9月26日、アトラシアンの主催による「JIRA+JIRA Service Deskセミナー」が開催されました。アトラシアンでは、プロジェクト管理ツール「JIRA」とプロジェクト管理情報ツール「Confluence」を中心に、さまざまな連携ツールを提供しています。セミナーでは、「JIRA」および「JIRA Service Desk」の機能紹介や導入事例、今後の展開などが紹介されました。今回はその模様をお伝えします。
本社はマリノスタウン
9月26日、アトラシアンの主催による「JIRA+JIRA Service Deskセミナー」が開催されました。アトラシアンは、ALM業界においてマイクロソフト、IBMとともに3大ベンダーのひとつとして知られています。ALMは「Application Lifecycle Management」の略で、業務管理とソフトウェア開発の融合によって、案件管理、設計、実装、検証、バグトラッキング、リリース管理をツールにより促進、統一化を実現することをいいます。
セミナーのセッションは、アトラシアンのテクニカルエバンジェリストである長沢智治氏による「JIRA collaboration without walls~JIRAが引き出す現場力~」で始まりました。長沢氏は、JIRAは131の国の28000社、1千万人が使用しており、最新バージョンは6.3.6になると紹介し、JIRAが引き出す現場力として「これからのチームの課題と取り組み」「ソフトウェア開発チームのためのJIRA」「JIRA@SCALE」「すべてのチームのためのJIRAへ」の4つをテーマにセッションを進めました。
「これからのチームの課題と取り組み」について、長沢氏は「現場には壁があるものですが、JIRAはコラボレーション機能によって、イシューと呼ばれるアクティビティをマージすることで壁を壊します」と述べました。たとえばデザイナーとデベロッパー、ビジネスの間にも壁ができがちですが、JIRAはそれを壊してコラボレーションを広げていくことができます。そのポイントとして「Faster」「Connected」「Single source of truth」の3つを挙げました。
ここにアトラシアン製品を導入することで、ひとつのコンテキストに対してそれぞれの部署のビューで管理することが可能になると長沢氏はいいます。これにより、最初のアイデアの部分であるエンドユーザーからのニーズがちゃんと反映されているかを把握して作業を進めていくことができます。長沢氏はソフトウェア開発の一連の流れの図に、「JIRA」「Confluence」「Stash」「Bitbucket」「Bamboo」をそれぞれ当てはめ、「Faster」「Connected」「Single source of truth」の3つのポイントを実現できるとしました。
そして「JIRA@SCALE」として、「JIRA」の3つのプランを紹介しました。「JIRA」には、オンプレミスの「JIRA Server」、クラウド環境に「JIRA Cloud」、さらにデータセンター「JIRA Data Center」も登場しました。これにより、自由にスケールが可能になっているほか、データセンターを使用して会社全体でひとつの「JIRA」を利用することも可能になっています。
さらに導入事例として、「JIRA」で3200万ドル以上のIT資産を追跡した資産管理としてのケースや、「JIRA Agile Kanban」で求人管理を可視化したケース、「JIRA Agile スクラム」でマーケティングの運営をタスクボードで可視化したケース、「JIRA Service Desk」で25種類のサービスを運営するファイナンスのケースなどを紹介しました。このように、「JIRA」「Confluence」「HipChat」といったアトラシアンのソリューションがコラボレーションのプラットフォームとして有効であるとし、セッションを締めくくりました。
2つ目のセッションは、アトラシアンのサポートマネージャーであるAdam Laskowski氏による「Extending JIRA to business teams with ease(JIRAをビジネスチームに簡単に拡張しよう)」が行われました。Laskowski氏は、ひとつの会社に平均112の「JIRA Service Desk」が導入されていますが、費用がかかるのはエージェントの25ドルのみで、それ以外のカスタマーは無料で利用できるとアピールし、また多くの業種で活用されていることを紹介しました。
そして、アトラシアンのチャレンジとして、「カスタマーグレードのエクスペリエンス」「高速化」「ともに良い仕事をする」「さらに価値を加える」の4つのステップを挙げました。これをLaskowski氏は自動車に例えました。企業の現状を乗りづらい「古いバン」であるとし、サービスデスクもこれと同じであるとしました。しかし、「JIRA Service Desk」を導入することで、まずカスタマーグレードのエクスペリエンスを実現できる。古いバンをピカピカの新車にできるとしました。
たとえば社内でパソコンが故障したとき、「JIRA Service Desk」から修理の依頼を送ることで該当する部署が素早く対応することが可能になります。担当者や発注者は「JIRA Service Desk」上で進捗状況を確認することができ、どのくらいで修理から帰ってくるかなどを把握できます。やり取りはメールで行えるほか、スマートフォンなどモバイル環境から「JIRA Service Desk」にアクセスすることもできます。
次のステップ「高速化」を、Laskowski氏はF1マシンに例えました。それは、高速化をセルフサービスで行うことです。この実現には、ナレッジベースを活用します。たとえば社内のプリンターが故障したとき、「JIRA Service Desk」に蓄積されたナレッジベースを参照することで、自分で解決することが可能になります。さらに「JIRA Service Desk」のルールによる自動化機能を活用することで、さらに解決が容易になります。
3つ目のステップ「ともに良い仕事をする」を、Laskowski氏はF1マシンでシーズンをともに戦うピットクルーに例えました。つまり、「チームとしていかにがんばれるか」ということになります。このために「JIRA Service Desk」では、コメント、シェア、メンションの3つの機能が用意されています。たとえば、チャットの機能が統合されています。これによりコラボレーションを迅速に行って意思の疎通を行い、プロジェクトを効率化できます。