[速報]「Enterprise Architect 事例紹介セミナー」東京で開催

2月10日(金⁠⁠、東京国際フォーラムにてUMLモデリングツールEnterprise Architectの活用事例を紹介する「Enterprise Architect 事例紹介セミナー」が開催されました。主催はスパークスシステムズ ジャパン(株⁠⁠。セミナーの冒頭部分のみ速報でお届けします。

会場の模様
会場の模様

情報共有からはじまる活用の深化に期待

最初にスパークスシステムズ ジャパン⁠株⁠代表取締役 河野岳史氏による挨拶がありました。

挨拶を行うスパークスシステムズ ジャパン 河野岳史氏
挨拶を行うスパークスシステムズ ジャパン 河野岳史氏

Enterprise Architectのユーザ事例を紹介するイベントは、これまでヨーロッパや北米では何度か開催されてきましたが、日本ではユーザさんが事例を明かしたがらないこともあり、開催できずにいました。同じくユーザからの声に押されて、初めて日本での開催にこぎ着けたとのことで、今後も続けていくために、ぜひ参加者の声を聞かせてほしい、発表側へのフィードバックがあれば、それだけメリットになるので、事例を発表するモチベーションになります。こうしてうまく知識の共有を回していくことで、Enterprise Architectの活用もより深まり、いいサイクルが生まれていくことが期待されています。

モデリングで開発チームの意識が変わる

続いてJAXA(宇宙航空研究開発機構)の舟生(ふにゅう)豊朗氏による「宇宙機開発におけるMBSEの導入とツールの活用について」と題した講演が行われました。舟生氏の所属するJAXAの「第三研究ユニット」はかつてJEDI(計算工学)センターと呼ばれた部門で、人工衛星の開発プロジェクトをトータルでサポートします。このユニットが現在取り組むモデルベース開発の概要について語ります。

JAXA 舟生豊朗氏
JAXA 舟生豊朗氏

人工衛星が起こすトラブルのうち、6割以上がハードに起因するもので、これを落としていくのは難しいですが、残り3割強のソフトウェアに起因する不具合、および運用上の事故は、改善の余地があるということを足がかりに、衛星システムの開発に、モデルベースのソフトウェア、そして運用も見据えた設計を取り入れた話を具体的に紹介しました。モデルベース開発によって、これまで部品ごとに関わっていたメーカや末端の運用に携わっていた人員まで、全体を見通したシステムへの理解が進み、改善の方向性も明確になっていったと言います。

舟生氏は最後に、今回のモデルベース開発を検討した際、モデリングツールにEnterprise Architectを選んだ決め手について語りました。候補として上がったシステムはいくつかあったそうですが、そのシステムの各ベンダに「御社のシステムではそのツールを使っているんですか?」と質問したところ、100%使って開発していると答えたのはEnterprise Architectだけだったそうです。

この他、自動車のパワーステアリング開発におけるEnterprise Architectの活用や、ヨーロッパでの事例等、さまざまな視点での事例紹介が行われました。

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