今月のお天気なんでも通信

第8回季節予報とスキー

そろそろ北国では雪の季節です。⁠根雪(ねゆき⁠⁠」と呼ばれる長期積雪の平年値は北海道札幌市では12月4日で、山はもちろん平地でも雪の積もった状態が続くことになります。

この季節になると、気になるのがゲレンデの積雪状態です。最もスキー客の多くなる年末年始までにスキー・スノーボードが可能なほど積もるかが大きな問題です。そこで利用されるのが、毎週金曜日に発表される1か月予報や毎月25日頃に発表される3か月予報などの季節予報ですが、季節予報は必ずしもゲレンデの状態を予想するわけではありません。

1か月予報は1か月先までの毎週の平均の気温、3か月予報は3か月先までの1か月ごとの平均の気温が、平年と比べてどうかという予報です。日本海側の地方では、気温が低いということは大陸から寒波が来るということですから、気温が低い期間が長いほど、また気温が低いほど降雪量は多くなります。図1は、新潟県の豪雪地帯の一つである新潟県十日町市の冬期間の最深積雪の最大値と1~3月の平均気温を表したグラフです。気温の高い年は最深積雪が小さく、気温の低い年は最深積雪が大きいことがわかります。

図1:十日町市の最深積雪と1~3月の平均気温
図1:十日町市の最深積雪と1~3月の平均気温

気温が高くても大丈夫?

しかしながら、太平洋側では気温が低いことだけが雪が降る条件ではなく、低い気温の時に低気圧が通過して雪を降らせなければ、積雪は多くなりません。図2は北海道の太平洋岸の年である帯広市の最深積雪と平均気温のグラフです。これを見ると、気温が高くても最深積雪が大きい年もあり、特に気温と降雪の相関が高いわけではないことがわかります。

図2:帯広市の最深積雪と1~3月の平均気温
図2:帯広市の最深積雪と1~3月の平均気温

さらに、日本海側の地方でも太平洋側の地方でも、ゲレンデの状態が良いのは大雪が降ったあとですから、要するにスキーに行く日の直前に大雪さえ降れば、1か月間の気温が多少高かろうがゲレンデの状態には関係ないということになります。

私もスキーを趣味としていますが、雪の少ない年でスキーの計画に支障が出ないか心配していたところ、スキーに行く前日に50cm以上もの大雪が降り、最高の状態で滑ることができたという経験があります。

スキーヤー・スノーボーダーは、季節予報でおおよその月の気温経過の傾向を把握しつつ、暖冬の予想でもそれほど悲観することはなく、直前に雪に降るかどうかを楽しみに待つというのが良いのではないでしょうか。

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