2019年3月12日、東京・渋谷にて、LINE株式会社のスマートディスプレイ「Clova Desk」の報道関係者向け先行体験会が開かれた。
LINEは、これまでにAIアシスタント「Clova」の開発を進めてきており、「Clova」を搭載したスマートスピーカー「Clova WAVE」や「Clova Friends」シリーズなどを販売。そして、昨年「LINE CONFERENCE 2018」にて初公開したスマートディスプレイ「Clova Desk」を、3月19日より販売開始することを発表した。
当日は、まずClova企画室スマートプロダクトチーム マネージャー 中村 浩樹氏からClova Deskのプレゼンテーションが行われ、その後、会場に詰めかけた報道関係者がClova Deskを実際に操作する体験会が開かれた。
プレゼンテーションでははじめに、「Home Signage+Communication」というプロダクトのコンセプトが紹介され、そのコンセプトを基にClova Deskに備えられた、重要な機能やサービスが紹介された。
Clova Deskには、「Clova」でも好評だった赤外線リモコン機能を搭載しており、テレビ、照明、エアコンなどさまざまな家電のリモコン操作をClova Desk1台にまとめられる。発売時点で、Clova Deskに対応している家電機器は、60以上のメーカー、9,657機種にのぼり、順次拡大していく方針。IoT機器は10社のメーカー、12機種に対応している。
またClova Deskにはリモコンから発する赤外線を受信する機能があり、操作対応外の機種でも、そのリモコンからの赤外線をClova Deskに受信させ“学習させる”ことで操作が可能になる。そしてClova Deskには、音声操作によって情報を簡単に調べられ、ディスプレイでその情報を表示できるので、複数人が必要な情報(スケジュール、天気、ニュースなど)を同時に閲覧できるという特徴がある。
Clova Deskは、このような特徴が活かせる「ファミリーユース」を第一に想定しており(家庭のリビングに置いて共有して使うイメージ)、これまで家庭内に散在していた端末や情報、その情報の確認手段が、Clova Deskなら1つに集約できる、と中村氏は説明した。
LINEの機能を統合
Clova Deskのもう1つの大きな強みは、LINEの機能(メッセージ送受信、無料通話)も利用できる点。Clova Deskをスマートフォンなどで利用しているLINEの個人アカウントと紐付けることもできるが、さらに仮想化した“家族アカウント”も登録可能。家庭内での共有アカウントが使用できる。
またディスプレイ・カメラ付きということで、これまでのスマートスピーカーではできなかった、スタンプの送信やビデオ通話にも対応している。
他社とも連携してさまざまなサービスが提供される。クックパッドと連携した料理レシピの閲覧、インターネットテレビ局「AbemaTV」と連携した動画コンテンツの配信(3月中に提供予定)、「LINE MUSIC」を通じた音楽再生、他社の事業とも連携して、さまざまなアプリやサービスに対応している。
他のVODサービスやネットショッピングサービスの展開はまだないが、検討中だという。
機能やサービスだけではなく、基本的な音声認識機能の改善状況も紹介された。Clova Deskでは、従来の「Clova」シリーズ製品より、騒音環境での呼び出し性能、呼び出しに対する反応速度、ともに20%の向上を記録した。精度向上の理由は、ソフト面、ハード面ともに改善に努めてきた結果だと説明された。
はじめてのClova Desk体験
プレゼンテーションの後、会場に設置されたClova Deskを実際に操作する体験会が開かれた。
Clova Deskに呼びかけて、動画を検索してみた。専用のブラウザが起動して、YouTubeの視聴ができる。検索された動画は一覧表示され、連番が振られており、「Clova、○番目の動画を再生して」と呼びかけると該当の番号の動画を再生できる。また、スマートスピーカーとは違いディスプレイがあるので、タップして動画を再生させることも可能だ。
その他にもカメラ機能などがあり、Clova Deskの操作を試すことができた。
操作性については今後ユーザーから出る意見を参考に、改善・向上に努めていく方針という。