、Android、ノートPC、ガラケーなどを参加者に紹介した
プロジェクト説明にあたって、熊谷氏自身「新しいデバイスを見るとすぐに欲しくなります。ドキドキしてまるで恋愛のようです」とコメントしながら、現在持っている、iPhone、iPad、Android、ノートPC、ガラケーなどを参加者に紹介した

熊谷氏はまず、3月にスタートした「アプリやろうぜ!」プロジェクトにより、日本のソーシャルシーンを少しでも活性化できたこと、また、同プロジェクトから月収1,000万円を超えるアプリが数本登場し、ビジネスとしての実績が生まれてきていることを報告した。

さらに「⁠⁠アプリやろうぜ!」ではソーシャルアプリの可能性を感じ、そしてAndroid端末を見たときに、Android端末が史上最大のゲームプラットフォームになることを確信しました」と、Androidでのゲーム市場の成長を期待し、次の展開である「アンドロイドやろうぜ!byGMO」が開催された背景を述べた。

現時点での問題点

一方で、現在のAndroidおよびAndroid Marketに関しては以下の課題があることを指摘している。

  • せっかく作っても違法コピーが心配…
  • 遊びたいゲームが探せない
  • スパイウェアが怖い
  • 端末がたくさんあるので、アプリを作っても端末ごとの調整が手間
  • さんざん遊ばれて24時間でキャンセルされた…

こうした課題をクリアにすべく、今回のコンテストに用意されている10個のメリットについて1つ1つ紹介を始めた。

アンドロイドやろうぜ!byGMO、10大メリット

  1. @GMOゲームセンターでアプリを配信
  2. マルチOS、マルチデバイス対応の開発ツール「VIVID Runtime SDK」を無償提供
  3. iPhoneから短時間での移植を可能にする開発サポート
  4. キャンセルされない、コピーされない環境の提供
  5. 国内主要3キャリアによる課金に加え、多彩な決済手段を準備
  6. GMOインターネットグループのメディア集客支援
  7. 技術ドキュメントからアプリ公開まですべてを日本語で対応
  8. 多言語対応するため、各種サービスを用意
  9. 無料技術セミナー他の定期実施
  10. 賞金総額3,000万円、受賞枠182アプリのコンテストを実施

今回のプロジェクトのメリットは上記の10。ポイントとしては、GMOインターネットグループが運用するAndroid Marketを利用したアプリの配信・管理、保守性を高めるために採用したVIVID Runtime SDKの採用、その他、主要3キャリアや多彩な決済手段の準備など、開発から配信までをトータルでサポートできる仕組みが用意されていること。

強力な集客手段の1つとして、株式会社レプロエンタテインメントと協業したプロモーションプランも用意されている(利用には審査等の一定基準がある)
強力な集客手段の1つとして、株式会社レプロエンタテインメントと協業したプロモーションプランも用意されている(利用には審査等の一定基準がある)

また、@GMOゲームセンターについては、アンドロイドやろうぜ!byGMO推進室室長代行 服部直人氏から説明が行われた。

服部氏は、@GMOゲームセンターと他のマーケットとを比較した○×表とともに、@GMOゲームセンターの強みを強調した
服部氏は、@GMOゲームセンターと他のマーケットとを比較した○×表とともに、@GMOゲームセンターの強みを強調した

今後のロードマップは、

2010年11月26日サービスイン
2011年1月ドコモマーケット対応
2011年春ソフトバンク対応
2011年春以降ソーシャルサービススタート、国際展開

となっている。11月1日より、コンテンツプロバイダー向けの登録を開始し、2011年3月31日までに登録したコンテンツプロバイダーは登録料が無料になるキャンペーンが用意されている。

また、将来的には、@GMOゲームセンターに置いて、ゲーム以外のコンテンツの配信も予定されているそうだ。

アクロディアVIVID Runtimeの可能性

続いて、技術面を担う株式会社アクロディアより、代表の堤氏、取締役 木村貢大氏から、おもにVIVID Runtimeの特徴、技術的仕様について紹介された。

VIVID Runtimeと開発キット

VIVID Runtimおよび開発キットの特徴は、Java、C++、Objective-Cに対応している点。さらに、DRMの適用範囲が有料・無料にわたっていること、アプリが暗号化されること、コピー防止機能が標準実装されているなどの特徴を備えている。

DRMに関して、@ゲームセンターとAndroid Marketの違いについて述べる堤氏
DRMに関して、@ゲームセンターとAndroid Marketの違いについて述べる堤氏

iPhoneからの移植について

また、VIVID Runtime SDKは、開発者にとって気になるiPhoneアプリの資産についてもサポートしているのが特徴で、専用移植ツールが用意されており、Objective-C 1.0を直接コンパイルできる他、.xlibファイルのインポート(GUI開発ツール⁠⁠、OpenAL対応、OpenGL ES対応などの機能を持っている。

既存の開発者にとって気になるのはiPhoneアプリからの移植。木村氏は「VIVID Runtime SDKでは、GUI開発ツールを用意しているため容易に移植が可能」と述べた
既存の開発者にとって気になるのはiPhoneアプリからの移植。木村氏は「VIVID Runtime SDKでは、GUI開発ツールを用意しているため容易に移植が可能」と述べた

木村氏は最後に、VIVID Runtimeに関する技術セミナーについて紹介した。詳しくは以下サイトを参照。

「アンドロイド学ぼうぜbyGMO」~VIVID Runtime技術セミナー
http://android-yarouze.com/

パネルディスカッション~Androidのゲームアプリ市場について~

最後に、既存のゲームコンテンツプロバイダー各社による、⁠Androidのゲームアプリ市場について」と題したパネルディスカッションが開催された。

パネルディスカッションの顔ぶれ(左より)
モデレーター:週刊ファミ通編集長 長田英樹 氏
パネリスト:株式会社セガ 株田実 氏/株式会社バンダイナムコゲームズ 山田大輔 氏/株式会社カプコン 伊藤幸正 氏/株式会社ハドソン 柴田真人 氏/ポップキャップス・ゲームズ 荒木重則 氏

パネルディスカッションの顔ぶれ(左より)・モデレーター:週刊ファミ通編集長 長田英樹 氏、・パネリスト:株式会社セガ 株田実 氏/株式会社バンダイナムコゲームズ 山田大輔 氏/株式会社カプコン 伊藤幸正 氏/株式会社ハドソン 柴田真人 氏/ポップキャップス・ゲームズ 荒木重則 氏

パネルディスカッションでは、現状の問題と今後の期待というテーマで議論が進み、⁠現状のAndroid環境は最初の開発費より、移植コストがかかる。また、Androidが広がるときにはキャリアの課金を使えるかどうかが鍵になる」⁠セガ株田氏)「マーケット全体の視点では、国内だけではなく海外も見据えなければいけない。コンテンツの力を信じてプラットフォームに適したものを出していく必要がある」⁠ハドソン柴田氏)といった課題に関するコメントが挙がった。

また、⁠パックマンというキラーコンテンツを出してみたが、思ったより伸びなかった。その理由の1つが類似コピーの存在」⁠バンダイナムコゲームズ山田氏)など、すでに実体験で感じている問題点など、CPとして頭を悩ます問題についても取り上げられた。この他、⁠iPhoneはエンドユーザに向けている部分(販売戦略)がわかりやすく、誰に向けたコンテンツなのかを理解しやすかった。しかし、Androidの場合、まだどういう経路でコンシューマ、つまりお客さんに伝わっていくのかが見えてこない。ここはとても大事なところで、1つ間違えると、単にWebブラウザやメールだけが使われてしまい、Androidならではのコンテンツが使われなくなる」⁠カプコン伊藤氏)といった、iPhoneと比較した場合のAndroidの課題についても紹介された。

一方で、唯一海外のゲームメーカであるポップキャップス・ゲームズ荒木氏は「大事なのはミドルウェア、ソーシャル、英語の3つのキーワード。これらを押さえることがAndroidで成功する秘訣。皆さんとともに盛り上げていきたい」とコメントした。

最後に、モデレーターの週刊ファミ通編集長 長田氏は「コンテンツプロバイダーだけではなく、我々メディアとしても良いコンテンツをきちんとユーザに届けなければいけない。そのために、これから出てくるたくさんのアプリをきちんと評価し、どれがおもしろいのか、たくさんの皆さんにお伝えしていきたい」と述べ、パネルディスカッションを締めくくった。

賞金総額3,000万円!受賞枠は182アプリ

いよいよスタートした「アンドロイドやろうぜ!byGMO⁠⁠。この中では、賞金総額3,000万、受賞枠182アプリのコンテストも用意されている。これからAndroidとともに世界に羽ばたいてみたいエンジニア・クリエイターの皆さんにはぜひとも参加していただき、日本、そして世界のAndroid市場を盛り上げていってもらいたい。

画像
アンドロイドやろうぜ!byGMO
http://android-yarouze.com/

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