Adobe Systemsは2013年5月、米国でのイベント「Adobe MAX, The Creativity Conference」を開催し、Adobe Creative Cloudのアップデートを発表した。同5月7日、東京にてアップデート内容を含めたMAX速報イベントが開催された。
世界最大規模のクリエイティブイベント「Adobe MAX」
Adobe MAXは、Adobeが主催する世界最大規模のクリエイティブイベント。最新の技術やデザイン動向などをフォローアップしながら、これからの展望について網羅した内容で構成される。
パッケージからアプリケーションサービスへ
今回、同社のクリエイティブツールである「Adobe Creative Cloud」に関して大きなアップデートが発表された。とくに、これまで「Creative Suite」という形でパッケージでの展開を行っていたツール群を、「Creative Cloud」に統合し、統合メンバーに対して常に最新の機能を提供するアプリケーションサービスとして、さらにクラウドサービス内で一元的に利用・管理できるものとして展開されることになった。
なお、日本のWeb制作者の多くに利用されていたFireworksについては、CCとしてのアップデートは行われず、CS6と同等の機能のものが含まれ、今後はバグフィックスおよび新OS登場時の対応のみのメンテナンスを行うことが発表された。
今回のアップデートのおもな特徴は次のとおり。
- デスクトップ、Web、モバイルからのシームレスなアクセス
- クリエイティブコミュニティと一体化したアプリケーションサービス
- クラウドストレージを利用したデータ管理・共有・コラボレーション
- 各デスクトップアプリケーションのアップデートおよびCCへの集約
とくにこれまで提供されていたPhotoshopなどのデスクトップアプリケーションについては、「Adobe Photoshop CC」「Adobe InDesign CC」「Adobe Illustrator CC」「Adobe Dreamweaver CC」「Adobe Premier Pro CC」など全15種類のアプリケーションがCCの中へ集約された点が大きな特徴となる。今後はアプリケーション単体での提供は行われない。
機能面については、たとえばPhotoshop CCには、手ブレ補正を強化した新機能「シャープ」ツールが実装された他、デザイナー向けワークフローの強化がなされている。Edgeツールなどとの連携強化が行われた。
この他、Creative Cloud全体を通じてクラウドサービスのメリットを大幅に導入し、たとえば「Behance」と呼ばれる、制作したクリエイティブをソーシャルネット上に共有する新機能をはじめ、フォルダ共有など、制作後のコラボレーション、コミュニケーションといった点について大幅に強化された。
料金体系は個人5,000円/月~、グループ版7,000円/月(1シートあたり)~
料金体系はいくつか用意される。まず、個人利用については月額5,000円(年間契約)~。その他、CS3やCS5.5、CS6など、旧来のCSを持っているユーザにはキャンペーン価格が用意される。
また、複数ユーザ向けのグループ版はシートあたり月額7,000円(年間契約。個人版の機能に加えて、100Gバイトのストレージと管理機能が追加されている)。
その他、大手企業や教育機関、官公庁向けの料金体系も用意されるとのこと。
- Adobe Creative Cloud
- http://www.adobe.com/jp/products/creativecloud.html