2014年4月12、13日の2日間、東京大学駒場リサーチキャンパスにて、「International Space Apps Challenge Tokyo 2014」が開催された。
このイベントは、NASA主催の宇宙のオープンデータを活用したハッカソンで、NASAやJAXAが提供しているオープンデータを活用して、世界を良くするアプリやグッズ開発を創発することを目的に開催されたもので今回で3回目となる。
- International Space Apps Challenge 2014
- http://tokyo.spaceappschallenge.org/
今回印象的だったのは、3Dプリンタを利用したもの、hueやMOVERIOなど外部デバイスと連携させたものなど、ソフトウェアとハードウェアを関連付けて表現する作品が多かったこと。昨今の、ものづくりブームとあいまって、各チームごとに特徴の出た開発が行われていた。
さらに、今回は東京(日本)とボストン(アメリカ)の参加者による日米共同チームも参加し、今まで以上に国際的な雰囲気のハッカソンとなった。
オンラインを経由しつつ、時差を考慮しながら、それぞれのアイデアを形にしていく姿は、従来のハッカソンと比較しても非常に特徴的で、これからの国際化社会につながる取り組みになったと感じられた。
具体的な進め方は、まずチームビルディング後に、2日間かけてチームごとにアイデアの創発、実装までを行い、最後に発表し、採点されるというもの。
第1位は宇宙線を可視化するシステム「チーム☆インベーダ」
最終結果は以下のようになった。
1位:チーム☆インベーダ
宇宙から降り注ぐさまざまな宇宙線をhue、MOVERIO、ARなどを使って可視化するアプリの企画・開発を行った。線の種類や強さによってhueの色や光り方が変わり、MOVERIOを通して今現在の宇宙線の種類や強さを文字情報で通知。アラートも掲載される。
普段見えない宇宙線を判りやすく可視化するという点、ウェアラブル製品をうまく取り込んだ点、宇宙の課題を楽しく考えるきっかけになる点など、さまざまな点での評価が1位に繋がった。
2位:みんなで見よう、インフルエンザ・ハザード
インフルエンザに感染したら、感染申告WebサイトへGPS付携帯でアクセスしてクリックすると、日時と位置情報がサーバに登録されるというサービス。
この感染状況と地温データをクロスオーバーさせて地図上に表示させることで、その相関関係がわかり、今後の広がり予測の参考にできる。社会的なテーマを捉えた点と、Hi-RezClimateチームとの協業が評価された。
3位:Faamo
JAXA衛星データを用いた農地のクラスタリングを行うことで、ユーザがしていた場所(産地)の地質の似ている地点(農地)をマッピング。農作物ごとの耕作可能地域を衛星データを元にした分析により類似点を見つけ、探そうというもの。世界の課題の1つとなる食料安全保障を取り上げた点で高評価を得た。国や地域を問わず使えるソリューション。
その他各賞
その他、各賞は以下のとおり。
賞名 | チーム |
JAXA賞 | Hi-RezClimate |
セイコーエプソン賞 | 宇宙の歩き方 |
デンソーアイティラボラトリ賞 | Sprite Orbits |
マイクロソフト賞 | space chat |
欧文印刷賞 | Save the Hero |
今回、1、2位を受賞した「チーム☆インベーダ」と「みんなで見よう、インフルエンザ・ハザード」の両チームは、グローバル大会へ進出する。今から世界での評価が楽しみだ。