約1年前に本コラムでも紹介した"Googleの謎の新OSプロジェクト"こと「Fuchsia OS」、発表当初はAndroidでもChrome OSでもない、まったく新しいOS」としか説明がなかったが、ここにきてすこし動きが見えてきたようだ。Googleの開発者であるPetr Hosekは9月12日(米国時間)、GitHubのリポジトリにおいて、Fuchsiaのコアとなる最下層のAPIレイヤを「Magenta(マゼンタ)」から「Zircon(ジルコン)」にリネームしたことを明らかにしている。
- [Fuchsia] Magenta -> Zircon - llvm-mirror/llvm - GitHub
Googleが公開するFuchsiaプロジェクトのサイトによれば、ZirconはFuchsia OSのコアプラットフォームで、ユーザスペースサービスや各種ドライバ/ライブラリから構成されるマイクロカーネルだ。Fuchsia OSの起動やハードウェアアクセス、ユーザスペースプロセスの起動などを制御し、将来的には100程度のsyscallを含めたいとしている。これまで"Magenta"と呼ばれていた部分だが、より多様な機能を含むことを意識したのか、数多くのカラーバリエーションをもつ鉱物"Zircon"にちなんだ名称に変更された。
Fuchsia OSは3条項BSDライセンスを採用しており、システムUIの「Armadillo」やアプリケーションはインタフェースやアプリケーションはGoogleのモバイルアプリケーション開発環境「Flutter SDK」で書かれている。Linuxカーネルを含まない「AndroidでもChrome OSでもない、まったく新しいOS」がモバイルOSとしてどう進化していくのか、そしてGoogle発のオープンソースプロジェクトとしてどう発展していくのか、ふたたび注目が集まりそうだ。