もう少し確率の話を続けます。筆者が中学生時代に出会った問題で、その当時なかなか理解できなかったこんな問題がある。
ある友人には2人の子供がいる。男の子か女の子か尋ねたら、「1人は男の子だよ」といった。さて、友人の子どもが2人とも男の子である確率はいくつか。中学生の私はこう考えた。残りの1人は男の子か女の子かどちらかなのだから、確率は1/2だ。これは今でもごく自然な考え方だと思うのだが、実はそうではない。2人の子どもを年上、年下としよう。2人の子どもたちの可能性は、上が男で下も男、上が男で下が女、上が女で下が男、上が女、下も女の4通りがある。
友人の答え「1人は男の子だよ」から「上も下も女の子」は排除される。残りは3通りで、2人とも男の子の場合は一通りしかない。したがって、2人とも男の子である確率は1/3である。その当時、解答を読んでもなぜ上の子、下の子で区別しなければならないのかがきちんとは理解できなかった。同様に確からしいという言葉を学んでから、やっとこの問題が理解できました。ところで、日本語は微妙である。もし友人の答えが「男の子は1人だよ」だったら、当然ですが、残った子供は女の子しかないので(当たり前!)2人とも男である確率は0である。
ところで、この問題は様々なバリエーションがある。コインを2枚トスしたら1枚は裏だった。2枚とも裏である確率はいくつか。この問題は微妙である。トスした結果を見ながら1枚は裏といったのなら、2枚とも裏である確率は1/2、しかし、結果を見ずに1枚は裏だよと伝えられたのなら、2枚とも裏である確率は1/3。こんな変形もあります。あるホテルのドアをノックしたら、中から女性の声で「あなた、出てよ」と聞こえた。男性が出てくる確率はいくつか。この変形はある数学者が考えたものです。