2011年4月6日~8日にかけて、
「Collaboration Summit」
このレポートでは、
「State of Linux Union」─The Linux Foundationエグゼクティブ ディレクター Jim Zemlin氏基調講演
オープニングの基調講演として、
講演でZemlin氏はLinuxの20年間の歩みを纏めたビデオを紹介した上で、
- 東京証券取引所がLinuxベースへ移行し、
その結果2010年は世界の証券取引の72%はLinuxベースのシステムで取引されました。2011年以降もLinuxベースシステム上での取引は増加すると予測されています。 - Linuxが初めてTop500 Supercomputer Listに登場したのは1998年。その後10余年で、
UNIXが96%を占めていた市場はLinuxが96%占める市場へと変わりました。加えて、 スパコンの性能が飛躍的に伸びたのは2006年以降であり、 その頃すでに圧倒的な市場シェアを有したLinuxがスパコン性能の飛躍的な向上に大きく寄与しています。 - Linuxは組込みOS市場におけるトップシェア
(2009年時点で25. 2%) を有しており、 とりわけ2010年にブレークしたAndoridによって、 スマートフォン市場におけるシェアでiPhone (iOS) を凌駕し第1位となっています。 - 過去10年間でRed Hatの株価は400%上昇している一方で、
Microsoftの株価は上がっていません。企業の将来性を示す株式市場においてもLinuxのこれまでの成長が認められ、 今後の更なる躍進が期待されていることがわかるでしょう。
以上のような過去20年間の成長を説明した上で、
- オープンソースを活用した新しいビジネスモデルの出現。たとえばAndroidはLinuxを活用し、
Googleのサービスにトラッフィックを集め、 広告収入を上げるというビジネスモデルです。このようにオープンソースを活用しつつ、 直接的にはオープンソースでない部分で収益をあげるモデルが新たに誕生することが期待されます。 - Yocto、
Linaro等のプロジェクトの出現により、 カスタマイズOSの開発が容易になりました。その結果、 より多くの組込み専用端末にLinuxが活用されていくことになると考えられます。 - 同様に、
IBMの質疑応答システム 「Watson」 のように単一用途のHPCにも注目が集まるでしょう。
参考記事:「質問応答システム “ワトソン” がクイズ番組に挑戦! - Linuxの成長に伴い、
今後も多くのFUD (Fear、 Uncertainty, Doubt) 情報が出てくると予想されますが、 これに惑わされないことが重要で、 そのためにもコンプラインスに対する意識を高める必要があります。
以上のようなLinuxを取り巻く状況のもと、
Linuxの最新動向をめぐるセッション
Jim Zemlin氏の基調講演の後、
Introducing the Yocto Project & what is means for the embedded Linux Industry
このセッションは、
彼らがYocto Projectを推進する理由として、
また、
What's Next for Linux in the Enterprise and Cloud?
このセッションではYahoo!、
セッション中、
Demand for Mobility Device Open Source Innovation
このセッションでは、
Charlebois氏はモバイルデータ消費量が2010年から2015年の5年間で10~12倍に膨れ上がることを指摘し、
- HTML5の登場による、
モバイルアプリケーションのパラダイムチェンジ (Native Application と Web Applicationの特性の融合) - P2Pベースのアプリケーションの増加と、
それによる端末が持つ可能性のさらなる引き出し。この一環としてQualcomm Innovation CenterではAllJoinというオープンソースプロジェクトを推進していることを紹介。
またCharlebois氏は、
おめでとう!Linux 20周年
今回のCollaboration Summitでは上で紹介した基調講演と並び、
Linux Foundationが主催する次なるイベントは、