Adobe、同社のクリエイティブツール「Adobe Creative Cloud」アップデートを発表――クラウドサービスとして生まれ変わり、2013年6月18日から提供開始予定

Adobe Systemsは2013年5月、米国でのイベント「Adobe MAX, The Creativity Conference」を開催し、Adobe Creative Cloudのアップデートを発表した。同5月7日、東京にてアップデート内容を含めたMAX速報イベントが開催された。

同社の現状、Creative Cloudに込めた狙いについて語るアドビ システムズ株式会社代表取締役社長クレイグティーゲル氏
同社の現状、Creative Cloudに込めた狙いについて語るアドビ システムズ株式会社代表取締役社長クレイグティーゲル氏

世界最大規模のクリエイティブイベント「Adobe MAX」

Adobe MAXは、Adobeが主催する世界最大規模のクリエイティブイベント。最新の技術やデザイン動向などをフォローアップしながら、これからの展望について網羅した内容で構成される。

パッケージからアプリケーションサービスへ

今回、同社のクリエイティブツールである「Adobe Creative Cloud」に関して大きなアップデートが発表された。とくに、これまで「Creative Suite」という形でパッケージでの展開を行っていたツール群を、⁠Creative Cloud」に統合し、統合メンバーに対して常に最新の機能を提供するアプリケーションサービスとして、さらにクラウドサービス内で一元的に利用・管理できるものとして展開されることになった。

なお、日本のWeb制作者の多くに利用されていたFireworksについては、CCとしてのアップデートは行われず、CS6と同等の機能のものが含まれ、今後はバグフィックスおよび新OS登場時の対応のみのメンテナンスを行うことが発表された。

Adobe Creative Cloudのこれまで
Adobe Creative Cloudのこれまで

今回のアップデートのおもな特徴は次のとおり。

  • デスクトップ、Web、モバイルからのシームレスなアクセス
  • クリエイティブコミュニティと一体化したアプリケーションサービス
  • クラウドストレージを利用したデータ管理・共有・コラボレーション
  • 各デスクトップアプリケーションのアップデートおよびCCへの集約

とくにこれまで提供されていたPhotoshopなどのデスクトップアプリケーションについては、⁠Adobe Photoshop CC」⁠Adobe InDesign CC」⁠Adobe Illustrator CC」⁠Adobe Dreamweaver CC」⁠Adobe Premier Pro CC」など全15種類のアプリケーションがCCの中へ集約された点が大きな特徴となる。今後はアプリケーション単体での提供は行われない。

機能面については、たとえばPhotoshop CCには、手ブレ補正を強化した新機能「シャープ」ツールが実装された他、デザイナー向けワークフローの強化がなされている。Edgeツールなどとの連携強化が行われた。

この他、Creative Cloud全体を通じてクラウドサービスのメリットを大幅に導入し、たとえば「Behance」と呼ばれる、制作したクリエイティブをソーシャルネット上に共有する新機能をはじめ、フォルダ共有など、制作後のコラボレーション、コミュニケーションといった点について大幅に強化された。

CCのデモンストレーション
CCのデモンストレーション
CCの特徴の1つは認証の概念が取り込まれたこと。他のクラウドサービスと同様、ユーザごとの利用となる
Adobe CCの特徴の1つは認証の概念が取り込まれたこと。他のクラウドサービスと同様、ユーザごとの利用となる
同期をすることで複数デバイスや複数環境での一元利用が行える
同期をすることで複数デバイスや複数環境での一元利用が行える
Adobe Typekitの機能アップデート。Webフォントとしてだけではなく、デスクトップフォントとしても利用できる
Adobe Typekitの機能アップデート。Webフォントとしてだけではなく、デスクトップフォントとしても利用できる
クリエイティブ作品を対象としたソーシャル共有サービス「Behance」
クリエイティブ作品を対象としたソーシャル共有サービス「Behance」
簡易履歴管理機能
簡易履歴管理機能
iPhone用に最適化したカラーツール「Kuler⁠⁠。ネイティブアプリとして作りなおされ、iPhoneカメラと連動したカラーピッキングなどが行える
iPhone用に最適化したカラーツール「Kuler」。ネイティブアプリとして作りなおされ、iPhoneカメラと連動したカラーピッキングなどが行える

料金体系は個人5,000円/月~、グループ版7,000円/月(1シートあたり)

料金体系はいくつか用意される。まず、個人利用については月額5,000円(年間契約⁠⁠~。その他、CS3やCS5.5、CS6など、旧来のCSを持っているユーザにはキャンペーン価格が用意される。

また、複数ユーザ向けのグループ版はシートあたり月額7,000円(年間契約。個人版の機能に加えて、100Gバイトのストレージと管理機能が追加されている⁠⁠。

その他、大手企業や教育機関、官公庁向けの料金体系も用意されるとのこと。

Adobe Creative Cloud
http://www.adobe.com/jp/products/creativecloud.html

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