関西オープンソース2010 1日目フォトレポート

2010年11月5日、6日の2日間にわたり、関西オープンフォーラム主催の関西オープンソース2010+コミュニティ大決戦が大阪南港ATCで開催されました。通称「KOF」と呼ばれるこのイベントは、関西で最大級のオープンソース系コミュニティイベントです。本稿では、今年のKOFの模様をフォトレポートでお届けします。

なお、本イベントのハッシュタグは#kof2010です。発表者や参加者の皆さん、スタッフのつぶやきがチェックできますので、こちらもチェックしてみてください。また、Ustreamのページでは特設ステージで行われたセッションの録画も視聴できます。

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中野秀男大阪市立大学教授による「開会のあいさつ」

まずは実行委員長の中野秀男大阪市立大学教授による開会のあいさつが行われました。大阪らしく笑いのネタをまじえながら会場の注意点や設備が紹介され、⁠懇親会が目玉です!」と懇親会の楽しさをアピールされていました。

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また、⁠あと13回(75歳まで)は実行委員長をやる!」と元気いっぱいにKOFへの意気込みを語る中野先生。すでに来年の日程は決まっているそうです(来年は2011年11月11日と12日に開催を予定⁠⁠。

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Gadget1、関西Ruby会議03も同時開催

Gadget1 R3 Chitoseame

会場は平日にもかかわらず多くの方が来場されていました。KOFはPCオープンソースソフトウェア系の参加者が多いイベントですが、今年はGadget1 R3 Chitoseameが同時開催されたことで組み込み系の方々も多く来場されている印象でした。

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次の写真は、Gadget1ブースで見かけたロボットです。ひたすらラジオ体操をやっていました。

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関西Ruby会議03

昨年に続き、関西Ruby会議が同時開催されました。関西でもRubyコミュニティの活動は活発です。ブース展示の他複数のRuby関連セミナーが実施されていました。ブースは午前中から多くの来場者で賑わっていました。

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コミュニティブース

KOFではコミュニティブースが設けられ、各コミュニティが参加しました。この日は午前中で授業が終わる学校もあったため、今年は学生の参加も多かったようです。特に中学生、高校生の参加が目立ちました。

次の写真は、分散キーバリューストア型データベース「okuyama」を開発している神戸を中心としたユーザーグループ「okuyamaユーザーグループ」さんです。

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次の写真は、ブース出展していた灘校パソコン部研究部の面々です。ブースでPCの画面をみながら、わいわいやっていました。

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実行委員長の中野先生が妙なヘルメットをかぶって会場を練り歩いていたので激写してみました。ユビキタスネットワークの実験プロジェクトだそうです。

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関西でも多くのコミュニティが活発に活動しています。ですがそれらが一同に会す場所は多くありません。関西のコミュニティの成果発表の場として、お互いの技術交流の場として、KOFは回を重ねる毎に進化していっているように思います。

特設ステージ企画

特設ステージでは、コミュニティによる様々なライトセッションが行われました。ステージ企画は、ブース出展していないコミュニティでも気軽に参加して発表することができます。

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OpenPNE対談

PNE関西の発表ステージでは、OpenPNEの関西コミュティPNE関西と開発元の手島屋さんがOpenPNEの現在について対談。ユーザーの意見をキャッチしながらコミュニティベースで開発することの苦労を解説されていました。⁠開発に手が足りないのが現状。もっとコミュニティの力を借りていきたい」と話されていました。

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コミュニティおすすめ書籍紹介

毎年、ジュンク堂書店の協力を得て技術書籍の展示販売ブースを解説しています。今年はオススメの書籍をコミュニティがブースで紹介するというイベントが催されました。私も京都GTUGのスタッフとして書籍紹介をさせていただきました。

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KOF実行委員の間では、これらのステージ系セッションは「試合」と呼ばれています。実行委員のステージ企画担当が大のプロレスマニアだからです。

特集企画「HTML5特集 ブラウザベンダーセミナー 1日目」

今年のKOFの特集企画として、ブラウザベンダー4社によるHTML5関連セミナーが行われました。企画、進行等は筆者が主宰するHTML5-WEST.jpが担当しました。

1日目は、Microsoft株式会社とMozilla Japanによる発表です。どちらも平日とは思えないほど多くの参加者に恵まれました。

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Microsoft株式会社 春日井良隆氏「ついに登場!Internet Explorer 9」

Microsoft株式会社 春日井良隆氏によるセッション「ついに登場!Internet Explorer 9」では、現在開発中のIE9について、IE8から刷新された機能とその特長が紹介いただきました。

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IE9では「高速」⁠洗練」⁠信頼」⁠相互運用性」をキーワードとして開発を進めていること、⁠ユーザーはブラウザを使いたいわけじゃない、WEBが見たい」という観点から「ブラウザは劇場」というコンセプトでユーザーにとって使いやすいブラウザを開発中であることが述べられました。

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Mozilla Japanの浅井智也氏「HTML.nextの世界に備えよう」

Mozilla Japanの浅井智也氏からは「HTML.nextの世界に備えよう」というタイトルで発表いただきました。

冒頭では携帯ブラウザ「Fennec⁠⁠、⁠Android版 Firefox 4 ベータ」などが紹介されました。Web開発者向けの情報として「Mozilla Developer Network」「Mozilla Hacks」などの開発者向けドキュメントの使い方についても説明されました。また、Firefox4に標準実装されたデバッグツール「WebConsole」について解説されました。

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そのほか、JavaScriptのベンチマークの話題にも触れ、⁠ブラウザ毎のJavaScriptベンチマーク結果には違いがある。ユーザーは体感速度でブラウザを選ぶのが一番ではないか」とコメントされていました。

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他にもたくさんのイベントが開催されました

私はイベントの進行とKOF実行委員の仕事であまり他のセミナーに行くことができませんでしたが、他にもたくさんのイベントが開催されていました。詳しくは当日のタイムテーブルをご覧ください。

KOF1日目で開催された多彩なセミナーの中でもっとも人気だったのは、⁠Wikipediaにおける大規模システムの運用」だったようです(Wikipediaのエンジニアによる講演はこれが日本初ではないかとのこと⁠⁠。WikipediaのエンジニアRyan Lane氏によって、MediaWikiがどのように運用されているかが解説さていました。

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目玉の懇親会!

13時から始まったKOF1日目はあっという間にプログラムを終了。開会式で実行委員長のイチオシだった懇親会に突入しました。毎年大入りのKOF懇親会ですが、今年はさらに参加者が増加した印象です。

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毎年ベルギービールのサーバーが容易されるのがKOF懇親会の特長です。今年も酒好きの実行委員のこだわりによって白、黒二種類のベルギービールが振舞われました。

ふと気づくと、ロボットがベルギービールをサーブしていました。

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懇親会では各所でコミュニティの交流が行われていました。聞こえてくる話はほとんど技術に関する話題。オフタイムでも参加者の熱気はおさまっていません。まだまだKOFは終わらない、といった感じでした。

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いつもよく飲む実行委員につられて前後不覚になりますが、それでも記憶に残る新しい出会いが毎年この懇親会であります。懇親会はたしかにKOFの目玉ですね。

さて、あっという間に終了した1日目。本イベントの雰囲気が伝われば嬉しく思います。2日目のレポートもお楽しみに!

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