人材のマッチングと新たなサービスの創出を目指して
2011年1月22日、東京中目黒にある「中目黒ラウンジ」にて、クローズドなWeb界隈のネットワーキングイベント「JPNewTechプレパーティ」が開催された。
これは、日本のWeb業界の中での、エンジニアとデザイナーのマッチング、そこから生まれるアイデアやサービスの創出を目的としたイベント。株式会社ヌーラボ代表取締役 橋本正徳氏(@hsmt)、株式会社Abby代表取締役社長 米林正明氏(@yone098)の両名を中心に、エンジニア・デザイナー・メディアに関わる有志によって開催に至った。
将来的に世界に出ていける何かを生み出す場を作ろう
開催にあたり、米林氏から本イベントの趣旨が説明された。
「人と人が集まると、カオス(混沌)とした状態が生まれます。そこから、たとえば会社だったりサービスだったり、ユーザやコミュニティ、ときには結婚や友達といったプライベートの関係まで、さまざまなつながりが生まれてきます。JPNewTechは、こうした人と人とのつながりから生み出される「何か」を創出し、発展させることを目的に企画しました」と、ネットワーキングイベントの本質である「人と人とのつながり」の潜在能力、そこから広がる可能性について述べられた。
挨拶の仕方を教えます
趣旨説明に引き続き、橋本・米林両名から、挨拶の仕方と名刺交換など、ネットワーキングにおいて非常に重要な要素を、実演を交えた解説が行われた。
「新春・Web業界大喜利2011」
オープニングに引き続き、「新春・Web業界大喜利2011」と題して、エンジニア/デザイナー、サービス/受託、さまざまな立場で活躍する4名によるパネルディスカッション形式の大喜利が行われた。
- パネリスト
- 株式会社ユーザーローカル 閑歳孝子氏(@kansai_takako)
- 有限会社PLACES 堀内敬子氏(@horri)
- 株式会社キャピタル・アセット・プランニング 片山暁雄氏(@c9katayama)
- 株式会社ミクシィ 田中和紀氏(@Tkazuki)
- 進行
- 株式会社技術評論社 馮富久(@tomihisa)
今回のお題は以下の6つ。
- 2010年、一番影響を受けたWebサービスは?
- 映画にしてみたいWeb業界の人物・サービス
- Web業界、エンジニアとデザイナー何が同じ?何が違う?
- 僕が/私がWeb業界でやりたいこと、変えたいこと
- 一緒に働くならこんな人
- これからのJPNewTech、ぜひともこれは実現したい!
影響を受けたサービス、映画にしてみたい人物
まず、アイスブレイクとして1、2番目のお題が進行し、最初のお題では「Kickstarter」(閑歳氏)、「Instapaper」(堀内氏)、「kabu.com」(片山氏)、「mixi」(田中氏)という回答があり、「マネタイズにつながるサービス」、「生活に近いサービス」といったものが挙げられた。
2つ目のお題では、片山氏は「ゼロスタートコミュニケーションズCEO山崎徳之氏のこれまでを映像化してみたいですね」と、自身としても交流のある人物を挙げたり、また「ソフトバンク(孫社長)」(堀内氏)や「Apple(スティーブ・ジョブス)」(田中氏)など、人物+会社の歴史を見たい、という回答が見られた。
エンジニアとデザイナーの違い
今回のイベントそのもののコンセプトにも関係のある3番目のお題では、「本質的なところでは違いがない」(堀内氏)という意見が出た一方で、「エンジニアは手抜きをしたがる、デザイナーはこだわりたがる」(田中氏)というように、会場からも「おっ」と同意される回答があった。ただ、4名全員に共通していたのは、「エンジニアもデザイナーも
クリエイティブな職種である」ということ。サービス開発・受託案件などに関わらず「何かを生み出す」ことは共通しているという意見だった。
「若手を育てる」「Exitするサービスを生み出す」
4つ目以降は、これからのJPNewTechの方向性とも関わるお題でもあるのだが、その中で印象的だったのが、「4.僕が/私がWeb業界でやりたいこと、変えたいこと」という回答に対して、パネリストの中で最も年齢の若い田中氏の「若者を育てる、学校をつくる。」という回答で、他のパネリストからも「これは重要」「若手からこういう意見が出ることがすごい」と、多くの賛同を得ていた。
また、閑歳氏は「今目指したいのは(外部の企業や他の資本に)Exit(売却)できるサービスを作ること」と、楽しいサービス、ユーザを集めるサービスのさきとして、ビジネスとして成立するサービスの重要性を説く意見が挙がった。
最後の質問に関しては、「今までに出会ったことのない人と出会える場」「友だちを作る」と、まさに「ネットワーキング」という回答で締めくくられた。
オープニングLT大会
歓談が進んだあと、今回の参加者から希望者を募ってLT大会も行われた。
LTらしい雰囲気の中、途中、自社のサービス「Cacoo」が取り上げられると、橋本氏は喜んでスクリーンに指を指す風景も見られた。
最後に、司会からの無茶ぶりもあり、株式会社ドワンゴの庄司嘉織氏(@yoshiori)が急遽登壇するなど、臨機応変な会の雰囲気も垣間見えた。
次回につながる3時間
パーティの最中は、大喜利やLTを見る参加者、名刺交換をする参加者、情報交換をする参加者など、各所でJPNewTechにjoinしている風景が見られた。
最後に、会の主催者でもある橋本氏から「今回のプレパーティをきっかけに、ぜひ次回、次々回とつなげていきます。ゆくゆくは海外のネットワーキングイベントとの交流まで、視野に入れたいですね」と、締めくくられ、濃厚な3時間があっという間に過ぎた。
今後もgihyo.jpでは、JPNewTechに協力するとともに、エンジニアやデザイナーの活発な交流の場の構築、人材交流のサポート、そこから創出されるWebサービスに注目していきたい。